不知火
家族を人質に取られ、誇りすらも奪われた兵士達は、ホセ司令との過酷な契約により、幽霊へと生まれ変わる。
玉藻の前作戦後始末、ホセ司令の冷徹な判断とビジネス理論が、反乱軍に新たなる戦力、不知火を誕生させる。
爆乳酪農家狙撃兵ホルスタイン零-zero- 第五話 黄泉返りの誓い
ーーーーー特殊面接室の中に捕虜たちが並んでいる。
変声機を通したマイクでホセが語り掛ける。
「結論は出ただろうか?君達の総意と覚悟を聞かせてほしい。」
捕虜たちの中から例の大尉の階級章を付けた人物がマジックミラーの前に進み出る。
「はい、Mr.ノンケ、我々はあなた方の提案を受け入れたいと思います、これが我々が話し合って決めた総意であります。」
「幽霊となる覚悟はできた、と受け取っていいのかな?」
「はい....我々は軍人です、祖国に忠誠を捧げた身ではあります....ですが、我々が忠誠を捧げ愛した祖国は、こんな腐敗した国では....断じてなかった!!
我々は愛する家族を救いたい、そして本当の意味で忠誠を捧げるに値する誇り高かった、あのかつての祖国を...取り戻したいのです!!」
大尉はマジックミラー越しにホセにまっすぐ向き合いそう告げた、その目には覚悟と決意の光が宿っている、捕虜全員がそうだった。
パチンッ!
マジックミラー越しに彼らの表情を鋭く見つめるホセ指令の手元で、金の懐中時計の蓋が音を立てて閉じられる。
「.....結構だ、ではこれで契約成立だ、今日から君達にはボク達反乱軍の一員として協力してもらうことになる、前にも少し話したが、君達の家族が捉えられている収容所の解放作戦時には、申請してくれれば最優先でその作戦に配置することを約束しよう。」
「俺達はたった今から幽霊だ、俺達の忠誠は腐敗した政治家共ではなく、真なる祖国に捧げるんだ!!」
捕虜の一人がそう叫び、自らの襟元に縫い付けてある階級章を引きちぎり、床に叩きつける。
他の捕虜たちもそれに倣い、次々と床にはぎ取った階級章や記章が叩きつけられ打ち捨てられる。
「その覚悟と言葉が聞きたかった。」
ホセが傍らのクレアに合図すると、目の前のマジックミラーが上がっていき、はじめて彼らは直接対面する。
「.....改めて挨拶しておこう、幽霊となる覚悟を決めた君達はもう同志だからね、ボクの名前はホセ・モントゴメリー、反乱軍の総司令官だ、君達との契約主だね。」
「ホセ司令官殿、我々にチャンスを与えてくれたことに感謝いたします、収容所解放作戦時の優先配備、よろしくお願いします。」
大尉が改めてホセに見事な敬礼をしつつ答え、捕虜たちも一斉に敬礼する。
「その点については信用してほしい、ボクは今までただの一度だって契約を破ったことがないのが自慢なんだ。」
ホセも答礼を返す。
「.....はっ、家族を救い出すまで、我々は死ねません....いや、すでにたった今幽霊になったのでしたな。」
「はははは、確かにな、申し遅れてすまん、俺はラグランジュ大佐、お前たちと同じ元政府軍さ、お前たちと違って俺は家族もいなかったし、公然と離反した身なんで幽霊ではないがな、以後よろしく頼むぞ。」
ラグランジュ大佐も傷だらけの顔に穏やかな笑みを浮かべて最も年季の入った答礼を返す。
「君達の加入で今までは人手が足りなくて細々とした活動しかできなかった諜報部隊も、独自の作戦行動がとれるようになる規模になったからね、改めて諜報部隊を独立した部隊にしたいと思っている。」
ホセの手元で金の鎖がシャラシャラと音を立てる。
「反乱軍独立諜報戦部隊、不知火部隊の設立をここに宣言させてもらうよ。」
「シラヌイ部隊...でありますか。」
大尉の表情に不思議そうな色が浮かぶ。
「うん、シラヌイ、日本の特定の地方に見られる自然現象さ、夜の海の上に実体の無い火が揺らめき立つ....まぁ海上の蜃気楼現象みたいなものだね。」
