試行錯誤
ダメで元々
思いの外3回転半が跳べずにいる舞莉子。半回転多いだけでこんなにも難しいものなのかと感じる。
跳べるまで只管練習するのも大事だが何か他にも出来る事はないだろうかと考えていた。3回転半を諦めて他の4回転に着手に切り替えた方がいいのかなとも頭に過ぎる。まだ何か出来る事はあるはずだと諦めが悪くてポジティブに考えていた。
とはいえ何が出来るのか思い浮かばずにいる舞莉子。項垂れていた。授業が終わって中学校から「氷上のマドンナ松阪支店」に自転車で向かっている時際にヘルメットにコツンと何かが当たる音がした。
痛いなと思いつつ、自転車を止めた。そこには飲み終わったアルミ缶が落ちていた。ポイ捨てした上に人の頭にアルミ缶を当てるなんて信じられない。もし舞莉子がヘルメットしてなかったら怪我をしていたかもしれないとプリプリしていた。思わずその缶を投げたくなった舞莉子。
このアルミ缶、何かに使えないだろうかと見つめている舞莉子。頭に電気が走ったように何か思いついてコレだ。そう思ってアルミ缶を持って帰ろうとするとおじいちゃんがお姉ちゃんアルミ缶もらえないかなと言われて渡した。このアルミ缶じゃなきゃダメだという拘りはない。
おじいちゃんにアルミ缶を渡して自転車で再び「氷上のマドンナ松阪支店」に向かう舞莉子。流石にここでアルミ缶を探していたらどうしたのかと思われるためにしないもののアルミ缶を探そう。
小学生くらいの子達が何かを持って時間まで遊んでいた。ねぇ、みんなが遊んでいるのは何?お姉ちゃんにも教えてと声をかけた。
ハンドスキャナーっていう物だよと見せてくれた。テで弾いて回転をさせる。止まりそうになったらまた回すという風にして遊ぶみたい。自分もこんな風に跳べて回れたらなとじっと眺めていた。
アルミ缶を集めて上に積んで倒さずに出来れば少しでも3回転半を跳ぶ練習になるのかもとフィギュアスケートの練習時間以外はこれに充ててみようと頭の中で考えてみた。
氷に上がってこの辺りにアルミ缶があるだろうなという想定をして高く遠く跳ぶように意識してやってみる。自分の思い描いている回転は出来つつあるが中々着氷といかない。イメージは出来ているのにも関わらずそれが出来ないのがもどかしい気持ち。
練習が終わって家に帰る舞莉子。パパとママにアルミ缶はない?アルミ缶じゃなくてもいいから使い終わった缶をあるだけ欲しいと伝えた。
ママから今あるのはこれだけだとビニール袋にあるだけの缶を入れてくれた。中を見ると他に比べたら大きいトマト缶も入っていてニヤニヤする。
何に使うのか聞かれた舞莉子。そう聞かれてとりあえずフィギュアスケートの自主練したいからと答えてまた缶が出たらその都度舞莉子に渡して欲しいと伝えた。
ずっと出来ずにいるからこれで出来なくても何とも思わない。逆に出来たらラッキーくらいの気持ちでいる舞莉子であった。




