第19話 こわい...
「あそこかぁ...。」
私は、やはり微妙な反応をする。ミナも、少し苦笑い。
「さな、いきたくない...?ごめんなさい、じゃあ...」
ナナが落ち込んだような表情で言いかけた。
「あぁ待って待って!大丈夫!ナナが行きたいのなら、行ってみる?」
必死に宥めた。ナナの表情が、急激に明るくなる。
「いいの!?やったー!」
...あんな顔されたら、ダメなんて言えるわけ...。
そして、歩き出している時。昨日お客さんとして来ていたおじいさんと、その息子だろうか?2人が、店の中に入っていった。その瞬間。
「...!?」
ナナは、その場に蹲った。...すごい汗だ...。
「ナナ!?どうしたの!?ちょ...ミナ...!どうすれば...!」
ナナは、息を切らしている。
「サナ、大丈夫。こういう時は...」
ナナの股間に手を伸ばし、スリープ。そして、すぐに再起動。
「...あれ...?なな、なにしてたんだっけ...。」
「今はね、散歩してる最中だよ。じゃあ次は、あっちの道に行ってみようか。」
ミナは、さりげなくあの弁当屋からナナを遠ざけた。
...にしても、どうしたのだろう...。店に入っていくお客さんを見て、あんなに怯えたような反応をして...。
ミナの顔をそっと見る。ナナと話している時は笑顔で、まるでナナの姉かのように接している。だが、ナナがミナから目を逸らした瞬間だけ、悲しそうな表情を浮かべていた。
そして、しばらく歩いて。
「そろそろお昼じゃない?一旦戻る?」
私が提案する。
「そうだね...。じゃあ、もど...」
ミナの口が止まる。道の先を見ながら。
「いや、あっちで食べてみない?」
ミナが提案した。道の先にあったのは、最近新しく出来たファミレスだ。
「たまにはいいね〜行こ!」
「よし、決まり!」
ナナは、またきょとんとしていた。
「あそこは...?」
「ああ、ご飯を食べられる場所だよ。美味しいよ〜。」
「...ごはん!!」
ナナは、また目を輝かせた。
店に着いた。扉を開ける。
「...すごい...いいにおい...。」
「へぇ〜中綺麗〜!」
ナナとミナは、この建物に魅了されていた。
「いらっしゃいませ。空いているお席にどうぞ。」
機械のような声。だが、姿は人間だ。...なんだか、ユウみたいな...。
そして、適当な席に腰掛ける。
「ねぇミナ、この人たちもHAなの?」
私は質問してみた。
「そうだよ、多分ここにいる人達全員そうだね。」
ミナは、答えた。
「せっかくの機会だし、HAについて詳しく教えようか。」




