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マンドレイクなソロプレイヤーは目立ちたい  作者: つなまぐろ


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10/13

冒険者登録

 ファストリアの噴水広場でリスポーンした私は、冒険者ギルドへ向かっていた。


 リスポーンした直後は周りがプレイヤーで溢れかえっていたため、大根頭の私はすごく目立つ。


 イベントで上位に入り、それによって注目を浴びたい。尊敬と憧れの眼差しを向けられたい。そんな風に思っていたから、こういう注目のされ方はそこまで嬉しくない。


 しかし、そんなことは次第にどうでもよくなってくる。こんな人数に見られておいて、今更コソコソするなんてバカバカしい。今では葉っぱを隠すことなく、堂々と冒険者ギルドの列に並んでいる。


 待っている間、掲示板でいろいろな情報を集めていく。まず調べたのは状態異常について。

 

 天に見放されていると思うほど仕事をしない麻痺。

 これは確率で相手を麻痺状態にするものだ。そして、その成功率にはLUKのステータスが関係しているらしい。 

 詳細はまだ検証中らしいけど、LUK10のプレイヤーが相手を麻痺にさせる確率はおよそ三割。


 さらに調べてみると、状態異常は全てが同じ確率というわけではないようだ。

 毒にする場合は、LUK10のプレイヤーがおよそ五割。強力な状態異常ほど、成功率が低くなっているんだろう。

 そう考えると、吹き矢を使い始めた頃はビギナーズラックがいい仕事をしてくれていたらしい。


 まあ、これで納得いった。次のレベルアップでは優先的にLUKへ振ろう。さすがにLUKが4じゃ、失敗しても文句は言えない。


 他にもいろいろ見ていると、大きい個体の魔物へ愚痴を言っている掲示板を見つけた。


 【魔根の悲鳴マンドレイク・スクリーム】が効かなかった大きいグリーンハウンド、あれは群れのボス個体のようなものらしい。

 

 大きな魔物の群れには、かなりの確率でボス個体がいるそうだ。基本的にどの個体よりもレベルやステータスが高く、状態異常への耐性を持っている。

 掲示板にはゴブリンやコボルト、オークといった魔物のボス個体のSSが貼られている。

 

 ちなみに、グリーンハウンドにやられてもデスペナルティは発生しなかった。システムメッセージによると、Lv5まではノーペナルティらしい。

 

 それ以降は所持金が半減し、手持ちアイテムがロストすることもあるそうだ。インベントリの中からアイテムがいくつかなくなっている人もいれば、全てが無事だという人もいる。アイテムをロストするには何かしらの条件があるのかもしれない。詳しい条件は検証班待ちかな。

  

 だいぶ人混みが落ち着いてきたようで、十分も待たないうちに私の番が回ってきた。掲示板を見ていると時間の流れが早く感じる。


「ようこそ冒険者ギルドへ。冒険者登録ですね。こちらに手をかざしてください」


 犬獣人の可愛らしいお姉さんが対応してくれたんだけど、すごく早口で棒読みだ。返事もしていないのに、いつの間にか手続きが始まっている。まあ、間違ってないからいいんだけどさ。

 

 詰所でも見た円盤状の装置に、言われたとおり手をかざす。すると装置から不思議な光が放たれ、全身を包み込んだ。

  

 しばらくして光が消えると、円盤状の装置が開く。中からは、撮った覚えのない私の顔写真が貼られたギルドカードが出てきた。なぜか所持金まで載っている。


「こちらが冒険者ギルドのギルドカードとなります。そしてこちらが身分証となりまして、王国内全ての地域で貴方様の身分を保証してくれるものとなります」


 説明を聞きながらコクコクと頷く。

 身分証は詰所で発行してもらったからもう持っているけれど、説明するのが難しいため大人しく貰っておく。


「ギルドランクは下はF、上はSまであり、Cランクまでは誰もがランクアップ可能です。それ以降は、Bランクは50名、Aランクは30名、Sランクは10名までの人数制限がございます。詳しくはCランクへランクアップした際に再度ご説明いたします」


 すっごいシビアだ……。あ、でも国内での人数制限なのかな?他の国ではまた別の判定になったりするのかな?