「なるほど...姿なき幽霊となった我々には、ふさわしいかもしれません...」
「諜報部隊については後程先輩隊員たちの...そうだな、ガブリエル君辺りに詳しく説明させよう、君達シラヌイの活躍に期待させてもらうよ。」
満足げにホセが言い放つ。
「よし、では全員俺についてきてくれ、まずはこの拠点名物の白金の三日月亭を案内してやる、そこでここにいない奴らにも新しい仲間を紹介するのでな、三日月亭のスペシャルレーション定食はマズいぞぉハハハッ。」
ラグランジュ大佐が彼らを伴い案内役を買って出る。
大佐の後に続き退室していく不知火達の中から、一人の若い男がふとホセに話しかける。
「あの....ホセ司令官殿。」
「ん?ボクに何か用かい?」
「その...失礼ながら、ホセ司令官殿はもしや以前企業の重役として名を馳せた、あの『人食いクリオネ』氏ではありませんか?」
「おっと...妙なところで懐かしいあだ名を久しぶりに聞くとは...ボクのことを知っているのかい?」
ホセが面白そうにその男に答える。
「はっ....自分の父が以前貿易関係の仕事をやっておりまして、指令のお名前を何度かお伺いしていたことを思い出しまして、もしや、と...」
「あはははは、そうだったのか、いやでもその人食いクリオネって人聞きの悪いあだ名はやめて欲しいなぁ、ボクはただの昼行燈さ。」
少しだけバツが悪そうに頭をかくホセ。
「あ、ホラホラ、ラグランジュ大佐に早くついていかないと、三日月亭で残り物のレーション定食を食わされるハメになっちゃうよ。」
「はっ、では失礼いたします!!」
若い兵士は慌ててラグランジュ大佐の後を追い退室していく。
◆◆
高級レストランで、いつものように二人の男は向かい合って座っていた。
目の前には、この国の平均的な国民の一か月分の給料をつぎ込んでも注文できない高級料理の大皿が、所狭しと並べられている。
ゾルゲがいつものように骨ばった手で白磁のティーポットを傾け、自分のカップにお茶を注ぎ、続いてオズワルドの目の前にある彼の専用使い捨てカップにもお茶を注ぐ。
動作のたびにゾルゲの指にゴテゴテとハメられたいくつもの宝石が陶器のポットに当たりカチカチと音を立てる。
自分のカップを持ち上げ、うまそうにお茶を飲むゾルゲを見て、オズワルドは目の前の大皿料理の乗ったターンテーブルをランダムに回転させた後、いつものように自分の手でその料理を小皿に取り分けゾルゲの前に置く。
「失態だなゾルゲ....」
エビチリをうまそうに食べるゾルゲを前にオズワルドが口を開く。
「失態は長官の方もではないのですか?政府軍の一般歩兵も全滅と聞いておりますぞ。」
「歩兵共などどうでもいい、補充は人質さえいればいくらでもかっさらってこれるからな、問題はこの作戦の失敗により軍内での私の権威も低下することだ!!」
オズワルドが声を荒げる、食事を続けるゾルゲの目の前でも構わず葉巻に火をつける。
「それは大変ですな長官、ですが我がカルテルも大損害です....損害額は数十億ドル、まさか投入したパワードスケルトンで帰還できたものは一名のみなどという大損害を被るとは予想外でした...我がマスターも大変ご立腹です。」
オズワルドの吐き出す紫煙にわずかに顔をしかめながらもスプーンを口元に運ぶのはやめない。
「ふんっ! なにが無敵のスケルトンだ、たかが死神一人に....女一人に何の戦果も挙げられず全滅するとは、ガラクタもいいところではないか!!」
ゾルゲの顔色がわずかに曇る。
「少々お言葉が過ぎるのではありませんかな長官?そもそもあの作戦に承認を出したのはあなたでしょう?」
「あの盆地にスケルトンの予備兵力を伏せる判断も貴方の発案だったと聞いております。」
「あれがなければ少なくとも水没スケルトンの損害は回避できたし、集積所の物資も奪われずに守りきれたはずですぞ。」
