7話『セレナの泉』
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「――あっ、いらしたんですね」
寝ぼけ眼を擦っているとセレナが居て、俺に気付き振り向いたその表情がぱあっ、と明るくなった。
「まあ、うん。……なんか、セレナに会え、って言われた気がする」
「ああ、……ふふっ。宏明さんのお客様はまた別件ですが、私がどうしてもお礼を言いたくて」
「ん?」
セレナが泉の中央から駆け寄ってきて、急に抱きしめられた。
「ちゃんと、力を貰えてます。宏明さんが神様を手助けしてくださったお陰で。やっぱり、宏明さんを選んで良かった」
「お、おう……」
間違いなく、今俺は顔が真っ赤になっている。俺は服を着ているけれど、セレナの素肌がそこにあるのが、めっちゃ恥ずかしくなって動けない。耳まで真っ赤じゃないよな。『ふふっ……』と懐いた猫のようになっている。えっ、これずっとか?
「あ、あのさ。……俺以外にも、そういう人って居なかったのか?」
俺が疑問を口にすると、セレナは少し頬を赤らめた。
「居ないわけでははないのですが、ピッタリなのは、宏明さんだけでした。……私の都合で」
最後の方はゴニョゴニョと言っていたのであまり聞き取れなかったけれど、他にも理由はあるらしい。この状況から考えると、まさか、な。
満足したのか、セレナがパッと身体を離すと、変わらず嬉しそうに言う。
「――少し、歩きませんか。お客様が、もう少し待ってくださるそうなので」
「……おう」
セレナはくるりと背を向け、泉の流れる先の小川づたいに歩き始めた。




