どうしてなのか
ため息しか出ない
そうしてカオリンの動画サイト、「教えてカオリン 氷上のマドンナ参上!!」に投稿された舞莉子が個人的に行っていた緩衝材とアルミ缶を使った練習がもう「氷上のマドンナ」に通う全支店以外の子達も参考にして取り入れる子が増えてきそうだなと身震いしていた。
せめて「氷上のマドンナ」だけの身内にしておいてくれてもよかったのになと嘆いている舞莉子。そうなったら自分のレベルアップが必須だと3回転アクセルやの他に回転トゥループにサルコウやフリップの精度を上げたいし、残りのルッツやループ、アクセルも跳べるようになりたい。
そういえば注文をしたフィギュアスケート選手も多く使用しているスピナーを確認するが未だに届いていない。どうやら最近の新型コロナ感染症対策として物流も制限されているみたい。
泣いても喚いた所で届く日時が早まる訳でもなく、気長に待とう。それまではバランスボールに乗ったり、従来通り緩衝材を敷いてアルミ缶を置くというオリジナルの練習をすればいいと考えた。
そうして数ヶ月を過ごしていた。季節は暑さが和らぎ徐々に寒くなってきて衣替えで夏服から冬服に変わっていく。暑いと感染症には罹患しないという今迄の常識を覆してるのが新型コロナ感染症。この時、舞莉子はならなかったものの冬に近づくにつれて気をつけなくては。
ハロウィンが過ぎて勤労感謝の日が間近に迫って3連休でフィギュアスケートに時間を費す時間を増えると喜んでいた。その時だった。
前日迄何もなかったのに起きたら急に寒気がするし関節が痛い。それに過去を遡ってもこれだけの咳をずっとしていた事がないくらい咳が止まらない。え?もしかしてこの症状はとタブレットで検索をすると新型コロナ感染症にもインフルエンザどちらにも該当する。とりあえずパパとママに説明する。
近くにある内科で受診をしようとすると午前中の最後に回された。理由は感染症の人とそれ以外の人と隔離をするためと説明をされた。
時間になって舞莉子が病院に行って検査をすると新型コロナ感染症陽性で自宅療養という形で食器や箸は分けたり、お風呂は1番最後にドアノブや共有して使う場所にはその都度消毒する様にと伝えられたママ。
学校には行けないし、「氷上のマドンナ松阪支店」には行けないしと肩を落とす。それだけでなく、自分が新型コロナ感染症に罹患したせいで本来ならば働きに行けたパパやママも行けなくなるのは申し訳ない。
舞莉子自身がなったのは仕方ないから大人しく家にいるしかないけど、濃厚接触者扱いになってしまった。謝るもののママからはずっとフィギュアスケート漬けだったからたまにはゆっくりしなよと声をかけてくれた。
言われてみればこういう時じゃないとフィギュアスケートから離れる事も出来ないと思いつつも練習しないと跳べなくなる不安もある。




