エピローグⅠ 独り
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──時魔術が、俺に行使された。
意識が分裂する感覚。
幽体離脱のような感覚がしばらく続いて──そして、消えていった。
目蓋を開ける。
俺とメルルがベッドの上に居た。
メルルは、魔杖をオレに押し当てている。
──俺たちはあの後、名残惜しむように話をして、作戦を考えた。
転移後の動きについてだ。
作戦が固まり、メルルが俺に時魔術を行使する。
だが、俺は変わらず、ここに居た。
「『仮称・超転移』は上手くいったのか?」
彼女の魔力を見るに、時魔術は行使されていた。
メルルは魔方陣を確認する。そして。
「間違いなく成功した──だけど、元の意識が転移されるわけでは、無いのか」
それはきっと──。
「……言うなれば、魂の転写、か。……イサム、君の視ている現実が移動するわけではないみたいだね。この世界を変えられる訳ではなかった。──別の世界の運命はきっと、変わるんだろう。……ごめん。私は、神と同じ領域に、辿りつくことができなかった」
メルルは歯を食いしばり、その目からはぼろぼろと、涙が伝っていた。
俺が現代に居た時、タイムスリップ、タイムリープ物の映画をいくつも見てきた。
だから、なんとなく分かる。
世界は分岐したのだ。
あっちの俺は、きっと上手くやるだろう。
彼女の涙を拭って、口付けをした。
さて、行く場所は一つだ。
俺はベッドから降りる。
「イサム──?」
「あいつと決着を付ける──責任は……果たさなきゃな」
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