襲来
泣きたくなる
いつものように早めに家を出て学校でアルミ缶と緩衝材を持ってジャンプの練習をして学校が終われば自転車で「氷上のマドンナ松阪支店」に向かって練習をして、終わったら家に帰るという忙しい日々を過ごしていた。
テレビを付ければある感染症の話題で持ち切りである。それは新型コロナ感染症(別名COVID19)と呼ばれるものが海外で流行り、日本でも少しずつ広がりつつあると連日報道されている。
主な症状としては咳や発熱等の風邪や肺炎と同等の症状が出るらしい。そういうのが流行っているんだ怪我ではないがこれに罹患したらフィギュアスケートが出来なくなると注意しなくてはならないといけないと感じた舞莉子であった。
終業式が終わり、いつもの様に「氷上のマドンナ松阪支店」に向かう。すると昨日までは入れたのにこの日は入れずにどうしたらいいか分からずにいた舞莉子。そこに続々とやって来てコトリンや結華ちゃん、伊吹君とやって来た。
入口には1枚の張り紙が貼ってあった。
「私事ですが、現在流行している新型コロナ感染症に罹患してしまいそれぞれの支店にいるコーチやインストラクター、そしてスタッフに生徒に感染を広げてはならないため、急ではありますが生徒におきましては各自で練習してください。再開につきましてはそれぞれのコーチならびにインストラクターから通知致します。
代表取締役社長、氷室華織
代表取締役副社長、小山内香凛」
文脈を読み解くと華織さんとカオリンの2人がコロナになったのかなと思う舞莉子。老若男女関係なくこのコロナという感染症に罹患してしまうのかと考えていた。
だが、それどころではないのはコトリンを含めた他の子達で基本的にコーチやインストラクターさんから言われて練習を行っていた。どうするこうすると全員が考えをあぐねている。
それは普段は仲良しでライバルでもあるコトリンや結華ちゃんも例外ではない。私たちこれからどうしたらいいのかと今にも泣き出しそうな目で訴えてくる。
普段から学校の授業前にアルミ缶と緩衝材を持って練習をしている舞莉子にとってそうならばそれで練習すればいいと気持ちを切り替えればいいが、周りの子はそうではない。
敵に塩を送るではないが、困っている子達に公園かどこかでこういう練習しているよっていってみんなでやるべきか?それともそこは自分達で考えて突き放すべきなのかと考えていた。
この子達を見捨てて自分だけ。その気持ちも芽生えるとどうも突き放す事が出来ずにいた。
泣いている子もいる中で声を上げた。
「しばらくの間フィギュアスケートが出来なくなって休むのもよし、何かしらフィギュアスケートに活かしたいと思う人がいたら1時間後にまたここに来てください。参考になるか分からないけどそれでもよければ来てください」
何人集まるか分からないものの、全員でレベルアップして底上げしても自分がそれを上回れればいいと考えていた。




