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いざ、お披露目です。

展開を迷いながら書いてます(笑)


地獄の特訓や講義も終わり。


いよいよお披露目当日になった。

まずは日中に国民へ挨拶をし、その後、夜に貴族に対しての私のお披露目をかねたパーティーが行われる。



朝から身支度が始まった。

おなか周りをコルセットでぎゅうぎゅうに締め上げられ思わず呻いた。

こんなに締められたら国民を前に唸るような声しか出せないんじゃないだろうか?

貴婦人はすましたような顔をしてこんな苦労をしていたのか…


苦しむ私を尻目にマリアがどんどん着飾ってゆく。


ドレスは今日のために仕立てたもので、私の緑の瞳に合わせて宝石類はエメラルド。ハープアップにした髪にも小さなエメラルドのかざりがつけられている。


衣装は白い繊細なレース仕立てで、薄く透けたレースが幾重にも重なりふんわりした裾は、動くたびに一緒に揺れる。


派手すぎず、かといって地味すぎず。


ごってごての貴金属を付けさせられるのかと慄いていたからかなりほっとした。



でもお化粧とかは数えられるほどしかしたことがないので、やっぱりかなり違和感がある。


お化粧をしてすることといえば、頭の悪い領主の息子をおびき寄せたところで伸したり、海賊討伐のために人身売買商品になりすまして伸したり。


…あれ?ロクなことしてない?

さて今日はどうなることやら。


準備が整ったところでフィルが迎えに来た。

白い甲冑に赤いマントという正式な騎士服を着ていて、いつも以上にキラキラ輝く美しさだ。


そのフィルが一礼して部屋に入ってきたところで、目を見開いて固まった。

こちらを見てギョッとした顔をするので何か変なのかと気になる。


「フィル?」


「フィリス殿。何か一言ありませんの?」

何故かニヤニヤしているマリア。


そんな無理にコメントを頂かなくても、と思ったのだけど、ゆっくりとフィルは口を開いた。


「化けたね~!すごく綺麗だよ!ドレスも清楚だけど凛とした雰囲気でお嬢さんにぴったり☆」


「お前は今すぐ消えろ」


フィルが何か言う前に、テラスから現れたシュウがさらりと褒めちぎってくれた。



「あ、ありがとう、シュウ」



まっすぐに褒められることもあまりないので照れてしまい、少し赤くなった頬を隠すように扇子を広げて顔を半分隠した。


こちらを見たフィルは綺麗な顔をこれでもかとしかめ、私を部屋の外へと誘う。

「参りますよ、姫様。お前も自分の持ち場にいけ。……そちらは任せた。」


シュウにちらりと向けた目を見て、やっぱり仲良しだ、などと思って部屋を出発した。


++++++++++++++++++++++++++++++


今日は王都に面した大テラスの前庭を解放し、そこに集まった国民へ挨拶をする…とは聞いてたよ。聞いてたけども。


「こんなに集まってるの…?」


前庭は遠くの門の外まで、人で溢れかえっていた。


「……珍しく緊張されてますね。」


「フィル、私を何だと思ってるの?私だって緊張くらいするから!」


「そうですか。鉄人か何かかと思ってました。」


さらりと酷いことを言うな…。

でも、うん、いつものやりとりで少し落ち着いたかも。

ひとつ息をつき、顔を上げる。


「……君の言葉に騎士達は動かされた。だから、思ったことをそのままを明かせばいい。国民も、きっと喜ぶ。」


フィルは少し声を潜めて付け加えてくれた。


……その言葉と表情は不意打ちだよ。


「うん、ありがと。…行きましょう。」


父とエドが立っている大テラスまでゆっくりと歩いていく。フィルはその後を一歩後ろをついてくる。



私がテラスに出て2人の側に立つと、集まった国民から割れんばかりの歓声があがる。その勢いに圧倒されそうになったけど、2人の堂々とした姿と後ろに立つ頼もしい騎士の支えを感じて何とかとどまる。


「この国の宝を一つ、皆に紹介しよう。我が娘、ティアだ。」


私はマリアにならった通り、にっこりと微笑み、軽く膝を曲げて淑女の礼をとる。


「…初めまして。今日は、セレスティナの民である皆さんの前に立てることを、とても嬉しく思っております。」


そう言っただけなのに拍手と歓声がさらに強くなった。

すっ、と右手を軽くあげると、徐々に静まっていく。


「先程国王陛下から、国の宝、なんて勿体無いお言葉を賜りましたが…私にとっての宝は、この国を愛する貴方方、民です。この国に貴方方の笑顔が溢れるよう、国王陛下と殿下を支える一人となることを誓います。願わくば、これからも皆さんの国への愛が豊かなものでありますように…」


そう言って再び礼をとる。


………静まり返っていた民からどっと湧き上がる歓声は今日一番のもので。


…伝わって良かった…

密かに肩を撫で下ろす。



挨拶を終えた後、テラスを出る時に「ご立派でした。」とフィルに言われたのがくすぐったかった。



うーん想像とはちょっと違う展開になってきました(笑)


読んでいただきありがとうございます。


今はこれでいこうかと思うんですがそのうち書き直すかも?


少しずつ王族として生き始めるティア。


次は貴族達にガツンとやります。

(っていう予定です)

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