独白(その7)
人って、美しいものに惹かれるわよね。
何故なのかしら。
私、昔から不思議だったの。
例えば、水が入った二つのグラスがあるでしょう。
片方は濁っていて、もう片方は透明な水。
どちらか飲めと言われたら、私は迷わず透明な方を選ぶと思う。
ご飯もそう。
同じお米でも、炊き立てで艶のある白米の方が美味しそうに見える。
きっと私たちは、美しいものを見ると、
「これは良いものだ」
と本能的に感じてしまうんじゃないかしら。
もちろん、そんな保証はないわ。
透明な水が安全だとは限らないし、美味しそうなご飯が本当に美味しいとも限らない。
でも、それでも私は、美しいものを信じてしまう。
人間も同じ。
みんな、美男や美女に憧れるでしょう。
中には、
「外見なんて関係ない」
と言う人もいる。
でも私は、あまり信じていないの。
だって、その言葉の前に、
まず美しい外見に目が行っているはずだから。
その後で、
性格だとか、
価値観だとか、
一緒に働けるかとか、
そういうことを考えるんじゃないかしら。
ちょっと乱暴な考え方かもしれないけどね。
私は、美男や美女を見た時、
ほとんどストレスなく「美しい」と感じる。
セックスの相手だって、やっぱり美男の方がいいわ。
でもね。
世の中には、
その美しさに強いストレスを感じる人もいる。
嫉妬なのか。
劣等感なのか。
それとも別の感情なのか。
私はよく分からない。
ただ、その瞬間、人は美しさそのものではなく、その人の内面を探り始める。
「あの人は何を考えているんだろう」
「本当は性格が悪いんじゃないか」
そんなふうに。
私は、それがストレスなんじゃないかと思うの。
つまり、美しいものは、
脳に余計な仕事をさせない。
ただ「美しい」と感じれば済む。
その方が健康的な生き方のような気がするわ。
だから私は、美しさには価値があると思っている。
昔、ある週刊誌で見た写真が忘れられない。
貧しい国の記事だった。
小さな女の子が、ゴミの山の中で金属を拾い集めていた。
顔は土埃で汚れていたわ。
服もボロボロだった。
でもね。
私は最初、
その子が何をしているのかよりも、
その顔の美しさに目を奪われたの。
息を呑むほど綺麗だった。
もしかしたら、演出された記事だったのかもしれない。
でも、もし本当だったなら。
私はその子に言いたい。
「あなたは、とても美しいのよ。
だから、いつか自分でそれに気づいてね」
「その美しさは、
きっとあなたの人生を変えるから」
じゃあ、続きはまた今度。




