第9話 これから
「ナナ、早速なんだけど...何があったの?」
私は聞いた。なぜあんな所にいて、なぜこんなにも頭部が損傷しているのか気になったから。
ナナは、キョトンとした表情で私は見つめる。そして、口を開く。
「なにか...あった...?おぼえてない...。」
「そっかぁ...。」
困ったな、どうしよう。ひょっとしたらこの子は迷子なのかもしれない。持ち主はこの子のことを探しているかもしれない。だとしたら、早く帰してあげないと...。
「ねぇユウ、ちょっとこの子のこと調べられない?」
「...検索中...特に情報は見当たりませんでした。しかしナナを解析したところ、所々に大きな損傷が見受けられます。」
...たしかに、頭の部分酷いことになってるもんなぁ...。本当に何があったんだろう...。
「特に核の損傷が大きいです。」
「核って?」
「人間で言うところの、心に該当する部分です。この損傷具合だと、ナナが正気のままいられるのは3ヶ月程度でしょう。」
「...え...?」
その時。ミナが後ろに立っていた。...既にお風呂からは上がったようだ。
「3ヶ月...ね...。」
少し暗い表情で言う。
「...?」
ナナは、またキョトンとした表情で首を傾げている。
「ナナ、あなたの脳の損傷を見るに、知能の部分に欠陥が現れているのではないでしょうか。」
「けっかん...ってなに...?」
ナナはどうやら、損傷により本当に知能が低くなっているようだ。...まるで小学生みたいな話し方だ。
「あなたには私の講義を受けていただく必要があると思われます。」
「こうぎ...?」
ナナの頭の上に、ハテナが浮かんでいる。
「簡単に言うと、一緒に勉強しようってことだよ。」
ミナが優しく言う。
「べんきょう...やってみたい...。」
ナナの声のトーンが、少しだけ上がった。




