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0861・お金稼ぎ




 午後から自由行動となった妾はどうしようかと悩み、今までに溜め込んだ素材を使って様々な物作りをする事にした。

 と言っても、売れる物を選んで作っていくのであって、売れぬ物を作る気は無い。

 普通の鉄製の武具などは既に売れぬようになっておる。


 当たり前だが、それなりのレベルになっておるので、誰しも鉄製の物を使う時期は過ぎておるのだ。

 とはいえ魔鉄などはまだまだ売れる為、溜め込んだ鉄は魔鉄にする事にした。

 銅も採れて溜まっておるので魔銅に変えていく。


 さて、何を作ろうかと思い悩んでいると、現代の巫女が話しかけてきた。


 「悩んでいるようだけど、何かあった?」


 「何を作ろうかと悩んでおるのよ。

 魔鉄と魔銅で武器を作れば売れる事は分かっておる。

 まあ、魔銅はアクセサリーでも良いのじゃがな。

 それより、4陣の連中にはどの種類の武器が売れるか悩んでの。

 1陣の連中なら棍棒を作っておけば売れるのじゃが……」


 「武器の種類………盾でも売れると思うけど、4陣だと沢山売れるかは分からない。

 良い意味でも悪い意味でも、先の人達が居るから好き勝手に流れているのが4陣。

 中には盾を持たない連中もいる。もちろんソロじゃないからだけど」


 「このゲームは実戦に近いからか、盾を持っている方が有利である事が多いからの。

 特に破壊力低減の意味が大きいので、防御を固めて隙をみての一撃が上手く戦うコツじゃ。

 妾や珠みたいに避けて戦えるのは多くない」


 「避けて一撃。

 普通のゲームなら問題ないけど、このゲームは自分でする必要がある。

 思っている以上にしっかりとした技術がないと、上手く反撃が出来ない。

 もちろんちゃんと戦えてる人も居るけど」


 「そういった者は主に短剣などの短い武器を持っておるの。

 頭の中の妄想ならヒラリとかわして攻撃するのじゃろうが、現実にはそうそう上手くなどいかぬ。

 誰しも努力して身につけねば戦う事など簡単ではない」


 「短剣なら刺せば済むし、力を乗せやすい。

 棍棒であっても、攻撃した後の隙が大きいから、上手く戦わないと崩れた態勢を狙われる」


 「うむ。戦いとは攻撃前、攻撃中、攻撃後。

 どの状況であっても、隙を見せれば殺されるものよ。

 それ故に隙を見せず戦うというのは、そう単純な事ではない。

 如何(いか)なスポーツであろうと格闘技であろうと、戦うという事そのものが大変なのだ」


 本当の意味で戦うとは、相手の動きも把握して組み立てねばならぬもの。

 己だけが一方的に攻撃して勝つなどあり得ぬ。

 だからこそ盾を持って相手の攻撃を防ぎ、崩れた態勢の隙を狙って一撃を見舞うのだ。

 それが一番素人でも戦いやすいが故に。


 「確かに……って、剣?」


 「とりあえず適当に作る事にしたのだ。

 それぞれを売り出せば誰ぞが買うであろう。

 剣は棍棒に次いで使っている者が多いイメージがあるのでな、これなら売れるはずじゃ。

 ただ、この辺りの素材だと多く出回っておるし、少し個性を出さねばならぬか」


 そう言いつつ、妾はファルシオンを作製する。

 その後はシミターを作製し、スタンダードな両刃の剣を作った。

 その後はサーベルを作りて、最後にグレートソードで終わり。

 それらをプレイヤーマーケットに流す。


 次に棍棒じゃが、まずは球形メイス、モーニングスターと続き、フランジ刃のメイスを作製。

 更に棘棍棒を作った後で、金属バットを作製した。

 どこかの物好きが買うかもしれんでな。

 ついでに物干し竿みたいな棒も作って流しておく。


 3つ目は槍じゃが、これは簡単に思いつくのでパパっと作製。

 直槍に大身槍、十字槍に笹穂槍。

 最後に千鳥十文字を作って売りに出す。


 どうやらもう剣や棍棒が売れておるようじゃ。早いのう。


 次は斧じゃが、これは手斧、両刃斧、伐採斧、ポールアックス、(まさかり)を作製して売り出した。

 短剣は両刃の物、木の葉型の物、片刃の物、刺突専用の物、そしてソードブレイカーと作製して売り出す。


 盾はラウンドシールドにカイトシールド、タワーシールドにスパイクシールド。

