王立魔法研究院
次の日。
私は王立魔法研究院の前で固まっていた。
「大きい……」
目の前には巨大な建物。
白い石造り。
高い塔。
広い庭。
噴水まである。
完全に学校というよりお城だった。
「すごぉぉい……」
ミルちゃんも目を輝かせている。
リリアナさんは得意げだった。
「王都でも有名な場所ですもの。」
すると。
ドアが開く。
中から白衣のおじいさんが出てきた。
「待っておったぞ。」
研究院長らしい。
私はぺこりと頭を下げる。
「ティナです!」
「うむ。」
院長は私を見る。
数秒沈黙…
「……本当に小さいのぅ。」
「失礼だなぁ。」
周りが笑う。
◇ ◇ ◇
案内されたのは大きな実験室だった。
様々な魔道具。
見たこともない装置。
私は興味津々でキョロキョロする。
「触るなよ。」
アレンさんが言う。
「まだ何もしてないよ!」
その言葉を聞いた全員不安そうな顔をした。
「なんで!?」
◇ ◇ ◇
研究員たちが集まる。
院長が説明する。
「まずは魔力量測定じゃ。」
私は頷いた。
「前も測った……ちょっと水晶壊れただけ。」
「ちょっと?」
アレンさんが呟いた。
◇ ◇ ◇
巨大な魔道具が運ばれてくる。
私は目を丸くした。
「大きい!」
高さ二メートルくらいある。
研究員が胸を張る。
「王国最高性能です。」
「へぇ!」
「まず壊れません。」
「へぇ!」
アレンさんが遠い目をした。
◇ ◇ ◇
私は手を置いて魔力を流す。
すると
ピピッ
数字が表示される
100
1000
5000
10000
研究員
「おぉ……」
さらに上がる。
50000
100000
研究員
「は?」
数字は止まらない。
200000
500000
1000000
「え?」
院長が立ち上がる。
「待て待て待て待て。」
数字はまだ上がる。
その瞬間。
バチバチバチッ!!
煙。
沈黙。
装置停止。
私
「壊れた…?」
研究員たち
「壊れたぁぁぁぁ!!」
◇ ◇ ◇
数時間後。
研究員たちは疲れ果てていた。
そして最後の手段が用意された。
「来ていただきました。」
院長が言う。
扉が開く。
入ってきたのは一人の男性。
銀色の髪。
鋭い目。
黒いローブ。
周囲の空気が変わる。
ミルちゃんが小声で聞く。
「誰?」
リリアナさんが答えた。
「王国最強の魔法使い。」
「えっ。」
「賢者レオン様です。」
周囲の研究員たちが緊張する。
レオンは私を見る。
「君がティナか。」
「うん。」
「…本当に子供だな。」
「失礼だなぁ。」
二回目だった。
◇ ◇ ◇
レオンは腕を組む。
「聞いたぞ。」
「何を?」
「八属性。」
「うん。」
「水晶破壊。」
「事故です。」
「装置破壊。」
「今のも事故です。」
レオンが少し笑う。
「面白い。」
そして。
「ならば見せてみろ。」
「何を?」
「魔法だ。」
研究員たちがざわつく。
王国最強の魔法使いが直接試験をするらしい。
私は少し考える。
「どのくらい?」
「全力でいい。」
アレンさん。
「だめだ。」
即答だった。
◇ ◇ ◇
結局全力は禁止された。
なので…
私は軽くフレアを使うことになった。
「軽くだよ?」
「分かってる。」
「本当に?」
「分かってるって。」
私は手を前に出す。
「ミニフレア。」
ボッ。
その瞬間。
研究院の訓練場の半分が火の海になった。
沈黙。
「軽くとは。」
レオンが呟く。
私は困った。
「軽くしたんだけど。」
本当だった。
すると。
レオンが私を見る。
長い沈黙。
そして
「なんなんだこの子は。」
王国最強の魔法使いは。
初めて本気で困惑した。
その頃。
王都のどこか。
黒ローブの人物が小さく笑っていた。
「やはり始まりの白猫か。」
物語は少しずつ動き始める。




