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0835・薬の素の素材採取




 ファルが来たので食堂に行き、朝食を食べたら素材集めに出る。

 いつも通りに巡って行くと、ウェズベア森で無双している艶女(えんじょ)組がおった。

 あやつらいったい何をしておるのだと思うも、どうにも一撃での倒し方を見せておるようじゃ。


 なかなか様にはなっとるし、上手く見せられておるのでなかろうかの?

 妾は派手に見せるような事はせぬ故に、ああいうのは不得意なのじゃ。

 どうしても無駄な動きをしておるようにしか思えぬでなぁ……その動き自体が気に入らんのだ。

 なので、おかしな動きをする事は無い。


 「おっと、まさか見られてるとは思わなかったぜ。

 これもオレ達の仕事って事で勘弁してくれ」


 「いやいや。

 僕は見せる動きって出来ないから、素直に関心するくらいだよ。

 見せる動きって、どうしても戦いにおいては無駄だからね。

 こう、最速最短でないとイラッとしてしまうんだ。

 なので出来なくてね」


 「まあ、コトブキは無理だろうなぁ。

 最速最短で殺しに行くからさ。

 無駄な動きなんて相手をワザとおちょくる時ぐらいしかしないだろ。

 そのおちょくりだって可能な限り無駄な動きをしないからな」


 「色々な意味で規格外過ぎてどうにもならないわね?

 流石は、と言うべきなのかしら?」


 「そうじゃねえか?

 オレ達より<剣刀士>の方が詳しいだろうが、どのみち……なんだソレ?

 攻撃力50ってどうなってんだ?」


 「ああ……コレは昨日作ったところの物だよ。

 意外によく見てるんだね。

 早速見つかるとは思わなかったよ」


 これは素直に妾は称賛しておる。

 なかなかどうして人というのは周囲を見ておらぬものよ。


 つまりテツオはしっかりと周囲を観察しておるという事になる。

 それだけでも優秀と言えるからのう。

 気づかぬ者は、とことん気づかぬし。


 「昨日は刀だったのに、今日は真っ直ぐの……直刀? だからな。

 最初は剣を持ってんのかと思って確認したんだが、直刀って出て驚いた後、性能を見て更に驚いたんだよ。

 ちょっと異常過ぎないか? それ」


 「攻撃力50を超えて、【アンデッド特攻14】に【常時浄化11】。

 しかも汚れが弾かれる武器とか……それ盾にすると色々と凄そうね?

 もしかして臭いブレスが効かなくなる?」


 「それは緑魔鉄の【悪臭耐性】じゃない?

 いや、浄化だと消臭になるのかな?」


 「消臭装備は優秀だと思うけど、あんまり臭いゾンビって多くない。

 最初の方は居たけど、後のアンデッドって綺麗なのばっかりだし」


 「天使の星のアンデッドはすげー臭いらしくって、めっちゃ嫌われてるらしいけどな。

 こっちのアンデッドはそうでもないのか。

 何か理由があんのかね?」


 「骨系が多いのと、後さっきも言ってたけど綺麗なアンデッドが多い。

 それもあって変な臭いのアンデッドってあんまり見た事ないわねえ」


 妾の仲間達は常に仲間内で綺麗にしておるから臭くないしのう。

 それに割とセスが綺麗好きなんじゃよなぁ。

 スケルトンで綺麗好きというのもよう分からんが、とはいえ綺麗にしていて悪い事は無い。

 なので放っておる。


 「召喚モンスターの場合は放っておいても自分達で綺麗にしていますしね。

 むしろ汚いのは敵アンデッドぐらいでしょう。

 それでも臭いのは確かに少ないですね」


 「オレ達もそういや、あんまり汚ねえアンデッドって見かけねえな?

 くせーのはむしろ、ここにも居るトレントだしよ。

 アンデッドに臭いイメージが無いって珍しい、のか?」


 「珍しいんじゃない?

