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第11話 特性

 俺と片腕が切り落とされた橋姫は召喚した大禍津日神とジョンによって亜空間の結界に隔離された。


 ジョンは異能術を使い、大量の兵士を召喚すると、その兵士たちを一斉に突撃させて来た。


「橋姫は片腕が切り落とされてるし、ここは俺がやるしかないか。異能術・造化三神・天之御中主(アメノミナカヌシ)・空間消失×黄泉の穢れ」


 俺はそう言って異能術を扱う。


 異能術の各系統には特性がある。地獄系の特性は黄泉の穢れ。万物の魂に直接作用できる特性がある。


 すると俺の指から球体が出現した。俺はその球体を召喚された兵士たちにぶつけた。するとその球体は兵士たちの体を抉りながらジョンの方に飛んでいった。


 やがてその球体はジョンの体に当たり、球体に触れた部分の肉が抉り取られた。この攻撃が致命傷になり、消滅した。


「い、今の異能術は!? あ、あのお方の、伊邪那美様の異能術!?」


 大禍津日神は怯えながらこちらを指差しながら言う。


「ん? 橋姫に聞きたいんだけど、あいつって伊邪那美を支える妖魔なんだろ? もしかして伊邪那美の異能術とか知ってるの?」

「はい。おそらくですが。一応言っておきますが、私は伊邪那美様の異能術は分かりませんが、大禍津日神様のような高位の存在ならば知っていてもおかしくありません。それがどうかしましたか?」

「いや、ね? そう言うことは早めに伝えて欲しかったかな?」

「と、言いますと?」

「いやー、俺に宿った妖魔が伊邪那美でさ? 俺の異能術の造化三神って、もともとは伊邪那美の異能術だったんだ」


 そう言うと橋姫は目を泳がせた。


 俺はそんな橋姫を横目に大禍津日神の方に向き直った。


「それで、どうする? まだ戦いを続けるつもりなのか?」


 すると大禍津日神は冷静になってから発言した。


「伊邪那美様の分霊が宿った人間か。それなら話を聞く価値はありそうだな。それで、なんで私を呼び出したんだ? 理由を教えろ」

「理由は一つだ。式神となって俺の力になってくれ、お前は強いから頼りになるとそこの橋姫から聞いた。だから呼び出したんだ」

「なるほど、私を式神にして自らの戦力にしたい、そう言うことだな?」

「あぁ」

「なるほど、式神にしたい、か。しかし相手は伊邪那美様が認め宿った人間」


 大禍津日神は小声でボソボソと呟く。


「よし!」


 大禍津日神は突如としてそう言った。そして俺に回答を出した。


「いいだろう、式神になってやる。ただし、黄泉の国にある本体は伊邪那美様を支えるために式神にはできない。だから、私の分霊であれば、式神となってやっても良いが、どうするんだ?」

「分霊になったら魔力はどうなる? 普通なら分霊は本体の一割ほどの魔力量しかない持っていないと聞いたことがあるが」

「それは大丈夫だ。黄泉の国から分霊に魔力を送るから魔力量は本体と変わらない。その上でどうする?」


 俺はその問いにはっきりと答えた。


「それで良い」


 そう答えると、大禍津日神は自らの分霊体を作り、自らの自我を取り込ませた。そして本体を黄泉の国へと帰還させた。


 その後俺と橋姫、大禍津日神はジョンの張った結界から出ると、俺の部屋に帰還する。そこで大禍津日神との式神契約を執り行い、そこで俺は意識を失った。

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