表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
氷上のフェアリー  作者: 佐々蔵翔人


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

PR
122/140

重圧

恥ずかしい

個人が終わってフィギュアスケートのラストを飾るのは団体戦になる。団体戦はアイスダンスから始まってペア、男子で最後に女子となる。すなわち日本の最後を滑るのは女子代表の舞莉子まりこになる。


自分の番が回って来る日までは基本的に同じ団体戦に出場選手を応援するために観客席から声援を送りつつ、試合後には近くのスケートリンクにて調整に務める舞莉子まりこ


アイスダンスやペアの演技をちゃんと見たのが今回のオリンピックが初めてだった舞莉子まりこ。男女の体格差があるのにまるで双子なのかというくらい動きが揃っている。1人で跳ぶのも難しいのに2人で合わせて跳ぶ姿には感動と同時に相手を信頼出来てないと難しいし、強い絆を感じる。


翌日の男子が終わって日本は3位に付けていている。メダル確実だの「舞莉子まりこスワンステップ」の松阪まつさか舞莉子まりこだからと周りからその様な声が聞こえてきて緊張感が高まってくる。


そして舞莉子まりこが出場する日。

違う国の選手が演技している様子を見ていつもなら緊張感すら楽しもうとしている舞莉子まりこだが、自分の順番が回ってくるにつれて胸の鼓動がいつもよりも早い。こういう時こそ深呼吸と自分に言い聞かしていた。


深呼吸をして、リンクに乗る舞莉子まりこ。Mrs3回転との声が届いて滑走する。最初の3回転半が上手く着氷出来ず、3回転サルコウも回転不足を感じていて焦っているがジャンプが調子悪いならばスピンや代名詞の「舞莉子まりこスワンステップ」だけでもと頭を切り替えて滑りきった。


得点は自分のベストには遠く及ばず4位に後退した。この瞬間、日本のメダル獲得はなくなった。舞莉子まりこのせいで日本にメダルをもたらすことが出来なかったと思ったらまだ全チームが終わっていないのに涙が出てきた。


表彰式が行われている間に誰にも会わずに選手村に帰りたい。そんな気持ちでいた舞莉子まりこ。アイスダンスの選手、ペアの選手、男子の選手がそれぞれの力を発揮してメダル圏内でバトンを舞莉子まりこに渡してくれたと思うと合わせる顔がないからだと感じていた。


ひとまず顔を洗いに行こうとリンクを後にしようとした時、ギュッと抱きしめられた。日本の恥なのに舞莉子まりこに優しくしてくれるのは誰だろうと思って顔を上げたら優愛ゆあさんがいて、声をかけてくれた。


舞莉子まりこちゃんお疲れ様。もしかしたら自分の実力が発揮出来ずに悔しくてメダルの重圧もあったよね。日本に帰ったらあの子のせいでと後ろ指を差されるかも知れないけど気にしないでね。初出場のプレッシャーは誰にでもあるよ。立場は違うけどジュニアオリンピックに初めて出た時、自分の演技が出来なくて悔しい思いをしたから少し気持ちは分かるよ」


そこにいたのは優愛ゆあさんだけでなくて他の選手も舞莉子まりこの元に来てくれて抱きしめてくれたり頭を撫でてくれたりしてなぐさめてくれていた。何か1人足りない気がしていた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