第3話 清水白鶴と許嫁
俺と妹の白葉が帰宅し、幼馴染の高槻蒼が家に来てから三時間後。俺の兄、清水白鶴が帰宅した。
「ただいまー」
「あ、おかえり。蒼ならもうリビングにいるからね? それと、今から夜ご飯にするところだけどどうする?」
「そうか、それなら俺も貰うよ」
兄さんはそう言うと、手を洗い、リビングへと歩を進めた。それから兄さんは息を整えると、椅子に座ると、先に座っていた俺と蒼と白葉と一緒に食事をし始めた。
それから数分後。ちょうど俺が夜ご飯の半分を食べ終わった頃だった。突然兄さんが口を開いた。
「明夜と蒼は中級に昇級したらしいね。これを食べ終わったらダンジョンに向かう。たまたま近くにダンジョンが発生してね。ダンジョンのランクは中級だ。俺もいるからダンジョンボスは簡単に倒せるだろ」
「今から行くんですか? 中級ダンジョンは最低でも中級異能術師が三人以上いないと攻略できないダンジョンですよ」
「大丈夫。二人以外に俺の相棒の中級異能術師も呼んでる。それに、攻略が難航しても上級異能術師の俺がいればなんとかなる」
そう。兄さんは大阪大災厄で現れた特級魔人一体、上級妖魔二体を討伐し、その功績を持って上級異能術師のランクを持っている。
だからこそ、安心して中級ダンジョンでも攻略に臨むことができる。
「分かった。俺はいいけど、蒼はどうする?」
「わ、私も行く」
「そう、二人とも行くってことでいいね? それと、これは別件なんだけど、蒼、許嫁の様子はどう?」
その瞬間蒼は顔を赤らめた。蒼の父親と俺の父親は親友。そして蒼の母親と俺の母親は姉妹関係。だからこそ、俺の両親と蒼の両親は俺と蒼の婚約を決めていた。
蒼が顔を赤らめ、その様子を見て笑う兄さん、さらにその様子を笑いをこらえて見ている妹の白葉。なんとも言えない俺。そんな微妙な空気が流れた。
パン!
兄さんが急に両手を叩き、それを合図に俺たちは冷静さを取り戻した。
「それじゃあ二人とも、中級ダンジョンに向かうぞ」
兄さんはそう言って俺と蒼を連れて家の外に出ると、そこで兄さんは自分の異能術を発動した。
「異能術・級長津彦命・運び風」
兄さんがそう言うと、俺たちの足下に爆風が発生し、俺たちを中級ダンジョンの下まで飛ばした。
「これが中級ダンジョン、禍々しいな」
俺は中級ダンジョンの入り口を見てそう呟いた。兄さんが連れてきてくれた中級ダンジョンは門型で、その門のデザインが髑髏などが描かれた禍々しいものだった。
そしてそのそばには、一人の女性が立っていた。




