第17話 きゅうじつ
ー数時間後。
「講義は以上です。お疲れ様でした。」
「つっっっかれたぁぁぁ...」
ユウの講義。...正直、バイトの日はあまり受けたくないんだよね...。バイトから帰ってきたらすぐに夕飯食べて、お風呂に入って、すぐに講義。で、講義が終わる頃には23時。...あとは、寝るだけ...。
でも、講義は受けなければならない。高等学校が廃止されたこの世界では、代わりに土日祝を除く平日に、毎日3時間の講義を受けることが義務付けられているからだ。
「お疲れ様...。」
隣に、一緒に講義を受けていたミナ。
「疲れたよぉ〜」
ミナに抱きつきながら、寝転がる。
「よしよし、頑張ったね。」
私の頭を撫でながら、ミナは優しい声で言った。
...にしても、ミナの膝って寝心地良すぎ...。
そして。目が覚める。...って外明るい!?
「ちょ...え...!?朝!?」
仰向けになる。頭に触れていた何かが、床に。
「...ってミナ!?ずっとこうしてたの!?」
まだ私は、ミナに膝枕されていた。そして、ミナも寝落ちしていた。
ってミナ、足大丈夫!?昨日の夜からこうしてたんでしょ!?
私は、すぐに起き上がった。
そして。すぐにミナも目を覚ました。
「ん...。おはよう...。」
寝起きの、少しボーッとしているような顔をしながら、ミナは起きた。
「お、おはよう...。ごめん、足大丈夫!?重かったでしょ!?」
「...あし...?ああ、全然大丈夫だよ...。」
ミナは立ちながら、私に笑顔で言った。
「立って大丈夫なの!?足痺れてるんじゃ...」
「え...?あぁ、大丈夫大丈夫...。」
ミナは一切ふらつかず、その場に立った。
「朝ごはん作ってくるね。」
そう言い残し、キッチンへ。
...いやいやいや...。ミナすごすぎない!?何時間も私が膝の上で寝てたのに、あんなに素早く立ってすぐに歩いてキッチンへ行くって...。すごすぎるでしょ!?
「ミナ、私もたまには朝ごはん手伝うよ」
私はミナに声をかけた。
「あ...嬉しいけど、今はナナの様子見てあげてほしいかも...!」
「ナナ...?まだ寝てるんじゃ...?」
ナナ。今はまだ、起きていない。...正確には、スリープ状態のまま。
HAというのは、寝るという行為の代わりにスリープ状態になることで、一日の記憶を整理するそうだ。ナナは、いつも充電しながらスリープ状態になっているのだそう。
「うん、多分まだ寝てる。でもナナって、バッテリーも損傷してるっぽくてさ...。」
ミナは、少し悲しげな表情で言う。
「だからもしもの時のために、こまめに様子を見た方が良いと思う。もし充電がされてなかったら言ってほしい。」
「...分かった!」
私は、ナナのいる部屋に向かう。
「おじゃましまーす...。」
そこに、充電器とそれに繋がれている動かないナナ。
えーと...うん、しっかり充電できてるっぽい!
そして。充電がMAXに。同時に、ナナが目を覚ます。
「さな...おはよう...!」
「おはよう、ナナ。今日は私バイト休みだから、一緒にいられるよ。」
それを聞いて、ナナは目を輝かせた。
「さな、きょういえいるの!?やったー!」
...え...?何、この子...!?可愛い...!!
おっといけないいけない...取り乱す所だった...。
ナナと一緒に、キッチンへ。
「ナナおはよう、丁度朝ごはん出来たよ!」
ミナは、お盆を運んでいる最中だった。
「いただきます!」
久しぶりの、ゆっくりと取れる朝食。...久しぶりといっても、2日ぶりだが...。
「美味しい...!」
そして、他愛もない会話をしながら、食事を取る。...なんだか、楽しいな...!
そして、ミナが提案した。
「今日さ、せっかくだからどこか遊びに行かない?」




