最後
背伸びせず
年内にグランプリファイナルと全日本フィギュアスケートを終えた舞莉子。共に優勝とはならなかったものの、2位として表彰台乗れてよかったと思いつつも4回転をプログラムに組み込んでも上手く着氷出来なかったとはいえ、表彰台に乗れたのは嬉しかった。
年内の主要大会を終えて次は4大陸選手権に国民スポーツ大会に出場する。大晦日と新年くらいは心身共に休めたいかなと考えていた。それでもストレッチしか怪我をしない様に気をつけていた。
何年ぶりかに家族で旅行に地元の温泉旅行に行く。日頃に疲れを癒そうと温泉や美味しいご飯を楽しみにしてくれていた。パパとママが舞莉子の事を考えてくれたのかとても嬉しかった。
温泉に行くと、温泉の効能で疲労回復であったり古傷に効くと書いてあったりと小さい頃から数ある怪我をしてきた舞莉子にとっては助かる。着いて入って地元名産の松阪牛のすき焼きを食べる。
フィギュアスケートを始めて10数年。家族でこうやって旅行に行ったのは何年ぶりだろうか?遠征や大会で出かけたり、グランプリシリーズで海外に行く方が多い。国内での旅行に限ると通信制高校での、修学旅行に北海道に行って以来。
年が明けて、新年を迎えた。明けましておめでとうと挨拶をして近くの神社に向かう。人としてもっと成長出来る様にしていきたいと願いを込めた。
2日間の休みを経て、再びフィギュアスケートに戻って次は4大陸選手権に向けて4回転ジャンプの練習のキレや精度を上げていきたい。スピンや代名詞の「舞莉子スワンステップ」も極めたい。
練習をしているとあっという間に4大陸選手権の日を迎える。出る側じゃなかったらどの試合がテレビで放映されるのか気になるが、出演する側になってからはそんな事よりも自分の演技をするだけで手がいっぱいで気にした事がない。
ショートプログラムでは、3回転と4回転のコンビネーションジャンプを決めると拍手と歓声が送られてスピンもいつもよりも多く回る。ショートプログラム首位で、翌日のフリープログラムでも違う3回転と4回転を決めて1位で優勝した。
最後は国民スポーツ大会に向けて弾みをつけた。
国民スポーツ大会、当日を迎えた。予選同様、ブーイングや文句が来るだろうなと予想していた。
「この前、4大陸選手権で優勝したやつが何で国民スポーツ大会に出ているんだ」
「今からでも遅くない。出場辞退しろ。他の子にもチャンスを上げろ」
ブーイングや文句を背に演技をする。ブーイングや文句を力にかえて代名詞の「舞莉子スワンステップ」圧倒的な実力差を付けて優勝した。
会場は文句言っていた人が黙って賛辞を送る人もいれば未だに文句を言い続ける人もいる。圧倒的な演技をすればブーイングや文句をもなくなって拍手に変わるかと思ったがそうではなかったと感じた。




