葛藤
悩み中
ある日、ネットニュースを見ていた舞莉子。今年の国民スポーツ大会(通称国スポ)の開催地は大阪府に決まったと知る。
国民スポーツ大会ってそんな大会聞いた事ないなと調べてみると前の国民体育大会(通称国体)と呼ばれるもので舞莉子の知らない間に名称が変わっていたという感じだ。
フィギュアスケートの出場要項を見てみる。
日本スケート連盟のバッジテスト5級以上(中3は6級以上)を持ち、都道府県予選を勝ち抜いた選手(成年・少年)が出場可能。世界選手権や全日本選手権の出場者なども選考対象となり、ブロック予選での成績で決定する。
要件を満たしている舞莉子としては出場するかどうするか考えていた。シニア転向してガッツリグランプリシリーズにも参加した上にメダルを獲得は出来なかったものの、紛いにもオリンピック選手。その舞莉子が出場条件が揃っているからといって出ていいものなのかと躊躇いがある。
グランプリシリーズやオリンピックに出場をしていて分かったのは声援もあれば怒号やブーイングの声も少なからずあった。周りが敵ばかりの状況でいかに自分の演技が出来るのかがグランプリシリーズやオリンピックといった主要大会では大切になる。
とりあえず今シーズンの予定を確認をして、グランプリシリーズの合間に国民スポーツ大会にも出場を決めた舞莉子。
同世代を貶すつもりもないし、見下すつもりもない。ましては自分がオリンピアンだという過去の栄光に縋るつもりもない。勝負の世界では強い者が勝つのではなくて勝った者が強いのは舞莉子自身、誰よりも痛感していた。
国民スポーツ大会の日程を確認するとグランプリファイナルが行われて、その後に行われる全日本フィギュアスケート選手権を終えて年明けの1月〜2月に行われるのが通例らしい。
グランプリシリーズはフィンランド大会と日本大会(別名NHK杯)にエントリーをした。今シーズンはプログラムの中に4回転を組み込んでみようと考えている。
初戦となる日本大会となる、NHK杯でプログラムの中に4回転トーループを入れてみたらショートプログラムでもフリープログラムでも自分が思っている以上の演技が出来て1位で立ち上がりとしては嬉しい。
次のフィンランド大会の間、4回転ジャンプとスピンに代名詞でもある「舞莉子スワンステップ」に磨きをかけている。オンとオフを切り替えて怪我持ちだからこそストレッチや身体のメンテナンスには誰よりも時間を割く。
国民スポーツ大会予選にグランプリファイナル、全日本フィギュアスケート選手権、国民スポーツ大会と怒涛な過密日程にはなるが、その中で自分がいかに試合で勝ち切れるのかというのが舞莉子自身か楽しみであった。
怪我だけはしない。頭の片隅にはそれだけを考えていた。




