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追放された巫女ですが、神と妖に愛されて辺境を再生します  作者: KATARIBE


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第41話「覚悟と神域の膨張」

小夜は水月の力とともに祠の前に立ち、深く息を吸い込んだ。街となった朽葉村の広場は、日差しを受けて輝き、風が作物を揺らす。肥沃な大地は、以前の荒れ地の面影を忘れさせるほどだった。


「——この力、まだ制御しきれていないのに……」


小夜は自分の手を見つめる。指先に微かに残る熱が、知らず知らず神域の力を広げている。水月の信仰力もさらに強まり、祠の境界は以前より遠く、深く、大地を抱き込むように膨張していた。


その様子を、迅は黙って見守っている。彼の目はいつも通り冷静だが、心の奥には熱を帯びていた。


「……小夜」


無言で立つ小夜に、彼は静かに歩み寄る。


「お前が力を広げるなら、俺は——」


言葉を切る。短く、でも確かに意思を示す声。

小夜は少し首をかしげて、柔らかく微笑む。


「……ありがとう、迅」


その瞬間、彼女の背後に広がる神域が、今まで以上に活き活きと輝いた。作物はさらに勢いよく伸び、街の人々の表情も穏やかになる。水月が小夜の力を追いかけ、境界内の全てを祝福しているようだった。


迅は心の中で決める。守る対象としてだけではなく、自分の意思でこの場所を、小夜を、そしてこの街を支える覚悟を。過去の家族の喪失も、神を斬る役目も、全て——今この瞬間のためにあったのだと。


小夜は神域の中心で、深く祈る。熱い光が指先から放たれ、地脈を通して大地を巡る。力の代償も恐れる必要はなかった。今は迅の存在が、自分の存在を支えてくれる。


「——神域、さらに拡張、完了」


水月の声は柔らかく、しかし力強い。彼の姿もまた少し大人びて、神としての威厳を帯びていた。

迅は小夜の手にそっと触れる。


「……お前の力、守る」


その言葉だけで、小夜の胸はじんわりと熱くなる。


神域は、力だけでなく、二人の想いをも抱き込むように広がり、街を、住む人々を、そして未来を守る光となった。

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