久しぶりの日本
困ったちゃん
イタリアから日本に帰国した舞莉子と優愛さん、コトリン、結華ちゃん、伊吹君の5人。乗り継ぎがあるからと優愛さんとまた会おうねと手を振った。
4人で残ったユーロを交換所で日本円に変える。
結華ちゃんと伊吹君はお金を財布にしまって舞莉子とコトリンを待っている。
残ったユーロを変える舞莉子。戻ってきた日本円に驚く。ヤバい、これじゃあ家に帰れない。どうしようと汗が出てくる。隣のコトリンに借りようかと思ったが、親しき仲にも礼儀あり。人からお金を借りるのはどうかと思う。
すると横から別の財布が見えた。コトリンが言う。
「マリリン、イタリアでお金使いすぎちゃって家に帰れない。どうしよう……。泳いで帰れる距離じゃないし、ヒッチハイクする勇気もないし……」
どうやらコトリンも舞莉子と同じ状況。
とりあえずパパとママに連絡をするが、共に出張で迎えに行きたくても行けないとLINEが返ってきた。さぁいよいよどうするか頭を悩ませる。
背に腹はかえられないと決めた。
「仕方ないからコトリン、スキマバイトして家に帰ろうか、募集している仕事はあるかどうか分からないけど、なりふり構わず言ってられないよね」
コトリンもそうだねと項垂れて重苦しい雰囲気が漂っていた。こういう時に限ってスキマバイトの仕事もない。泣きたくなった。
結華ちゃんが付いてきてと言われ、空港の外に出る伊吹君と舞莉子にコトリン。そこには見覚えのある車が止まっていた。そこにはカオリンが乗っている。
「とりあえず乗りなと乗せてくれた。
結華から連絡もらったよ。舞莉子ちゃんのコトリンが泳いで帰るだのヒッチハイクで帰るって言ってたのは。スキマバイトをしようとしていたみたいだけど、連絡してくれればよかったのに。あれ?伊吹かわいい帽子被ってるね。イタリアはどうだった?」
舞莉子としてはカオリンに心配かけたくないため、自分にブーイングや文句でこういう事を言われた。その話はしないでおこうと決めた。
すると結華ちゃんが答えた。
「ねぇ、ママ聞いて。舞莉子ちゃんが演技を終えて1試合調子悪かっただけで、引退しろだの自惚れだの言われたみたい。これってもうブーイングとか文句とかって言うレベルじゃないよね?侮辱罪とか名誉毀損レベルだと思うんだよね、あ、ちなみに伊吹が被ってるかわいい帽子は舞莉子ちゃんが話を聞いてくれたお礼にって買ってくれたみたい。結華やコトリン、優愛さんにも買ってくれてて多分それでお金無くなっちゃったと思うから怒らないであげて」
結華ちゃんが全て代弁してくれた。
するとカオリンが舞莉子に話しかけた。
「舞莉子ちゃん、大変だったね。知名度が上がれば応援してくれる人も増えればその分アンチも比例して増えるからね。でもそれってフィギュアスケート界に名前が知れ渡っている証拠だよ。私もよく現役時代、社長の華織さんと比較されてハズレだのなんだの言われてきたから少しは気持ちを分かってあげられるかな」
自覚はしてなかったが、ファンやアンチがいるのは名前が知れ渡っている証拠。その言葉を聞いて実はマンダラチャートの1つは叶っているのかと感じていた舞莉子であった。




