第75話 隠しダンジョン
七大罪のダンジョンを全て攻略した俺達。思えば難しいものばかりだった。さすが難易度5。
ボスほど理不尽ではなかったが、十分に難しいダンジョンばかりだったな。
でもそれを無事攻略したという事実が、自分の強さの証明となっているように感じられて少し誇らしかった。
さて、次はお待ちかねの隠しダンジョンだ。ホスディアが言うには七大罪を全て攻略するとマップに現れるらしいが、果たして……。
「マップ」
そう唱えると目の前に開かれるホログラムめいた地図。ダンジョンを表す点群の中に、今までは無かった大きな青点が増えていた。
ここに隠しダンジョンがあるという事か。
「どうする、ホスディア。早速隠しダンジョン行くのか? それとも一旦休憩か?」
激戦の直後だからな。気疲れしてる奴が居るなら休憩を挟んでも良いかもしれない。
「いや、お前とケムシン以外は嫉妬のダンジョンがまだだからな。まずはそっちだ」
「あ、そうだった」
俺達はもう一度嫉妬のダンジョンへ入り、ステゴロ歌唱配信をやり直したのだった。
悪魔の断末魔が全く同じだったのは少し哀れだった。ごめんな、レヴィアタン。
という訳で気を取り直して隠しダンジョンへ。
マップを頼りに行ってみたらそこには洞窟。中に入り奥へ奥へと進んだら行き止まりがあり、地面で魔法陣が光っていた。
これが入口なのか。今までに無かったパターンだな。
「準備は良いか? 入ったらバラバラな場所に飛ばされて各自で攻略を目指す事になる」
皆へと最後の確認をするホスディア。すでに攻略情報は確認済み。ここからは連携とか助け合いとかは無く、個人の力で挑む事になる。
難易度は6。七大罪以上だ。だとしても――
「ああ、覚悟は出来てる」
俺はそう答えた。
「俺もええで」
「自分も問題ないっス」
「挑戦あるのみ、なのじゃ」
そう答える面々。
「良い返事だ。ならば心配は無いな。行くぞ」
俺達は魔法陣の上に立った。すると魔法陣の光がどんどん強くなり、俺は思わず目をつぶったのだった。
同時刻。教会にて。
「む? 隠しダンジョンが起動しましたな。一体誰が……」
祭壇に並べられた祭具、その1つが魔力を帯びた事に気づき、神父はのそのそと祭壇に近づいた。
熟練の転生者でも手こずる難易度5。それを複数クリアしてようやく挑戦出来るのが隠しダンジョンである。ここしばらくは挑む者が居なかった。
久しぶりの挑戦者に満足げな表情の神父。
祭具に手をかざすと空中にウインドウが展開された。そこに表示されているのは隠しダンジョンの情報。その中には挑戦者の情報も記載されていた。
「ほう、ホスディア殿でしたか。あいかわらず精力的な御仁ですな。仲間も愉快な方ばかり。しかし……」
隠しダンジョンはその特性上、挑戦者によって難易度が大きく変わる。挑戦は何度でも出来るが、はたしてこの個性豊かなメンバーからどれだけクリア者が出る事やら。
「潰れてしまわない事を祈るしかありませんな」
神父は誰に向かってと言う訳でもなく、そうつぶやいた。
~もしものダンジョン~
区分 :ノーマル
タイプ:日本
人数 :5名以下
難易度:☆☆☆☆☆☆
「ここは……」
魔法陣の眩しさに思わず目を閉じてしまった俺。再び目を開けると、そこは洞窟ではなかった。
すぐ近くには鉄筋コンクリート製の建物。見覚えがある。俺が通っていた中学校の旧校舎だ。
懐かしの日本の光景。俺はその中に立っていた。