「また、依頼に関してはギルド内中央にある依頼掲示板をご覧下さい。魔物の素材、採取アイテムの売却に関してはギルド横の解体所兼換金所をご利用ください」


 よく見ると、お姉さんの目には輝きがない。同じことを何度も繰り返しているせいか、BOTのような状態になっている。


「よい冒険者ライフを」


 笑っているはずなのに、有無を言わせない圧力がある。早く行け、質問などしてくれるなという強い意志を感じた。


 私は余計なことを言わず、素直に受付を離れる。ギルドカードをインベントリに入れ、そのまま換金所の列に並ぶ。


 換金所はシンプルで、カウンターにいる人に換金物を渡し、ゴールドと交換してもらうだけのようだ。ただ、夕方ということもあって、ログアウトする前に換金をするプレイヤーが多いのだろう。換金所の外まで列が伸びている。

 

 他のプレイヤーが換金している様子を見る感じ、大してアイテムを持っていないプレイヤーが多い。私もその一人だけど、おかげで列がスムーズに進んでいく。


 少しして、私の番がやってくる。

 とりあえず、魔物からゲットした素材を全てカウンターの上に出す。

 

 コボルトの牙×4

 コボルトの爪×2

 グリーンハウンドの毛皮×1

 グリーンハウンドの牙×1


 受付の人はそれらをまとめて隣の機械へ通すと、そこに表示された金額を袋に詰めていく。

 できれば3000ゴールドを超えていて欲しかったけれど、全部でだいたい1800ゴールドだった。コボルトの牙が一本平均100ゴールドで、爪は一つ平均150ゴールド。

 

 ロウさんの武器を買うには残り1200ゴールドくらいだから、今からファストリアの外周を回れば稼げそうだね。完全に夜になる前に行ってこよう。一時間くらいで終わればいいな。


 あ、その前にこれを見ておこう。


<首切り>

効果:首へ攻撃した際の与ダメージが上昇する。(極小)

条件:10体続けて首への攻撃で止めを刺す。

貴方は多くの敵を首への一撃で葬った。貴方と対峙した敵は、苦しむことなく安らかな眠りにつくのだ。


 首切り職人とか首切りマスターとかではなく、ただの首切り。物騒な称号だけど、与ダメ上昇効果のあるいい称号だ。

 効率よく敵を倒そうとすれば自然と狙いは首になる。この称号を獲得するプレイヤーは多そうだ。


 上位称号があるかもしれないし、トドメはできるだけ首を狙っていこう。


 

 ◇◇◇



 現在時刻は午後八時。現実と同じ時間が過ぎていくため、既に街の外は暗くなっている。


 コボルトを狩り始めた時は、二体に一体は何かを落としていてすぐに終わるかのように思われた。しかし、目標金額まで残り100ゴールドほどになったところから、途端に何も落ちなくなる。

 そしてそこから一時間、十五匹ほどのコボルトを倒したところでようやくコボルトの牙が一つドロップした。


「1302ゴールドになります」


 従業員さんから渡されたお金を受け取る。

 素材の質がよかったのか分からないけど、100ゴールド余分に稼げたみたい。


 …………ふぅ。


 街中で叫ばなかった私は偉い。あの一時間はなんだったんだ……。


──────────────────

<未設定>

名前:だいこんっ!!

種族:マンドレイク

職業:見習い魔法使い

Lv:3/20 +1

SP:11 +3

 

HP:60/60 +5

MP:40/40 +5


STR:10 +1

VIT:7 +1

AGI:16 +2

INT:22 +3

DEX:12 +2

MND:21 +3

LUK:10 +6(5)


固有スキル

魔根の悲鳴マンドレイク・スクリーム

 

スキル

【鑑定】

 

取得可能スキル一覧

【剣術】【短剣術】【槍術】【斧術】【盾術】【格闘術】【弓術】【水魔法】【風魔法】【土魔法】【生活魔法】【自然回復】


装備

右:毒羽の投刃(ポイズン・スロー)

左:(毒羽の投刃(ポイズン・スロー))

頭:なし

胴:見習い魔法使いのローブ

腰:見習い魔法使いのズボン

脚:見習い魔法使いのブーツ

アクセサリー:毒避けの白布


所持金

5167G

──────────────────


 そりゃ30体もコボルトを倒したら、さすがにレベルアップするよ。STPは全てLUKに割り振り、少しでも状態異常を付与する確率を上げる。


 スキルは今日の夜に掲示板を漁ってみて、よさそうなものがあれば取ることにする。一旦今日は、ロウさんのところで武器を買って終わりかなー。

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