吉報
安堵する
少しずつではあるものの「氷上のマドンナの支店」を続々とオープンさせることが出来て広報の琢郎さんも全国足繁く運んでくれて、元々フィギュアスケート場があった場所から誘致してくれたおかげだなと代表取締役社長兼インストラクターの氷室華織さんと代表取締役副社長でもある小山内香凛さん。
フィギュアスケート場という箱がいて、コーチやインストラクターがいても肝心の教わる子がいなくてはどうもこうもない。
華織さんとカオリンはどのように人を呼び込むか。それぞれの自治体に巣立って行ったコーチやインストラクター達に支店の状況が気になって気が気ではなかった。支店を各都道府県に1は作りたいと意気込んでいたが、稼働率はどうなるのだろうかとまだ出来たての支店も含めて稼働率の事ばかり気になっていた。
「氷上のマドンナ薩摩川内支店」から連絡を受けた華織さんとカオリン。何の前触れのなしにLINE電話がかかってきた。
「氷室華織さん、そして小山内香凛さんのご指導ご鞭撻のおかげで私たちは今ここにいます。LINE電話させていただいのは募集がなくて困っているという話ではなく、逆に人が入りたいという声が多くて。6人でまず誰が長としてやるのかを決めていって、協調性をもってやっていきたい」
華織さんとカオリンは「氷上のマドンナ松阪支店」にいるコーチやインストラクターの卵たちの育成に舞莉子や伊吹君や結華ちゃんの指導。そして、依頼があればメディア出演等と多忙を極める。好きじゃないとやっていられないと華織さんとカオリンは呟いている。
それぞれの支店に送り出したはいいものの、特に人の希望が多かった「氷上のマドンナ薩摩川内支店」では6人の中で誰がメインで誰をサブなのかという所までは気が回っていなかった華織さんとカオリン。
最初はお互いにどんな人なのかしどろもどろになっていて緊張して牽制し合っていた子も多くいた。誰が長としてやっていくのか決めていってということはまだ決まってはいないだろうけど、誰かが中心として上手くやっていってくれるだろうそう考えていた。
出会ってから僅か数ヶ月という短い期間で氷室華織と小山内香凛のフィギュアスケートの教えだけでなくて人間的にも成長した様な感じがして、その姿を見ると、まるで部活の後輩が目標に向かって頑張っている様な気がしていた。
とはいえ、送り出したのは薩摩川内支店の子達だけではなくて他にも江津支店の子や駒ヶ根支店もいる。その子達も羽ばたいて時間があればご飯やランチにも行きたい。
まだ3支店でこれだけ感無量していたらこれから先の支店を出すとなった時、ずっと泣いていなきゃいけないのかと感じていた華織さんとカオリンであった。




