第15話 なかよし
その頃、サナ。
「店長、お弁当ご馳走様でした!」
「あれ、もう食べたのかい?大変だっただろうから、まだ休んでても構わないのに。」
店長を驚いた様子だった。
「いえいえ!まだまだ元気です!」
「若い子は本当に元気だねぇ...。じゃあ、あと少しだけ、頑張ろうか!」
「はい!」
そして、仕事に戻ろうとした時。
「そういえば、サナちゃんって今家族と暮らしているの?」
「えーと...私含めて4人で暮らしています!」
その回答に迷いは無かった。サナと、ミナと、ユウと、ナナ。サナにとって、みんなは家族だった。
「まあ、両親とは別々に暮らしてますけど...。」
「...そうかい、分かった!」
それだけ言って、店長はバックに戻った。
そして。あっという間に上がりの時間。
「サナちゃん、お疲れ様。初日なのにいい働きっぷりだったよ。」
「ありがとうございます!」
「これ、良かったら持って帰って食べな。」
...焼肉弁当だ。4つ入り。
「...え...!いいんですか!?ありがとうございます!!」
「いやーこちらこそ助かったよ、また明日もよろしくね。」
「はい!お疲れ様でした、失礼します!」
ナナとミナ、驚くだろうな〜♪どんな顔をするのかが、楽しみだ。
...ていうか、ユウは食事取れないらしいんだけど...。1つ余っちゃうな...。...まあいいか!
1時間前、ミナとナナ。
遊びもひと段落着いた頃。ミナがふと思い着く。
「そうだ、ナナ!料理、やってみない?」
「りょうり...?」
ナナはまた、首をかしげる。
「私が昼に作った、ご飯のことだよ。ナナが作ってくれたらきっと喜んでくれると思うな!」
「...さな、よろこぶ...?」
「うん!絶対!」
「...やりたい...!」
そして。
「ナナ、卵取って」
「えーと...あっ...」
ナナの手から、卵が滑り落ちた。そして、床に落ちて割れた。
「あ...ごめんなさい...」
何やらナナ、恐怖で震えている。
「...大丈夫だよ...。そんなことで怒ったりしないから...。」
だがナナは、震えたまま。
私はナナを抱きしめ、頭を撫でる。大丈夫...大丈夫だよ...。そう言葉をかけながら。
そうしてナナは、ようやく安心した表情を浮かべた。目には、涙。
「え...ナナ...?泣いてたの...?」
「ごめんなさい...。」
...この子...どうしようか...。
そして、現在。ナナが火傷しかけたり砂糖と塩間違えかけたりしたが、遂に完成した。
「って作りすぎちゃったかな...。」
机の上に並んだ、ミナとナナの努力の結晶を見て呟いた。
「でも、さなはよろこぶ?」
「うん、それは絶対そう!」
サナ、驚くだろうな〜♪どんな顔をするのかが、楽しみだ。
そして。
「ただいまー!」
元気な、サナの帰ってくる声。ナナは、玄関の方に走っていった。
「さな、おつかれさま!わたしね、りょうりしたの!」
「え、ナナが料理!?すごいじゃん!!」
ナナは、誇らしげの表情を浮かべる。
「こっちきて!」
ナナは、サナの手を引っ張ろうとする。
「あ、ちょっと待って!その前に〜」
ミナも、玄関に来る。そして。
サナは、袋の中身を取り出した。
「じゃーん!お土産でーす!」
当然、ミナとナナは驚いた表情を浮かべる。そして2人で目を合わせ、笑った。
「え、2人とも急にどうしたの?」
サナだけが、きょとんとしている。
「サナ、ちょっとこっち来て。」
ミナは笑いながら、サナを食卓へ案内した。
「え...すごい...!」
そこに広がっていたのは、たくさんのご馳走。
「これね、ななとみながつくったの!」
予想以上の出来に、言葉が出ない。...てっきりダークマターが混じってるものかと...。
そして、私が持って帰ってきた弁当を見る。
「こんなに...食べられる...?」
「無理だね...」
そして、また笑いに包まれた。
...もう...食べられない...。