「黙れ!! 私はお前達が完璧な作戦だと言うから承認を出したんだ!! よくも私の顔に泥を塗ってくれたな...いっておくが、あんなガラクタを国軍に導入する口利きなどしてもらえると思わないでもらおう、損害は全て貴様らのずさんな作戦に責任があるのだ!!」
オズワルドの手元で火のついた葉巻がペキリと折り潰される。
「お約束が違いますな長官...我らの長年の友情にひびを入れる気ですかな?」
ゾルゲの眼がねっとりとした光を帯びる。
「ふんっ...!! 友情だと? 貴様らが欲しいのは私の権力と、そこから得られる金と利権だろう?」
イライラしながらオズワルドの指が、折れた葉巻の先端でまだくすぶっている火を料理用の小皿の中に押し付けもみ消す。
「...例の、いざという時に責任を押し付ける予定のスケープゴートの特務上級少佐はどうなりました?」
ゾルゲは目の前のカップからお茶を飲み、ゴクリと喉を鳴らす。
「通信兵ともども作戦を途中で放り出して逃亡しおった...憲兵共に行方を追わせているが...必ず見つけ出して銃殺刑にしてくれる!!
さしあたり今回は誰か適当な無能なやつを書類の改ざんで指揮官だったことに仕立て上げて、責任を取らせる手筈はできている...」
ゾルゲを見てようやくオズワルドも自分の使い捨ての安物カップのお茶を口にする。
「結構ですな、しかしそうなると我々カルテルだけが損益を被ることになりますな、これは我々としても甘受いたしかねますぞ長官。」
「そんなことは私の知ったことではないな、それはそちらで何とかしたまえ。
私は貴様らの立てた無能な作戦のとばっちりから自分の身を守るだけで精一杯だということを忘れんでもらおう、ふん...全くいい迷惑というものだ。」
ゾルゲが十分に大皿から取り分けた料理を食べるのを見計らったオズワルドもようやく料理を口に運ぶ。
「ああ、それとゾルゲ君、君との付き合いも今夜限りだ、これ以上貴様ら無能な組織に振り回されるのはごめんなのでな。 もう十分この国から甘い汁を吸っただろう?」
そう一方的に告げるとオズワルドはナプキンで口をぬぐい席を立つ。
「長いお付き合いでしたが、我々の友情は今夜限りということですかな...大変残念ですよ長官。」
「ふんっ...あとは他の内戦国にでもどこでも、好きな国に寄生してまた血をすすれば良いではないか。」
「あぁそうそう、最後だからはっきり言っておくよゾルゲ君。実は私は君のことが嫌いだったんだ、二度と私の前にその貧相で辛気臭いツラを見せないでくれたまえ...ではな。」
席に着いたままスプーンを口に運ぶゾルゲの横を通り、オズワルドは退席する。
最近は軍内での監査の目も厳しくなってきた、そろそろあのダニのような連中とも手を切る潮時だろう...。
店の前まで黒塗りの防弾高級車が静かに滑り込んでくる。
後部座席の本革シートに深く身を沈めながら葉巻に火をつける。
まったく、ロクでもない無能な連中ばかりだ、私に迷惑ばかりかけやがる...。
オズワルドは苛立っていた、せわしなく短いスパンでスパスパと紫煙を吸っては吐き出す。
「あぁ、そうそう運転手君、以前言っていた私主催のパーティーだがね、さっそく来月開催することにしたよ、申し付けていたように、君の妻も同席させなさい。」
イライラする、なにか少しぐらいはお楽しみがなくてはやってられない。
オズワルドの言葉を聞いた運転手の肩がビクリと震える。
「は...はい、ですが、前回申し上げました通り、妻は学がありませんので、長官に恥をかかせてしまう...」
「連れてくるんだ!! 君の雇い主である私が連れて来いと言っているのだ!!」
オズワルドの声が車内に響き渡る。
その声に運転手は一言も発することなく、ただうなだれているのが見える。
ふんっ....運転手風情が...妻を差し出せば給料を二倍にして良い思いをさせてやると言っているのだ、黙って私の言う通りにしておればよい...!!
