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TS斧使い、ダンジョンで脳筋に仕上がる  作者: 源平氏
第三章 これは俺が転生するまでの物語
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第111話 VS. 分身チート その2


 300体に分身し、死ぬたびに強化され、自爆特攻を繰り返すホスディアのボス。本体は居らず、分身が死ぬたびに新しい分身が出現するという理不尽すぎるチートを前に、俺達はシンプルな力押しを試みていた。


 すなわち、強力な魔法で全部吹っ飛ばすという作戦である。


 1回目は失敗したが、


「この作戦、もう少し工夫できると思います」


 俺は新ギルマスのタッセルさんにそう言った。


「あん? どうすんだよ?」


「さっきはダンジョンに入ってすぐに魔法を使ってましたけど、もっと近づいてから撃ってもいいと思います」


 改善案その1、近づいて撃つ。


 ボスは放たれた魔法を見て逃げたり防御したりと着弾までに色々対処していた。もっと至近距離で撃てば対処する時間を与えずに済むだろう。



「それと、狙う場所をもっと散らばらせてもいいと思います」


 改善案その2、満遍なく吹き飛ばす。


 さっきは皆で体育館の中央を狙って魔法を撃っていた。ボスの群れの初期位置がそこだからだ。でもそれによってダンジョンの隅々まで十分な威力が届かなかった。ボスを仕留めきれなかったのはそのせいかもしれない。



「あとケムシンは無敵モードになってもらってから突入して良いと思います。皆を守ってもらいましょう」


 改善案その3、ケムシンが盾になって味方を生き残らせる。こちらも自爆特攻してたんじゃボスを倒しても攻略にならないからな。


 とまあそんな感じで、改善案の意図を説明したらタッセルさんもなるほどと言ってくれた。


「良いじゃねえか。その案いただきだぜ!」




 と言う訳で第二次脳筋作戦、決行。入り口から一斉に突入する5人。


 先頭はケムシン。すでに歩く棺桶を発動済みだ。ダメージ無効の鎧が仲間を守る盾となる。


 5人は中央に群がるボスへと接近し、至近距離で魔法を放った。誰がどこを狙えばいいかはマオが計算し導き出してくれたのを伝えてある。


「ウイニングボール!」

「プロージョン!」


 最大火力のケムシンとメイラさんは中央のボス達へと直接攻撃。ケムシンは手のひらから、メイラさんはボスの頭上に展開した魔法陣から魔力弾を放った。


「召喚、バスガス爆発!」

「ファイナルバズーカー!」


 次いで一撃の威力が高い転生者AとBは左右奥へと攻撃。


「マジカル☆流星群!」


 転生者Cは広範囲に魔力弾を降らせるタイプであるためダンジョン全域を攻撃。


 これがマオが言うに、1回目の結果を参考に最適化された一番効率良い攻撃方法らしい。


 チュドーン!


 またしても体育館は半壊。外に避難していた俺達は結果を確認するため入り口から中を覗き込んだ。



 ドーン!


 中で2度目の爆発が起こった。爆風が俺達を撫でる。だが1度目ほどの威力ではなかった。


「どうなってやがる!?」

「まだ戦ってるんだ!」

「煙が邪魔で見えねえぞ」


 少しして煙が晴れると、そこには鎧を着た転生者の姿があった。ケムシンである。他の仲間の姿は無い。死んでしまったのか?


 ケムシンの向こう側には、ボスの群れ。あれでも仕留めきれなかったらしい。ダンジョンの壁際に密集している。その内の1体がケムシンへと走っていき抱き着いた。そして自爆。


 これで3度目の爆発だ。先ほどと同じくらいの爆風が吹き荒れる。



 おそらく2度目もボスの自爆だったのだろう。ケムシンがまだ生きてるから自爆攻撃を繰り返しているのだ。


 また1体、ボスが自爆攻撃のためケムシンへと向かった。


「だあああああああああっ!」


 ケムシンが叫んだ。そしてボスへと突撃。両者がぶつかり合う。


「何やってるんだあいつ!」

「持ち上げた!?」


 ケムシンの行動にギャラリーがどよめいた。なんとボスを担ぎ上げて残りのボスの群れへと走っていったのである。


 担がれたボスが自爆。その衝撃でケムシンが吹っ飛ばされる。その爆炎はボスの群れをも飲み込んでいた。


 だが全滅させるには至らなかった。煙が晴れるとそこには変わらぬ数のボス。


 ケムシンはその後数回自爆を受けた。ボスを巻き込んだ事で威力が上がっている。だがやはりボスを全滅させるには至らず、やがて元々負っていた致命傷により死んでしまったのであった。




『ミョンチー様、ボスのステータスが算出できました』


 ケムシンの奮闘の後、マオが解析結果を視界に表示した。


=======================

・片桐剛

  筋力:☆☆

  耐久:☆☆

  速度:☆☆

  魔力:☆☆(死ぬたびに0.01強化)

  器用:☆☆

=======================


『強化されるのは魔力だけです。つまり自爆の威力のみが上がっていきます』


 なるほどな。だから強化された後でもケムシンが取っ組み合いで勝てたのか。


 ちなみに0.01って事は……、100体倒して☆が1つ上がる?


『その通りです』




 集まった情報、そしてケムシンが見せてくれたヒント。それにより俺の脳裏にあるアイデアが生まれた。


「見えたかもしれません。攻略の糸口が」


「あん? どういうことだ?」


 俺の言葉にタッセルさんが反応した。ケムシンの先ほどの行動の意図が読めなかったのだろう。


「最後の方、自爆の威力がどんどん上がってました。ケムシンが突撃した事でボスも巻き込まれたんです」


「……!? ってことはよお……」


「はい。ボスをたくさん強化すれば自爆で自滅させられます」


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