独白(その10)
『愛人/ラマン』(L' Amant)
今回は、1992年に製作された、華僑の中国人青年と貧しいフランス人少女の恋愛映画の話ね。
舞台は1929年のインドシナ。
中国人青年は金持ちのボンボン、少女は貧しい家の娘。
この二人が愛人関係になるのよ。
生きるために男の金目当ての女と、女の体目当ての男のビジネスライクな愛人関係。
物語としては、彼女は次第に青年に恋愛感情を抱くようになっていく。
結局、彼女と家族はフランスに帰るんだけど、映画のラストの帰国途上の船上のシーンで、誰かが奏でるピアノの演奏が聴こえてくると、彼女は彼を想って号泣するのよ。
この映画を見た私の知り合いの多くはね、こう言っていたの。
このラストシーンで、彼女自身が彼を愛していたこと、つまり、それが単なる愛人関係ではなくて、「本当の恋愛感情」だったことにはっきりと気付く。
そのシーンが切なすぎて、泣けた。
でもね、私は?だった。
金持ちの中国人の彼は美男子だし、女は最初から金だけじゃなく、彼自身に魅かれていた、とも考えられるわよね。
本当に嫌な男だったら、あんな展開にはならないんじゃないかな。
つまり、最初から恋愛として成立する出会いだった。
女は、体を求められることに背徳の快楽を感じていたかも。
そして、ラストで女が船上で泣くシーンは、恋愛感情の気づき、というより、いつもそばにいた人の喪失感、それによる孤独感ではなかったのかしら?
でも、それも恋愛よね、きっと。
でもね、「本物の恋愛感情」って何かしらね。
あ、これ、あくまでも私の超個人的な感想よ。
あしからず。
じゃあ、続きはまた今度ね。




