第1章「結婚」
美稲侑子「ミネ、ユウコ」
小戸優太「オド、ユウタ」
美稲愛華「ミネ、アイカ」
登場人物の名前の読みです。一話目から入れとくべきでした。ごめんなさい。
愛華ちゃんが少し落ち着いたところで、話は再開した。
「で、さっきの部屋の件についてだけど」
先程の可愛らしいやりとりとはうって変わって真面目になった愛華ちゃん。
その態度は、普段の真面目さを体現していた。
「てかさ……愛華ちゃんの髪型って何ていうの?
俺ずっと考えてたんだけど出なくてさ」
つい疑問を口にしてしまう、でも……言うは一時の恥。言わぬは一生の恥って言うし。
何て事を言いながら、自分の場違いかつ身勝手で軽率な発言を正当化するのであった。
「…………空気読んでよ……。
これは、ツインテールっていうの。女子からは嫌われてるけど、男子からのウケは良いんだよね……」
何となく落ち込んだ雰囲気を醸し出した愛華ちゃん。
ここは場違い発言のお詫びとして一つアドバイスをして差し上げよう。
「なら女子ウケの良い髪型に変えれば?」
俺の質問に答えたのは、愛華ちゃんではなかった。
「あのね、優太くん。愛華にはツインテールが似合うって。男の子ならわかるでしょ? この可愛さがさぁ」
美稲さんが熱弁したのは、愛華ちゃんの可愛さについての事だった。
その瞳は、俺を説得した時と同じ瞳をしている。
つまり、引き込もうとしているのだ。そっちへ。
「わかりますけど、それだけじゃ学校大変でしょ?
愛華ちゃん」
「学校行ってないくせに………」
愛華ちゃんから、俺に鈍痛を走らせる一言が飛び出した。それと同時に、美稲さんが急に立ち上がりーー。
ーーーバシッ!!
愛華ちゃんの頬を平手打ちした。
「お、お姉ちゃん、何を……」
「愛華あんたね、それだけは言っちゃダメなんだよ。
世の中辛いこともあるし、どうしようもないこともある。でもね、仮にも自分でもの相談受けた相手、仲良くなる相手にね、そんなこと言うなんて、ありえないよ。謝りなさい、愛華」
美稲さんからは、憤りが見て取れて、一方愛華ちゃんは、先程潤ませた瞳を再度潤ませている。
やはり痛かったのか叩かれた頬を手で押さえている。
「ふざけないでよ……、あんたとお姉ちゃんに私の何がわかるっていうのよ!」
ーーーーバァァァン!!
そう言って愛華ちゃんは、出て行ってしまった。
「す、すいません俺なんかの為に」
申し訳なさが、俺の中に募りつつあった。
正直愛華ちゃんの言ってることは正しいしな。
「大丈夫、分けるところは分けないと、愛華も成長出来ないからさ。………ほら」
そう言って、俺に向かって手を広げた。
「どうしたんですか?」
訳を尋ねると、驚嘆せざるを得ない答えが返ってきた。
「私の胸を貸してあげる。好きなだけ泣いて良いよ」
優しく放たれた声は、俺の抑えた思いを軽々しく解き放って見せた。
俺の目から、自然と涙がこぼれ落ちる。
俺は吸い込まれる様に美稲さんの胸に飛び込んだ。
優しい香りと、暖かい体温が、凍らせた俺の感情を溶かしていく。
ーーー俺、この人が好きなんだ。
「ごめんなさい、ごめんなさい」
俺が発するのは、高校に落ちたことからくる罪悪感だった。ずっと思っていた。後悔だけが俺の中を支配した。今の俺の顔、母さんが見たら笑うだろうな。
「美稲さん」
胸に抱かれながら、俺は美稲さんの名前を呼んだ。
「ん? なぁに?」
優しく応えてくれる美稲さん。もう、迷いはない。
「結婚を前提に付き合ってください」
「ん……と、まずは、出てった愛華を、説得した上で連れもどしたら考えてあげなくもない」
その言葉で、俺は冷静になった。
「……え?」
思わず顔を上げて、美稲さんを見てしまい、至近距離だったことにびっくりした。
そろそろ離れ、そこにあったティッシュで顔を拭く。
「えっと、貴方が私にとってかけがえのない人になったら考えてあげるってこと」
俺が拭き終わるのを見計らって返してくれた。
そして俺は、一つの答えにたどり着いた。
「じゃあ、ここで働き続けて、貴女の様になれば良いって事ですね」
「うん、まぁ、七割ぐらいはあってるかな」
そして俺は初仕事へと向かうのだった。
どもどもみなさんこんにちは、最近バイトしないとなぁ〜、なんて事を考えている。鈴木マルです。
この時点で既に五月。しかもゴールデンウィーク。
やる事何にもない暇人の私ですが、特に家から出ないので書くべき事がわかりません。
と言うわけで、感想、ご意見などなどお待ちしております。




