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アレンさんについて行く

「どうしよう。私は全てが規格外だったらしい。」

沈黙が流れる。

アレンさんは頭を抱えながらその場にしゃがみ込んだ。

「いやいやいや……待て待て。4歳で魔法が使えるだけでもありえないのに、全属性ってなんだ……?」

「ぜ、全属性って珍しいの?」

「珍しいどころじゃない!普通は一つ、多くても二つだ!」

「えぇぇぇ!?」

どうやら私は思っていた以上にヤバい存在らしい。

アレンさんは深いため息をつく。

「しかもあの火力……ゴブリンどころか森ごと消し飛ばしかけてただろ。」

「うっ……反省してます……」

「途中で森を治してたのも意味わからんし……」

「あれ?回復魔法って普通じゃないの?」

「普通は擦り傷を治すくらいだ!!」

「えっ!?」

私は思わず耳をぺたんと下げた。

するとアレンさんが少し驚いた顔をする。

「……あー、猫獣人って感情が耳に出るんだったな。」

私は慌てて耳を押さえた。

「ほんとだ!?やだ恥ずかしい!!」

「ははっ。」

アレンさんが初めて笑った。

その瞬間――

グゥゥゥゥ〜……

「あっ。」

私のお腹が盛大に鳴った。

…………恥ずかしい。

私は顔を真っ赤にしながら目を逸らす。

「……三日くらいまともに食べてないんだろ?」

「木の実は食べたもん……」

「それはまともな食事に入らない。」

アレンさんは困ったように頭をかいた。

「とりあえず村に来い。」

「村?」

「この森の近くに村があるんだ。こんな小さい子を一人にはしておけない。」

私は少しだけ警戒する。

知らない世界。知らない人。

前世の私は高校生だったけど、今の私は4歳の子供だ。

ちゃんと知らない人について行って大丈夫なんだろうか。

そんなことを考えていると、アレンさんがしゃがんで私と目線を合わせた。

「嫌なら無理にとは言わない。でも、安心しろ。俺はティナを傷つけたりしない。」

その言葉は不思議なくらい安心できた。

「……行く。」

「よし。」

アレンさんが立ち上がる。

その時、ふと私はあることに気付いた。

「あれ?」

「どうした?」

「私、お風呂入りたい……」

三日間森生活。

しかもさっき大量の水魔法をぶちまけたせいで髪もなんかごわごわしている。

アレンさんは一瞬固まったあと吹き出した。

「はははっ!確かにボロボロだな!」

「笑わないでよ〜!!」

私は尻尾をぶんぶん振りながら抗議した。

「わかったわかった。村に着いたら風呂だな。」

「やった!」

こうして私は、初めて異世界の村へ向かうことになった。

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