権力に酔いしれることで少しだけ気分が晴れていく。
オズワルドはダビデフの煙を深く肺に吸い込み吐き出そうとした...。
カハッ...!!
オズワルドの喉から紫煙とともに呻き声が漏れる...
心臓の辺りに違和感を感じる、肺が焼けるように痛い、目の前が急に暗くなっていく、呼吸ができない...。
オズワルドは自分の胸をかきむしる、喉から息を吐くことはできるが、吸うことができない...
毒....遅効性の毒を盛られた...!?
誰に...?
あいつしかいない...!!
だが、どうやって...?
いつものように細心の注意を払って、やつ自身に毒見をさせてからしか口にしていないのに...!!
オズワルドの思考とともに視界が暗くなっていく、自分の体温が急速に低下していくのが感じられる。
「...ぅ...ごっ...げはっ...!!」
オズワルドの巨体が豪華な本革シートの上でのたうち、喉と胸をかきむしる。
背後の異変に気付いた運転手も声をかける。
「どうなさいましたオズワルド様!? オズワルド様!? しっかりしてください!!」
運転手は慌てて高級車を路肩に停車させ、後部座席のドアを開け主の肩を揺さぶる。
オズワルドの手が運転手のネクタイをつかみ、シャツのボタンをブチブチと引きちぎりながら痙攣している。
「オズワルド様!! オズワルド様!! きゅ...救急車...!!」
だが、ほどなくして運転手のネクタイをつかんでいたオズワルドの手から力が抜け、ドサリとシートの上に落ちる。
白目をむき、口の端からはまだ泡を吹いている。
額には太い血管が浮き上がり、その巨体と同じくビクビクと痙攣している。
顔色はすでに土気色に変色しつつあった。
それを見た運転手は救急車を呼び、その場にへたり込む。
救急車は呼んだが、もうどう見ても手遅れだ。
呆然とまだ痙攣している主の姿を眺めながら、運転手の右手が無意識にオズワルドに引っ張られていたネクタイに触れる。
ネクタイの下、はだけたシャツの内側に指先に当たる固い感触。
彼がいつも身に着けている銀のロザリオだ、彼の誕生日に愛する妻がプレゼントしてくれたものだ。
主はもういない。
何が起きたのかは分からない。
ただ、とにかくもう彼の妻を奪おうとしたおぞましい男は死んだのだ。
目の前で痙攣しながらも、全身が土気色に変色しつつあるオズワルドの前で地面にへたり込んだまま、彼は妻の顔を思い浮かべながらロザリオを握り締める。
あぁ.....神様....感謝します....。
店内で一人食事を終えたゾルゲは、ナプキンで口元を拭き終え、傍らに置いてあるティーポットを撫でまわす。
暗殺者のティーポット、二重底になっており、手元の持ち手の辺りに装飾に紛れて目立たないように配置された二つの空気穴が開いている。
この二つの穴をお茶を注ぐ際に親指で塞ぐことで、気圧差を利用して一段目に入っている無毒のお茶と、隠し底に入っている毒入りのお茶を自在に注ぎ分けることができる、古来より使われてきた暗殺用具だ。
中に入っているのはカルテル謹製の暗殺用の遅効性毒、司法解剖をしたところでまず検出されることはない。
今まで通り急性心不全か脳溢血で処理されるはずだ。
「長く続いた友情だというのに、大変残念ですよオズワルド長官...ですがご安心を、あなた以上に無能で強欲で、カルテルに忠実な優秀な操り人形が、あなたの後釜として次期長官の椅子に座る手筈は整っておりますのでな。
何の心配もなくゆっくりとお休みください...永遠にね。」
そう呟き終えたゾルゲは傍らの店員にティーポットの始末を任せ、いつものように裏口から外へ、影のように滑り出る。
