序章「その二」
2.
少し経ち、美稲さんがコーヒーカップを両手に持ってこちらへ向かってきた。
美稲さんはそれを俺の前にそっと置き、俺の正面に座った。
「それじゃあ、色々説明といこっか」
コーヒーを飲みながら俺に語りかける。
疲弊しきった俺には、コーヒーは美味しいものだった。普段は苦いだの何だの言うんだけどね。
「説明って、何を?」
純粋な質問を美稲さんにぶつける。
子供かよ……と、呆れられそうだが、そんな事考える余裕ないんですよって、感じる。
「じゃあ、順を追って説明するけど、まず此処。
美稲相談会社についてだね」
一応きちんと聞こうと思い、コーヒーカップを置いた。
それと同じくして、美稲さんの説明が始まった。
「ここは、君のような多少問題のある子たちを救済する所なの、主に……だけど。あとは、カウンセリングなんかもやるの、学校のスクールカウンセラーなんかの臨時依頼もくる、色々やってるから、私が教えるね。実践で」
優しい笑顔を向ける美稲さん。オレは構わず疑問を問う。
「実践……と言いますと?」
美稲さんはコーヒーカップを口元に運び、一口飲んだ後答えた。
「明日、ちょっと仕事についてきてもらいます」
「…………」
言葉も出ない。
言葉を一切発さない俺に、美稲さんは続けた。
「その場で教えてくから、大丈夫。一応マニュアルは渡すから。ミスしたら五百万の請求が両親のもとに行く事も忘れないでね?」
半ば脅しのような言葉で、説明を受けたが、ようやく理解が追いついた。
やらざるを得ない。それに尽きる。
「というか何するんですか?」
取り敢えず実践的な質問に移る。何をするか分からないんじゃ話にならない。
「ん〜? 以前私が相談の末、更生させた子の定期相談。結構仲良くなってるから、多分大丈夫。
優しいからね。あの子」
何だか1人の世界で語ってませんでしたか、最後の方。
「ま、今日からそこの部屋で寝て、朝起きて、仕事して、私の助けになって下さい」
そう言うと、俺に深々と頭を下げた。
少し照れながら、俺は了承した。
俺の部屋とされる場所は、全体的に白い印象を受けた。
入って左手にキッチン台が、右奥にクイーンサイズのベッド。キッチンとベッドの丁度真ん中あたりにカーペットと木製テーブルが、キッチンから少し離れたところにテレビ台とテレビ。ベッドのさらに奥には観葉植物があった。
取り敢えず荷物をベッドにばらまき、手際よくしまっていく。
クローゼットは部屋に入って正面にあった。
クローゼットに手をかけ開くと……。
女物の服や、下着が、整理整頓されていた。
「え? え?」
突然の出来事に、俺の突発的処理能力の低さを感じざるを得ない状況に。
ーーーパタン。
一旦閉じて、状況整理を………。
「行うまでもなく状況はわかってんだよ。
要は、これ全部美稲さんのなんだろ?」
自分に問いかける。わざと聞こえる様に。
「……私の部屋で何やってるの………?」
声のした方向へすかさず目線を向ける、そこには、美稲さんに良く似た、高校生らしき女の子が立ち尽くしていた。
またまたこんにちは。
面倒な事はこの世で三百番目ぐらいに嫌いな、
鈴木マルです。
突然思いついた事を只々書いているだけのこの物語。
いずれプロから声でも掛かんないかなぁ〜と。
思いながら頑張ってます。
参考にしたいので、ご意見等お待ちしております。
ではまた。




