どちらをとるか
敵か味方か
高校2年生になった舞莉子とコトリン、結華ちゃんと伊吹君の4人。この年はよく華のセブンティーンの巷で呼ばれるが、フィギュアスケートをやっている舞莉子達はシニア転向が可能な年齢に達して結果を残せばオリンピック出場にも繋がる。
遊ぶ時間よりもフィギュアスケートに時間を割く方が圧倒的に多い。遊ぶのはいつでも出来るけどフィギュアスケートでの現役生活はそれ程長くない。
シーズンが終わり、新シーズンに向けていつものように練習をする舞莉子。このままオール3回転でいくのか、それとも4回転も跳べるから解禁していくのか悩んでいた。公式戦に出る時の体調に合わせていこうかと考えていた。
家でお風呂上がりにストレッチをしていた舞莉子。スマホが鳴ってみるとコトリンからの電話。急になんだろうと思って電話を出た。
突然ゴメンね。マリリン今大丈夫?そういつもなら明るくてポジティブモンスターでもあるコトリンの声が暗く感じた。何だろうとストレッチを止めた。
「マリリン、私の本名は小鳥遊琴凛シャーロットっていうの覚えてる?17歳でシニア転向も視野に入れているし、もしオリンピックに出られるチャンスがあるならば代表になれるかもしれない。でも1つ悩みがあって、みんなと共に日本代表として出場するべきなのか?敵としてでもドイツ代表として出場するべきなのか?」
思っていた以上に深刻な悩みを相談をされた。電話しながらスピーカーにしてコトリンが悩んでいる件について調べてみた。どうやらハーフでもあるコトリンはお父さんのドイツ国籍かお母さんの日本人国籍かを選ばなくてはならない。日本国憲法でも22歳を迎えるまでに選ばなくてはならない。
気軽に日本では競技人口が多いからドイツ代表として出場したらとも言えないし、競技人口が多いからこ日本を選ぶべきだよとも言えない。
「舞莉子も今の話を聞いて調べてみたよ。もし選ばれてオリンピックに出場するってなったら選ばなきゃいけないし、次のオリンピックまでにはどちらか選ばざる得ない状況だね。コトリンがどう思っているか分からないけど、もしドイツの方が競技人口が日本より少ないから選ぶっていうのはその国で頑張っている選手に対して軽蔑しているし、日本代表を目指してダメでも自分がレベルアップする。どちらを選んだ方がいいのかを舞莉子じゃあ到底決められない。最後に選ぶのはコトリンだからね」
舞莉子が言った事が響いたのか真剣に考えてくれている。コトリンがどのような判断をするのか気になる。日本代表として仲間としてこれからもやっていく事になるのか?それともドイツ代表として敵として対決する事になるのか?どちらであっても自分のする事は変わらない。
しばらく考えてコトリンが話した。
「マリリン、決めたよ。コトリンとしては日本代表として日の丸を背負って世界で戦いたいと思うよ。ドイツ人の心を忘れたつもりもないし、ドイツ人である事も自認している。だからこれまで以上にフランクフルトを食べていくよ」
確かにドイツの街にフランクフルトがあるのは知っている。だが、ドイツ人が毎日フランクフルトを食べるとは限らない。答えかコトリンらしいな。




