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第1話 試験

 試験会場に入ると、まずは受付窓口に向かった。


「試験を受けに来たんですけど……」

「試験ですね? 分かりました。それではこの書類の記入欄に必要事項を書いて下さい」


 そう言って受付にいた人は一枚の書類を手渡した。俺はその必要事項を確認した。


「氏名、年齢、職業、異能術の系統の選択か」


 異能術には天上系、人間系、修羅系、畜生系、餓鬼系、地獄系の六つの系統があり、系統によって戦闘スタイルが変わり、それぞれに術とは別の特殊効果がある。


 しかしこの書類には俺の系統、地獄系の選択肢がなかった。それどころか、天上系と人間系の選択肢もなかった。そのため、その他のところに丸をつけてから、窓口で提出した。


「氏名は清水明夜、年齢は16歳、職業は異能学園学生。異能術の系統はその他、人間系でよろしいですか?」

「あ、いえ、違います。俺は地獄系です」


 俺は咄嗟に訂正した。すると窓口の担当者は慌てながら、次の行動を説明した。


「す、すみません。地獄系なんてはじめて見ましたので。それで次ですが、あちらの扉を通り、魔力量の測定をしてください」

「わかりました」


 俺はそう言って窓口をすぐに去った。窓口の担当者の「地獄系」と言う言葉が響き、他の受験者がこちらを見ていたからだ。


 俺はすぐに扉の前まで向かい、指定された扉を開くと、魔力量測定を行う担当者が待機しており、魔力量測定の手順について説明を始めた。


「こちらの空になっているB級魔石に全ての魔力を通して下さい。魔石に溜まった魔力からあなたの魔力量を判定します」

「わかりました」


 俺はそう言って魔石に手を当て、魔力を流した。流し終わると、担当者が驚きの声で測定結果を説明した。


「す、すごい。まさか魔力量がB級なみにあるとは驚きです。それでは次の手順ですが、異能術の登録をします。異能術について登録しますので、こちらに記入をお願いします。それが終わり次第帰ってもらって大丈夫です」


 担当者はそう言って俺に一枚の書類を手渡す。俺はそこにわかることだけを書くと、それを担当者に提出した。そして、異能術師としてのライセンスカードを受け取った。あとは家に帰るだけ。


 そう思って待合室から外に出ようとした。そんなときだった。


「人間系の異能術系統はどうすればいいの?」


 そんな声が聞こえてきた。声のした方を見ると、そこには同い年くらいだと思う、長い黒髪をした美少女がいた。


 俺はその少女に話しかけた。


「人間系の異能術ならその他に丸を付けて、窓口で説明すれば大丈夫だよ?」

「っえ、あ、その、ありがとうございます」

 

 少女はそう言うと、窓口に書類を持って走っていった。


 それを背後に俺は試験会場を後にした。


 家に帰ろとした俺の手には、魔力量Bと書かれた、中級異能術師のライセンスカードが握られていた。

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