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TS斧使い、ダンジョンで脳筋に仕上がる  作者: 源平氏
第三章 これは俺が転生するまでの物語
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第112話 VS. 分身チート その3


 ボスを強化すればボス自身の自爆で全滅させる事が出来る。その狙いを実現するために、俺達は3度目の脳筋作戦を立案した。


 2回目同様にまとまって突入する転生者5名。例によってケムシンは鎧を装着した状態だ。


「ウイニングボール!」


 まずはケムシンが1人で先制攻撃。爆発によって全ての窓ガラスが景気よく割れる。その攻撃によって分身の4割ほどが吹き飛んだ。即座に復活する分身達。


「うりゃあああああ!」


 そこにケムシンが突撃した。ボスの群れを引き付けるためである。


 狙い通りボスのヘイトがケムシンに向かった。ケムシンに群がる分身達。



「次は私よ! プロージョン!」


 そこにメイラさんが攻撃。ケムシンの頭上に魔法陣が展開され魔力弾が落とされた。ケムシンを囲っていた分身達が爆発に巻き込まれる。多分また4割くらいが死んだ。


 そう、今回は魔法を順番に撃ってキル数を稼ぐという作戦だ。分身が復活してからの方がまとめて効率よく吹っ飛ばせるだろうという判断である。



「俺の番だな! 召喚! バスガス爆発!」


 次いで転生者A。ケムシンの頭上に召喚されたバスがケムシンもろとも分身達を押しつぶし大爆発。3割くらいは死んだと思う。


「やべっ。ケムシンがバスの残骸に埋まったままだぞ!?」


「これじゃ囮にならないわ!」


「任せろ! ファイナルバズーカー!」


 転生者Bの攻撃。土管みたいなサイズのバズーカ砲が召喚され馬鹿みたいにでかい弾が発射された。山なりにゆっくり飛んでいき着弾。ケムシンの墓標は木っ端みじんに吹き飛んだ。巻き込まれる分身達。


「ひいーっ!」


 残骸の中からケムシンが這い出てきた。なんと言うか、ごめん。そしてありがとな。囮役を引き受けてくれて。



 それはともかく、これで400体近くの分身が倒せたはず。ボスの現在の推定魔力ステは☆6だ。


 だがまだ足りない。前の作戦でもそれ位は倒していたはずだ。もっとキル数を稼がないと全滅させられない。



 と言う訳で、攻撃2周目だ。


「行くわよ! 鎌鼬スパイラル!」


 メイラさんが風の刃を伴った竜巻を起こした。分身達が斬り刻まれていく。


 そう、スキルは1人2つまでセット可能。そして魔力が続く限り連発可能だ。前の作戦では一斉攻撃の余波で味方も死んでしまったため2発目を撃てなかったが、順番に撃つ事でその問題も解決と言う訳だ。


「桜吹雪カッター!」

「ストーン・ガトリング!」


 転生者AとBも順番に2射目を放った。良いペースで分身を倒せている。これならケムシンの残り時間にもまだ余裕があるだろう。


 チュドーン!


 ケムシンを中心に大爆発が起こった。分身の自爆である。ボス自身もキル数を稼いでくれていた。衝撃で屋根が崩落。素晴らしい威力だ。



『推定キル数が目標の600を突破しました』


 マオからの知らせだ。作戦は順調。味方も魔法を撃ち尽くした。ここからはボスの自爆に巻き込まれないようにする事が重要である。


 と言う訳でここからは、これまで活躍が無かった5人目の出番だ。


「お前達は俺が守る!」


 転生者Cと交代で採用されたのは、鎧と盾を装備した男、ジュラジュレさん。タッセルさんの元部下で、ネオ元祖転生前夜のタンクを務めていた人だ。


「さあ、俺の後ろへ!」


 体育館の隅で盾を構えるジュラジュレさん。ケムシンの無敵モードを除けば随一の防御力を誇る彼が壁となり、ボスの自爆から味方を生き残らせるのだ。



 問題は、ケムシンが囮として機能し続けられるか。


 ジュラジュレさんでも強化されたボスの自爆を至近距離で受ければ耐えられないだろうとのことだ。自爆を受けるのはあくまでケムシンである必要がある。


「ほれほれ、俺はまだ生きとるでぇ! もっと来いやあ!」


 ケムシンが切腹の傷を厭わず突撃する。一方のボスは体育館の隅に密集し、1体ずつ分身をけしかけていた。そして爆発。吹き飛ばされ後ろの壁に激突するケムシン。



 狙い通りだ。パターンに入った。


 前の作戦でもボスは同じ行動をしていた。マオの解析によると、自爆の威力が一定以上に上がったら巻き込まれて全滅しないようにそう行動するよう設定されているらしい。


 後はボスが全滅するレベルまで自爆の威力を上げられるか。


 自爆の度に威力が上がっている。密集した分身の外側が死んでいるのだ。ここまで来たらケムシンが死ぬかボスが全滅するかのレースだ。



 チュドーン!



 チュドーーン!!



 ズドーーーーン!!!



 ボスに突撃し、爆発で吹っ飛んで壁に激突し、またボスに突撃。ケムシンの行ったり来たりが繰り返される。


 威力が上がるほど一度に多くの分身が死ぬようになり、爆発の威力は加速度的に上がっていた。もうケムシンも時間切れしてしまう頃。決着は近い。そう思っていたら……


 ガシャーン、ガラガラガラ……


 想定外の事態が発生。爆発に耐えきれずに体育館の壁までもが崩壊し始めたのである。


「も、もう駄目だああ!」


 壁が無くなった事で、壁に背を預けていたジュラジュレさん達が耐えられなくなった。


「踏ん張りが、効かないいいい!」



 ズッドーーーーーーーンッ!!!


 かつてないほどの爆発が、かつて体育館だった土地を覆いつくした。


 ケムシンも、ジュラジュレさんも、その後ろで耐えていた他の突入班も、その爆風の前では塵芥も同然だった。


 彼らはダンジョンの外へと吹き飛ばされ、ダンジョンはリセットされた。


 3度目の脳筋作戦は、惜しくも失敗となったのだった。


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