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TS斧使い、ダンジョンで脳筋に仕上がる  作者: 源平氏
第三章 これは俺が転生するまでの物語
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第100話 成り上がりと成果


「目撃場所の近くにあったダンジョンが、マップから消えてる気がするのだ」


 そんな事を言い出したジーナ。もしそれが本当なら原因はその消えたダンジョンにあったのかもしれない。


 マオ、ジーナが言ってることは本当か分かるか?


『事件発生前のマップを記憶から抽出しています。現在のマップと照合中……、完了。確かにノーマルダンジョンが5つ無くなっているようです。内2つはモンスターの目撃地点の近くでした』


 5つも!? なんでクソ神父気づかなかったんだ!


『以前、目撃地点周辺のダンジョンをリストアップしたと言っていたのを覚えてますでしょうか? その直前、私のダンジョンにある指令が届いていました』


 ある指令?


『目撃地点の近くであり、かつゴブリンが出るダンジョンは応答しろという指令です。おそらく全ダンジョンに指令を送ったのでしょう。ですがダンジョン自体が無くなっていたのでリストから漏れたのだと考えられます』


 駄目駄目じゃねーかそのシステム!


『教師と生徒の例えで言うなら、居ない奴は手を上げろと言って誰も手を上げなかったから迷子の生徒は居ないと判断した、みたいな感じでしょうか』


 駄目なのはクソ神父の方だった!


『急ぎ報告すべき案件かと。今後も新たにダンジョンが消滅する可能性も考えられます。それによって中に居るモンスターが外に解き放たれるかもしれません』


 まじか! ゴブリンとかが居たのはそういう事!?


「ジーナ、ヨイス、悪いけど護衛続けといてくれ! 俺はダンジョンが無くなってる事知らせてくる!」


「う、うむ、任せるが良い」


「分かりました」


 俺は斧で自分の首を切り落とし、最速で教会へと戻った。


 死ぬ直前、それを見たジーナが悲鳴を上げるのが聞こえたのだった。





 俺の報告はクソ神父にとっても衝撃だったらしい。そんな馬鹿なという言葉が口から漏れ出ていた。


 その後クソ神父が確認した結果、ダンジョンの消滅は事実だと分かった。興味深い事に、いずれも難易度1のダンジョンだったらしい。


 ギルドの幹部も交えての会議でその事を報告するクソ神父。


「原因はまだ不明ですぞ。今後ダンジョンが消滅したら知らせますゆえ、その際は解き放たれたモンスターの駆除に急行いただきたい」


 げっそりした顔でそう言うクソ神父。ホスディアも神妙な面持ちで頷いた。


「良いだろう。だが今後も継続的に協力するとなると、今の契約のままでは支障がある。契約内容の見直しを要求したい」


「仕方ありませぬな。応じましょう」



 喧々諤々の議論の末、契約内容は大まかに以下となった。



・教会はダンジョンが消滅してないか随時確認し、消滅した場合はその事をギルドに即座に連絡する。


・ギルドは教会から連絡があった場合、可能な限り早く現場に転生者を派遣し、モンスターを捜索、駆除する。その後最低3日間は周辺の集落に護衛を配置する。


・それ以外でもモンスターが目撃された場合はギルドは転生者を派遣し捜索、駆除する。その後最低3日は周辺の集落に護衛を配置する。


・教会とギルドは互いに必要な情報を常に共有する。


・教会は報酬として、転生に関する全ての情報を即座に公開する。また今後その内容について、転生者からの質問に随時回答する。


・教会は原因の調査と改善に努め、必要ならギルドに追加で依頼を行う。報酬はその都度議論し決定する。




 これにより、ギルドと教会の協力関係はまだしばらく続く事となった。


 今回の事件のおかげと言ってはなんだが、ギルドが教会にとって必要な存在となった事で対等な関係にまでのし上がったわけだ。


 事件は収束していないが、これは大きな成果だと思う。これまでどれだけ聞いても教えてくれなかった転生についての説明を、今後聞き出す事が出来るようになったからだ。



 また話し合いの結果、転生についての情報公開は、教会での説明会という形で行われる事となった。


 その知らせを聞いて転生者たちが続々と教会に集まって来る。説明会の開始は正午。まだ1時間前なのにかなりの転生者が集合していた。それだけ皆知りたかったという事だろう。


「俺達転生したらどうなると思う?」

「分かんね。チートはもらえないってのは最初に聞いた気がするけど」

「赤ちゃんスタートなのかなあ」

「バブー、バブー!」

「きっしょ。黙れ」

「早く飯食いてえよ、俺」

「俺は思いっきり寝たい」


 ガヤガヤ。ザワザワ。


 人口密度が高すぎて雑談だけでかなりの騒音となっている。転生者達は今か今かと説明会の開始を待っていた。




 ゴーン、ゴーン。


 正午の鐘がなった。時間だ。しばらくしてクソ神父が姿を現す。話を聞き逃すまいと静まり返る転生者達。


「えー、いつもなら軽口でも叩いて諸君らを煽って楽しむ所ですが、今回はおふざけ無しとさせていただきますぞ」


(((死ね!)))


 空気が凍ったのを見るに、多分皆そんな事を思ったと思う。


 今まで楽しんでたのかよ。クソ神父め。余計な一言が過ぎる。


「説明会の流れですが、まず私から一通り説明した後、ホスディア殿が代表して質問、その後皆様からの質問を受けるという流れにしますぞ」


 ステンドグラスを背に壇上へ立つクソ神父。


「さて、皆様心の準備はよろしいですかな? もしかしたら知らない方が気が楽だったとなる方も出るかもしれませぬ。それでも良いという方のみ残って下され」


 今更だな。俺も、ケムシンも、ホスディアもシリルさんもバーバラさんも、そして他の転生者も、それを聞くために今ここに居る。誰も帰りなどしない。


「……では話させていただきますぞ。諸君らがどのように転生し、次の人生を送る事になるのかを」



 こうして、クソ神父の口から遂に、転生についての真相が語られたのだった。


先行して連載しているカクヨムの方は明日が最終話(全137話)となります。

すぐにでも読みたいという方はそちらへどうぞ。

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