どうするか
検討中
華織さんが事務仕事をする横でカオリンが驚いた表情を見せる。ツンツン、ツンツンと華織さんを呼ぶカオリン。
「ねぇ、華織って確か外国語学部出身だよね?カオリン英語が大の苦手で中学校時代からどうもね……。カオリンコマルン助けてくださいニャン。ホントに困っているニャン」
ぶりっ子キャラをして華織さんに訴えているがカオリンは双子の姉弟のいるママ。顔は童顔で制服を着て学校に潜り込んでも溶け込めそうな雰囲気はある。
それで、肝心の内容を確認をする華織さん。動画サイトにオーストラリアからで全て英語で書かれていた。
「ワタシ、フィギュアスケートノドウガミマシタ。ヨケレバオシエテモライタイデス。ヨロシクオネガイデース」
今度は華織さんがカオリンの肩をツンツンする。英語のコメントの下に翻訳って書いてあるよと笑いながら答えた。英語に苦手意識あってもカタカナが読めなくなるのは末期だよと嘲笑する。
本題に戻って、外国の方がどうも動画を見てくれて教えて欲しいって言っているけどどうする?そもそもどこの支店に来てもらうかと話をカオリンにしていた。
だが、英語と聞いた途端顔面蒼白になるカオリン。華織さんからはスマホやタブレットで翻訳アプリを使えばいいし、分からなければ私が変わるからと説得をしようとしていた。
「氷上のマドンナ」には開設予定も含めて何支店かあるものの外国から来るとなると利便性がいい方がいいだろうと考え、初めての支店を開いた松阪支店に来てもらおうと決めた。
英語で連絡先を伝える華織さん。しばらくすると伝えたアドレスにメールが届いて日時と同日、中部空港まで迎えに行くことを伝えた。異国の地に降り立つだけでも緊張するのに、フィギュアスケートを教わりに来るとなると相当緊張するだろうと考えていた。スケジュールを調整する。
カオリン華織さんのスケジュール帳をバレないようにチラッと見た。ふむふむと頷いている姿がバレてしまい、英語が出来ないからって逃げたらダメだよと笑顔で言われた。
来日当日、中部空港で華織さんとカオリンに話しかけてきたのは小学校に上がる前くらいの金髪がトレードマークの男の子にパとママだった。かわいらしい男の子だなと思いつつカタコトの日本語を必死に話す姿がより愛おしく感じていた。
車内に乗ると華織さんが英語で会話をしている。何を言っているのがかちんぷんかんぷんなカオリンにとってはまるで邦画を見ている様。
早速「氷上のマドンナ松阪支店」にて氷に乗るとかわいらしい顔立ちからは想像出来ない位軽やかに滑っている。思わずワンダフルと叫んでしまう華織さん。
お腹が痛いと逃げまどうカオリン。仕方なく華織さんが英語で演技やジャンプの仕方を教えていた。
頃合を見計らった様にカオリンが戻ってきて駅まで送迎した華織さん。送り届け終わって、帰る道中で海外進出も視野に入れているって言ったらどうするのと聞かれたカオリン。
そう聞いたカオリンは再び顔面蒼白になる。もう、自分が英語を覚えるよりも通訳の人を雇った方が間違いなく早いと確信していた。




