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TS斧使い、ダンジョンで脳筋に仕上がる  作者: 源平氏
第三章 これは俺が転生するまでの物語
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第88話 ミョンチーのお悩み相談室(後編)


 ダンジョンをクリア出来ず困っていると相談を持ち掛けてきたジーナジョンさんとヨイスさん。そこで俺は2人と共にダンジョンにやってきた。



~最寄りのダンジョン~


区分 :ノーマル

タイプ:地下墳墓

人数 :3名以下

難易度:☆



「じゃあ俺は見てるんで、一旦2人で挑戦してみて下さい」


 問題を解決するために、まずは今の2人の状況を実際に確認する。話を聞くだけじゃ詳細は分からないからな。アドバイスはその後だ。


「くっくっく、遂に我が力の片りんを示す時が来たようだな!」


「頑張ります」


 暴走しそうという設定の右手を抑えながら不敵な笑みを見せるジーナジョンさんと、落ち着いて盾を召喚するヨイスさん。やる気は問題なさそうだな。


 俺達はダンジョンの奥を目指して進んだのだった。




 このダンジョンは部屋での戦闘を5回突破したらクリアというシンプルなものだ。敵はスライム。部屋を進む毎に数が増えたり強い変種が出てきたりする。


 まずは1部屋目。普通のスライムが1匹だ。


「ジーナ、ここはいつも通りで」


「ふははは! 承知した!」


 ヨイスさんが盾を構えて先頭に立った。



=======================

名前 ヨイス


ステータスロット

・籠の小鳥(ランク1)

  筋力:☆

  耐久:☆

  速度:☆☆

  魔力:☆☆

  器用:☆


スキルスロット

・地雷系小悪魔(ランク3)

  地面に触れる事で地雷魔法を設置出来る。

  設置後の地雷に何かが触れると爆発する。


・縮こまった臆病者(ランク2)

  大盾を召喚し扱う事が出来る。

  装備中は速度が☆1になる。

=======================



 ヨイスさんの盾はいわゆるタワーシールドという奴だった。全身を隠せるほどの長方形の大盾である。厚みも結構あり重そうだ。


 スライムの攻撃。跳んで跳ねての体当たりだ。そんなんでも耐久☆1なら直撃したら即死させられる威力がある。


 だがスライムの体当たりはヨイスさんの盾により見事止められた。


「ジーナ、今!」


「任せるがいい! アドレナリン、全開!」


 うおおおおお、という掛け声とともにジーナジョンさんがスライムに向かって駆け寄った。



=======================

名前 ジーナジョン


ステータスロット

(注:ステータスがセットされていません!)

 筋力:☆

 耐久:☆

 速度:☆

 魔力:☆

 器用:☆


スキルスロット

・やかましいヒーロー(ランク4)

  技名を叫ぶと技が強化される。

  技でなくともとりあえず叫べば強化される。

  技名はなんでもよい。


・アドレナリン大爆発(ランク1)

