プロローグ
2028年。日本を始め、世界にダンジョンが現れてから十年の月日が経っていた。この十年の間にダンジョンは人間社会に根付き、切り離せなくなっていた。
中でも、ダンジョンから採れる魔石は新たなエネルギー資源として日に日に話題に、新たな活用方法を見出す研究がされていた。
そんなダンジョン内外のモンスターや妖魔を討伐し、魔石をダンジョンから運び出す「異能術師」の需要も年々高まっていた。
そして異能術師の試験を受けに、清水明夜16歳は試験会場に向かっていた。
「この試験で合格すれば異能術師になれる」
異能術師になる条件は二つ。異能を使うための「魔力」があること。もう一つは、異能術師の「異能術」を持っていること。異能術のない魔力保持者は「異能力者」と呼ばれた。
異能術は魔力をエネルギー源に発動するスキルみたいなもの。一度でも異能術に覚醒すると、その異能術から変更することはできない。だが、異能術そのものが莫大な力を秘めていることに変わりはない。
だからこそ、世界各国が異能術師や異能力者の増員に力を注ぎ、軍事力の強化も進めている。
しかし、異能術師はおろか、異能力者も数としたはわずかだった。日本の場合、異能力者は一万人に一人、戦力となる異能術師は異能力者二人に一人。しかも魔力を保有する者の五人に一人は自我が無くなった魔人となり、人に牙を向く。その対処も異能術師の仕事だ。
異能術師や異能力者には下から順に低級、下級、中級、上級、特級とランクがあり、さらにその上に二つのランクがある。この異能術師や異能力者のランクによって、入れるダンジョンのランクや本人の強さが判定されていた。
中級以上の異能術師や異能力者になれば、国民からの人気も上がり、一気に有名人となる。だからこそ、病院の機器で魔力がないとされた者でも、試験を受けに来て、魔力を測定しようとする人があとを絶たなかった。
基本的に病院にある魔力測定器で魔力の有無が判別される。魔力保持者は小学校、中学校を終えれば、大半が異能学園に行くことが決まっている。かくゆう俺も異能学園の生徒だ。
つまり、異能学園の生徒以外で魔力保持者はほとんどいない。そこに希少性も相まってか、選民思想の異能術師などもいたりする。
そうしていると、俺は試験会場、大阪試験会場についていた。ここで試験、主に検査などを受け、ランクを貰うことになっている。
一息ついてから俺は試験会場の入り口へ、足を踏み出した。




