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突然姫って言われても困ります! 作者:*まるこ*(改名しました)

本編

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出発


姫様―――そう呼ばれた翌日。

自分がどうしたいかもまだ心の整理はついていないけれど、
とりあえず国王に会いに行くことは決めた。
なので王都へ向けて発つまでに身辺整理をしたいと申し出たところ、
快く了承してくれたので、ひとまずお世話になった人達に
きちんとご挨拶をしにいくことにした。

特に、右も左もわからず街で困っていた私に何でも屋として
いろいろ手ほどきをしてくれたゲイルさんには、
感謝してもしきれない。
「お前さんがいなくなると寂しくなるのぅ。
ま、手に負えないとか言われて家を追い出されたら、
またこっちに戻ってくればいい。」
そう言って送り出してくれた。
本当のことを言いたかったけど、余計に心配させそうで言えなかった。
他にもお向かいに住んでいて女性関連の悩みはすべて解決してくれた
頼りになる姉御・チェルシーさんや、何でも屋としてお世話を手伝った
近所の教会にも顔を出した。
どこでも私のことを心配しつつも、優しく背中を押してくれた。

出発日。

黒髪の騎士・ロードさんが合流した騎士たちと
道順など打ち合わせをしている間に、
ここ数日、どこかに行っていたらしいブロンド…もとい、
フィリスさんが部屋にやってきた。
まとめた私の荷物にちらっと一瞥をくれた後、
こちらに近づいてきて私のすぐ傍で立ち止まったので、
荷造りしていた鞄から顔を上げる。

「王宮行きなんて、君が嫌なら断ればいい。
国王陛下だってロードだって、
無理矢理君を姫として連れて行こうとはしないはずだ。」
フィリスさんはブルーの瞳でこちらを見据えて淡々とそう告げた。

なんだかロードさんと違って、
フィリスさんには最初からあまり歓迎されていない感じだ。
ロードさんもフィリスさんも出仕は貴族で、そのフィリスから見ると、
『生まれは王族でも所詮は卑しい平民の育ちで…』
といったところなのだろうか。

来いとか来るなとか、騎士団としての意思を統一しておけよと
心の中で突っ込みつつ、
「申し訳ありませんけど、私は一度決めたことは最後まで
曲げないことにしているんです。だから、道中よろしくお願いしますね」とスマイルつきで言っておいた。

フィリスさんは興味を失ったかのように「そう」とだけつぶやいて、
踵を返し、私の荷物を下に運んでいく。


ちょうど荷造りも終えたので、持てる荷物を持ってついていく。
ほかの騎士のお2人、ディエゴさんポルナレフさんにも挨拶をし、
さぁいよいよ出発!
…と思ったら突然デカイ声が響いた。

「おい、ティアっ!!どういうことだよ!?」

ツンツンした茶髪に活発そうな瞳。
体はガッシリしているがまだあどけなさは残っている。
私と同い年、鍛冶屋の息子・ガンツだ。

なにかとつっかかってくる面倒な男だけど、
武器のことなどでお父さんのドッチェさんと仲良くさせてもらっているので
昨日家に挨拶にも行った。
ガンツはいなかったのでスルーしておいたけど。

「ガンツ、どうしたの?」
「何で急に俺に断りもなく街を出ることになってんだ!?」
「どうしてあんたに断らないといけないのよ。」
「どうしてって………」
たじろぐガンツを横目で見たけどあーとかうーとか、
言葉にならないようだから相手にしないことにする。

「じゃあねガンツ。」軽く手を降って馬車へ向かおうとすると、
腕をつかんで引き止められた。

「ティア!…平気、なんだろうな?」
真面目な顔して突然の質問に少し驚きつつ、頷く。
「――問題ないわ。」

「お前の問題ないはいっつもアテになんねぇんだよ。
…何かあったら連絡しろよ。しかたねぇから力になってやってもいい」
「ずいぶん上からね。そうね、何かあったら、
街のみんなに連絡するついでにあんたのとこに文をやってもいいわ。
―ありがとう」
クスっと笑ってそう返しておく。

街に出てきたときに知り合いがいなかった私にとって
ガンツのように気安く話せる同じ世代の友人がいたことが
孤独を和らげてくれたのは確かだ。
感謝の気持ちを少し返しておこう。

「じゃ、急ぐから行くわ。ガンツ、元気でね!」

しめっぽいお別れは合わないので、にこっと笑って手を握りしめた。
ガンツのさっと頬が染まったような気がしたけど、強く握りすぎた?
男なんだからこれくらい平気にならないとダメじゃない?

固まってるガンツを尻目にロードがガンツから
サッと私の手をとりあげて馬車へと誘う。

「さ、馬車へどうぞ。」
私が乗り込むと、ゆっくりと馬車は動き出した。

ガンツが軽く手を上げたのが見えたのを最後に、
速度を上げた馬車の外の景色はあっという間に変わっていった。

王都までは何日もかかる。
途中の街で休憩しつつ向かうようだ。

住み慣れた街が少しずつ小さくなっていくのを馬車の窓から見ながら、
どうしようもない寂しさがこみあげてくる。
母が死んだ時にも感じた、一人になった時の空虚な気持ち。

街が見えなくなってようやく馬車の中に顔をひっこめようとしたら
横を馬で併走していたフィリスさんと目が合ったけど、
フイっと顔をそらしてしまった。

「…変な顔」って言ったの聞こえてるぞ!
美形に言われると言い返せないからムカつきますね。

さっきまで湿っぽい気分になっていのも忘れて
私はもんもんとした気持ちで馬車に揺られのだった。
今日は書き溜めた分があったので連続更新しましたが、
今後はゆっくり更新していきますので、
気長にお付き合いよろしくお願いします。

まだキャラや文体が固まってないので読みづらかったらすみません!
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