  アドレナリンを大量分泌する事が出来る。

=======================



「瞬閃、跳梁脚ぅ!」


 シャウトと共にスライムが蹴り飛ばされた。そのまま壁に激突。光の粒となって消えていった。快勝だな。


「ふははははは! 見たか、我が力を!」


「1部屋目はもう何度も勝ててるんです。問題はこの後で……」


「了解です。じゃあ先に進みましょう」


 俺達は次の部屋へと進んだ。




 なんやかんや敵を倒していき現在4部屋目。ここにきてようやく、彼らの困り事の本質が見えてきた。



「ジーナ、離れ過ぎないで!」


「でも彼奴らに包囲される訳にはいかんのだ!」


 敵は通常スライム3体に色違いスライム1体。数的不利を前にして彼らの弱点が浮き彫りとなった。


 その弱点とは、殲滅速度の遅さ。


「金剛絶衝破ああ!」


 ジーナジョンさんの拳がスライムの体当たりに命中。スライムは破裂し、代わりにジーナジョンさんの腕もあらぬ方向にねじ曲がった。



 ジーナジョンさんが無傷でスライムを倒すためには一旦盾で攻撃を防いでもらう必要がある。その後に反撃だ。


 だが敵が多いと反撃する前に別の敵の攻撃が来る。敵を倒せずにいる内に囲まれる。盾で守ってない方向からの攻撃をジーナジョンさんが受けて負傷する。ジリ貧である。


「まだ左手が有るわあああ! 煌めけ、極芯掌っ!」


 スライム2体目を撃破。だが体当たりを拳で受けた事でジーナジョンさんの両手はグチャグチャに折れ曲がっていた。


 敵は残り2体。どちらも弱い通常スライム。


「ごめんジーナ、後は僕がやるから!」


 敵が減ってヨイスさんが動きやすくなった。盾で受け止め、足元に落ちたスライムに盾の縁を落とすように叩き付ける。


 それを何度か繰り返している内に、スライム達にダメージが重なっていきやがて倒す事が出来たのだった。




「こんな感じでジーナが負傷して途中で死んでしまうんです」


「我の事は心配不要だ。アドレナリンのおかげで痛みは無い。それにヨイスはもうこのダンジョンはクリアしたのだから、我の事は気にせず次のダンジョンに行くがよい」


「そういう訳にはいかないでしょ。僕だってジーナの犠牲のおかげでクリア出来たんだから」



 うーん、いろいろ気になる所はあるが。


「地雷魔法は使わないんですか?」


「最後の部屋で使うために温存してます。敵が多くて強い時に使いたいので」


 なるほど、一応考えてはいるみたいだな。


 ならやはり問題はジーナジョンさんが最後まで持たない点か。すでに満身創痍である。戦力を増強したい所だ。



「何日か待てば新人が来ると思うので仲間に誘ってみては? 待ってる間にボスが攻略されてスキルガチャを引けるかもしれませんし」


「そのつもりではあるんですけど、ジーナが時間がもったいないって言ってダンジョンに行きたがって……」


「清掃活動で武器が支給されるって話はしましたよね? 検討はしましたか?」


「我に武器など不要。この身1つで十分なり」


「自分のせいで面倒をかけたくないって言って聞かないんです」


 なるほど、遠慮してるのか。良い子じゃん。



 どうするかなあ。放っておけば仲間やスキルが増えて解決する問題ではあるだろう。


 でも、2人の事を応援したい気持ちがあるんだよな。噛み合ってはいないものの、お互いに相手への気遣いが感じられる所は良い。


「よし、じゃあ最後の戦闘は俺も参加します」


「え、いいんですか?」


「くっくっく、遂に共闘の時が来たようだな!」



『良いのですか? 過度な支援はギルドの方針で禁止されておりますが』


(問題無いと思うぞ、マオ。それはあくまで戦えないままステータスだけ上がる事が無いようにって理由だ。2人とももう十分に戦うメンタルは出来てる。


 それに数日もすれば時間が解決するだろ。ならここで俺が手を貸しても大した影響は無いはずだ)


『なるほど、理解しました。なら私も問題無いと思います』



 そうして俺達は最後の部屋に入った。



 最後の部屋の敵は色違いスライムが3体。はっきり言って今の俺からすれば雑魚だ。


 スライムAの攻撃。俺はバッティングセンターの要領で斧を振り抜いた。


 パンッという音と共に水しぶきと化す敵。


「え、早っ」


「我が邪眼でも残像を追うので精一杯だと……!?」


 そこまで言われるとさすがに照れるな。マオに注意されたように舞い上がってしまいそうだ。自戒自戒。



 少し遅れて今度はスライムBが体当たりしてきた。俺はそれを半歩横に動いて回避。着地した所に斧を振り落とした。


「ジーナジョンさん、敵の攻撃を正面から迎え撃つのは出来るだけ避けましょう。こんな感じで攻撃後の隙を付くと良いと思います」



 スライムCの攻撃。俺は斧を盾にして斜めに受けた。はじかれたスライムがジーナジョンさんの足元に落ちる。


「ジーナジョンさん、とどめを刺して下さい」


「う、うむ! 列震脚!」


 スライムは見事踏み潰された。


「ヨイスさん、盾で止めてから後ろのアタッカーと交代するのは時間がかかります。敵を1体ずつ後ろに受け渡す工夫もしてみて下さい」


「は、はい!」



「これがベテランの戦い方というわけか……。我らの伸びしろは大きいな」


 新人達は俺のアドバイスに納得してくれたようだ。学ぶ姿勢があるのは教える側としても嬉しいな。彼らはこれから伸びるだろう。


「これでこのダンジョンはクリアです。ジーナジョンさん、ステータスガチャを引きましょうか」


 俺はそう締めくくり、彼女がステータスを引くのを待って町へと帰還したのだった。


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