 そして前から作ってやろうと思っておったスクトゥムを作って売り出した。


 作って思ったが、古代ローマの兵士も大変じゃのう。

 いや、本当に重いわ。


 後はマニカやグレアウェを作って売りに出し、2層目の素材である清浄塊で数珠を作って売り出した。

 清浄塊は他の物と組み合わせても良いので楽であるし、既にこのレベルの素材など装備には使わんからな。

 売り出しても問題ない。


 ―――――――――――――――


 サブ職業:錬金術師・中級のレベルが上がりました

 サブ職業:錬金術師・中級のレベルが上がりました

 サブ職業:錬金術師・中級のレベルが上がりました


 ―――――――――――――――


 それなりにレベルが上がってくれたものの、作った物の個数から考えるに少ない。

 それにいつもとは違って時間を掛けた上でのレベルアップじゃからな。

 やはり中級はレベルが上がり難いわ。

 とはいえ倉庫の素材も随分と減らせたし、その分だけ金銭が入ってくるであろう。


 売れ残った分は倉庫に入れて消去じゃの。

 どのみち売れなくなった武具など出していても仕方ないからな。

 強浄木や浄命石ならば十二分に売れるであろうが、あれらは妾達の装備の素材でもある。

 レベル190台の素材と考えると、大量に流していい物でもない。


 買いたい者は多いであろうし、その旨を書き込む者もおる。

 まあ、何度も書き込んだりなどの面倒な絡みでない限り放置しておるがな。

 あのレベルの物が簡単に出回るわけなかろう、と言えば終わる話でもある。

 当たり前じゃがな。


 そもそもじゃが過剰な装備なのだからして、まずはそれを理解してから言えという話じゃ。

 己で取りに行けん所の装備など欲しがるな、とも言いたいのう。

 もちろん欲しがっておる者は誰も強さや厄介さを知らぬのだがな。


 妾は既に慣れて飽きかけておるが、有象無象どもであれば死闘となる相手じゃ。

 そもそも童女達ですらチームを組んで戦っておるし、数が多いと苦しいからの。

 妾は数が来ても気にせんが、それは聖浄塊の小太刀があるからでもある。

 清浄塊では一気に大変になるからな、やはり装備というのは大きい。


 それはともかくとして、物作りも終わったしどうするかのう?

 まだそこまでの時間ではないんじゃよなぁ。


 溜め込んだと言っても、ずっと使っておらなんだ訳でもない。

 それなりには使って流してきておった。

 今日は一気に放出したが、それでも時間が長くかかるほどの量でもない。


 「時間が掛からなかったというか、まだ時間が余ってるのはナミが早すぎるせい。

 神様の速度で語られても困る。

 普通は反射の領域の速度で物作りはしない」


 「慣れてくれば考える必要などあるまい。思考せずとも作れるわ。

 職人とて物を考えずとも完璧な物を作っておった、という事はあるのじゃ。

 妾が同じ事をして文句を言われる筋合いなどない」


 「それは職人のやる事だけど、その職人だって何も考えていない訳じゃない。

 もちろん手や指が感覚を覚えてるって事はあると思うけど、ここはVR。

 間違いなく神様の力を使ってる」


 「使うておるかおらぬかと聞かれれば、使うておるがな。

 しかしそれは反射の領域で動くという事をしておるだけじゃ。

 人間の出せる速度、その領域ではあるのじゃぞ?」


 「その状態で自在に動ける人間は居ない」


 「まあ、それはのう……」


 アレじゃな。現代の巫女は満足したからか、妾と珠を明確に分けるようになったの。

 割とビシビシ物を言うようになった。

 妾に珠を重ねておったのであろうが、その錯覚が無くなったというのが正しかろうな。


 己の愛する男子(おのこ)と姿は同じでも、中身が違うと理解したか。

 抱かれて正確に理解するというのも沈女(しずめ)と似ていて、そんな現代の巫女を見ておると苦笑いすら出んな。


 実にアレとよう似ており、それはすなわち妾とも同じであるが故にじゃ。

 鏡を見ておるようで嫌になるわ。


ハイファンタジーに「元奴隷闘士のおかしな狩猟生活」という作品を投稿しました。宜しければご一読下さい。

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