遠くから聞こえてくる救急車のサイレンの音を背に、その背虫男のようなシルエットは足音も立てず、闇の中に溶けるように消えていった....。
◆◆
反乱軍拠点の寒村の地下、第三倉庫内ではここ連日整備兵達が総動員されての解体、改修作業が行われていた。
スーパーペイルライダーからは第一次改装計画で取り付けられた追加装甲の圧延鋼板が取り外されている。
「つい先月取り付けたばかりなのに、すまないね整備長。」
ホセ指令がペイルライダーを見上げながらコーヒーカップ片手に労をねぎらう。
「なぁに、取り外した圧延鋼板は他にも使い道がありますし、なにより俺達が手塩にかけて改装したペイルライダーがさらに強化されるってんだから、やり甲斐もあろうってモンでさぁ。」
油まみれの軍手を付けた手で額の汗をぬぐいながら、整備長もペイルライダーを見上げる。
第二次改装計画。
第一次改装計画で取り付けられた追加装甲の圧延鋼板を、鹵獲したパワードスケルトンから取り外した軽量高硬度のチタン装甲と置き換えるのだ。
これにより追加装甲の防御力を維持したまま約40パーセントもの劇的な軽量化が可能となる。
スケルトンのチタン装甲は9mm厚であり、これだけでは圧延鋼板の防御力の代替にはならないため、9mmチタン装甲を二枚重ね、合計18mmの積層傾斜追加装甲とする計画だ。
これにより、第一次改装計画で11トンから13トンへと増加してしまった総重量は12.2トンとなり、第一次改装では失われていた渡河能力の復活、およびM2ブローニング重機関銃の再度搭載が可能となる。
「おまけに、この意外なお土産まで手に入ったからな、まさに玉藻の前作戦様々だな。」
ホセ指令の傍らで紅茶のカップ片手に、ラグランジュ大佐が見上げているのは、先の玉藻の前作戦で鹵獲したM2ブラッドレイ歩兵戦闘車(IFV) だ。
フェルナンドが指揮車両として使用していたものを鹵獲したのだ。
貧乏ゲリラ屋では中古であってもとても手が出ない高価な車両だけに、まさに思ってもいなかった大金星のお土産といえる。
25mmチェーンガン(機関砲)とTOW対戦車ミサイル発射機 を搭載。
軽戦車並みの火力を備えているうえ、搭載量も多く、さらにフェルナンドが指揮車として使用していたため、高価な高性能通信機も搭載されていたのを、無傷で手に入れられたのだ。
「ブラッドレイの相場は中古でも200万ドル〜330万ドル(日本円で約3億円〜5億円前後) あたりだ、ウチの財務状況じゃどう逆立ちしても買えるシロモノじゃないからな。」
ラグランジュ大佐もホクホク顔で新戦力を見上げる。
このブラッドレイもペイルライダー同様にチタン装甲による積層傾斜追加装甲化される予定だ。
ただしブラッドレイは初期型や後期型の違いにもよるが、今回鹵獲した後期型ならば、同クラスのIFVが持つ20mm〜25mm機関砲(徹甲弾)の直撃に耐えられる厚みと傾斜を持っている。
さらに素の装甲自体が空間装甲構造となっているため、HEAT弾にも強い。
正面装甲の防御力は十分であるとして、追加装甲は側面のみに限定、かわりにスーパーペイルライダー御自慢の機能である簡易バリケード展開機能を持たせる計画だ。
これにより総重量は27.8トン からおよそ29トンへと増加する計算だが、素の総重量の10%未満の増加であり、機動性などに悪影響は出ないものと思われる。
「先の作戦では零が来てくれるまでは俺達は手も足も出なかったが、こいつに搭載されている25mmチェーンガンならスケルトンもブチ抜ける、頼りになる戦力だ。」
手元の紅茶のカップをフーフーと吹き冷ましながら大佐は目を細める。




