時代に合わせて
効率的
それぞれの支店に帰って行った華織さんとカオリンの教え子と子供達。カオリンは松阪市に戻るべく舞莉子や伊吹君、結華ちゃんを家に送り届けるという責務があると新幹線と電車を乗り継いでいた。華織さんは取材があるからと川崎に残った。
カオリンがボソッと呟いた。
「舞莉子ちゃんは電車の中でタブレットで何をやってるの?そうかと思えば伊吹も結華も忙しそうにしてるけどどうしたの?」
3人揃って学校の宿題をタブレッでやっていて、提出も行うと話していた。それを聞いて驚いた。なぜなら自分たちの時は黒板に板書してノートに書く。宿題も算数ドリルや漢字ドリル、英語ノート等を毎日のように課させていた身としたらそのギャップには言葉が出ない。特に漢字はタブレットで入力するだけでは覚えられないのではないかと感じる。
手書き、パソコン、タブレットとそれぞれ使ってきた最後の世代ともいえるカオリン。自分自身もその変化に乗り遅れないようにしないと時代に淘汰されてしまうなと考えていた。
スマホの時間を確認をするカオリン。最寄駅に着くまで残り約1時間半であったがスマホでメモアプリを開いて文字を入力をする。
「これからのフィギュアスケートのためにすべき事に必要な事と大事になってくる物」と題して書き進める。
主に3つあると提言する。
1つ目にネット環境の整備で、自分達が現役だった時はコーチやインストラクターの言っていた事をそのまま聞いていたが今はタブレットがあってそれを撮影して本人と確認をするため。
2つ目に踏み切りの部分やジャンプの高さを自分の感覚ではなくて、可視化する事によって客観的に見る事が出来るためにも必要ではないか。
3つ目に自分達が演技してきたものや過去のフィギュアスケーターの映像を確認をして自分にも取り入れられないかとインプットして実際にやってみるアウトプットに繋げた方がいい。
これをメモアプリで作って会社のパソコンにワードでコピーをした物を華織さんに渡そうと考えていた。ダラダラ書いても何が書いてあるのか分からなくては意味がないとA4サイズ1枚にまとめて印刷をした。
華織さんに渡す。
だが、意外な返答が返ってきた。
「紙で印刷して持ってきてくれてありがとう。だけど、紙だと無くしちゃうかも知れないからLINEでいいよ。それかPDFデータで送ってもらえればいいよ」
フィギュアスケーターとしてはプライベートではお友達かも知れないが、会社となるとあくまでも代表取締役社長と代表取締役副社長の関係になる。だからそこは区別してちゃんとするべきだと考えていてカオリン。親しみやすいのはいいが、距離が近すぎてあっけらかんとしていた。
これからも会社のために、未来のフィギュアスケーターのために何が出来るのかを考えていきたいと考えていたカオリンであった。




