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BB  作者: 浅見カフカ
ハルドゥの悪魔篇

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27/31

シャンバラとバーリントン紅茶店

「まぁ」

戻った私を見たブレアの第一声だった。

「あなた、そんなにカモミールティーが好きなの?」

これが第二声だった。

「お前が量を言わなかったからだよ」

「あなたは聞かなかったわ」

ああ、コイツはこういう奴だった。

「余ったらバーリントン紅茶店でも出せばいいさ」私は布袋を投げ渡すと「用事が出来た」と言って屋敷を出た。

さて、ヘンリーはどこに居るだろうか。

宛もなく探し回るよりも詰所に向かうのが賢明だろう。何よりもここからすぐの場所だ。

私は、昨日連行された詰所の扉をノックした。

「どうしましたか、困り事ですか?」

中から顔を出したのはヘンリーとはまた違ったタイプの、人の良さそうな男だった。

丸顔に丸い体型。不審者や賊の追跡には不向きだろうなと思った。

「自警団から依頼を受けているボニータだ。ヘンリーに会いたいのだが」

「ヘンリーでしたら、もうそろそろ戻ると思いますよ」男はそう言うと、柔和な目尻を更に下げて「中で待ちますか?」と大きく扉を開けた。

「私はカールと申します。差し支えなければヘンリーにはどういった御用向きでしたか?」

「アンタも商売人か?ゼンと同じくらいに上位顧客を抱えた」

「どこかでお会いしましたか?」

カールは目を見開くと私の顔をまじまじと見詰めた。

「いや、言葉の端々が妙に丁寧なのと、全体的な物腰でそう思っただけだ」

「いやはやなんとも。私は飲食店を数件経営しております。若い方ですとシャンバラが馴染みがあるでしょうか」

「ああ、シャンバラか。水がタダで出てきて驚いたよ。調度品も贅沢なものばかりで、正直私には居心地が悪かったな」

私が思い出して苦笑いをすると「そんなことを仰らずに、依頼が落ち着いたらレストランの方にもお越しください。馬車道通りのエルトゥーラです」と言って再び目を細めた。

「そうだな、こんなナリで追い出されなければな」私は自身の冒険者然とした格好を見ながらそう言った。

「ヘンリーにはキースについて聞こうと思って来たんだ。出来れば彼の恋人のことも」

「キースですか」

カールの瞳に暗い陰が差した。

「あれは、酷い有様でした」

「遺体を見たのか?」

カールは深くため息をくとゆっくりと語り始めた。

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