 っと、またおかしなのが絡んできてる」


 「あいつらみたいなの本当に懲りるって事を知らねーよな。

 すまねえ、オレ達はちょっと行ってくる」


 「いやいや、何とかする方が大事だろうからね。

 どうぞ、どうぞ」


 そう言ってテツオとマールを送り出した妾は、そのまま皆とウェズベア森で素材集めをする。

 妾はアマロの浄化浸透薬の為にも素材の採取を皆と進めた。

 早く狂死塊を聖浄塊にしてほしいからの。


 それになかなかどうして多くの種類の薬に使う素材がここにはある。

 珠の記憶を掘り起こすと、元々ここにはそういう薬の素が多かった。

 珠も妾も気にしておらなんだがな。


 それらを採取しつつ戦っておると、離れた所で必死にウェルズベアー・エリートを倒そうとしておる者がおった。

 どうやら魔法で一撃死を狙っておるらしいが、それって無理じゃろ。

 あれは物理で首を刈るから出来るのであって、魔法で首を刈れるのか?


 妾は魔法よりも物理寄りじゃから分からぬが、無理だと思うのだがの?

 それとも何かしらの方法でもあるのであろうか?

 そちらをジッと見ておったら現代の巫女が近づいてきた。


 「………魔法で一撃死を狙ってる?

 流石に無理だと思うけど、何かしらの方法はありそう。

 ただし今のレベルで出来るか不明だけど」


 「じゃよな?

 妾も今使えるものを頭の中で列挙したが、一撃死を狙えそうなものは無かった。

 じゃからこそ、アレは無理だろうと思うのだが………」


 「出来ない事をやろうとしてるんだと思うけど、おそらく近接戦闘に自信が無いんだと思う。

 でないと魔法で一撃死なんて狙わない。

 唯でさえ、このゲームは近接と魔法が両方できるゲーム。

 なのに近接で対処しないって事はそういうこと」


 「下手ならば下手なりに頑張ればいいと思うのだがの?

 魔法に逃げておっては、いつまで経っても上手くならんぞ」


 「ああいうのには何を言っても無駄。

 間違った方向に努力する者は必ず居る」


 「間違った方に努力する、のう………。

 確かにそんな感じじゃな」


 妾と現代の巫女はそっと離れたが、あれなら【身体強化】と棍棒での攻撃で一撃死を狙った方が良いじゃろうに。

 アレならそこまでの技量も必要とせぬ。

 その程度の努力もせんのではな、話にならんわ。


 とはいえ魔法特化型というのは妾も知らぬで、その特化型ならば出来る事が色々とあるのかもしれんとは思う。

 しかし今のところは出来ておらぬ以上、無理なのであろうな。

 出来るならば、とっくに倒しておらねばおかしいのだし。


 その後も妾達は採取を続け、時間になったら家へと戻った。

 童女達も結構な量を採取したようじゃ。

 今日は嫌がらせのヤツもおらなんだからな。


 ソファーの部屋へと戻った妾はマイルームへと飛び、ラスティアとキャステイ以外を戻してソファーの部屋へ。

 ファルを呼んだら昼食にし、マイルームへと戻ったらアマロに売る分をプレイヤーマーケットに優先付きで流してメッセージを送る。


 終わったら精錬などをし、それも完了したらソファーの部屋へ。

 童女達も居たので話しつつ、ファルが来るのを待つ。


 「カンカン」


 ファルが来たので食堂へ移動し、昼食を食べたらソファーの部屋からマイルームへ。

 そしてログアウトして現実へと戻る。




 キッチンに移動して昼食作りを始めると、童女も来たので2人でささっと作る。

 そして出来上がった昼食を食べながら、テレビをつけて昼の番組を流す。


 「ここ最近全国で多くの党員の方々がコ〇ナで亡くなっており、中央を支援できないという言葉がよく聞かれるのです。

 我々もどうしていいか分からず……こんな事は初めてですよ」


 「そうなのですか。

 御党は全国の党員の方々と、御党の機関紙の売り上げが大きいと聞きますが………。

 それも減っておられるのでしょうか?」


 「はい。急激に減少しており、我々は支援の手を求めています。

 皆様、なにとぞ宜しくお願い致します」


 「でも680円のステーキ定食は無くさないんでしょ?

 まずそういう所から見直すべきなんじゃないの~?」


 テレビ番組では邪悪な組織の連中が、お前らの身を切る方が先じゃろうと言われておる。

 ま、当たり前の事過ぎて呆れて来るくらいじゃの。


 とはいえテレビ番組で泣き言を言うくらいじゃから、それなりには効いてきたのかもしれんの。

 このまま順調に減らしてから、中央の者どもを最後に処分。

 これで(とど)めを刺してくれる。


835話の誤字報告、ありがとうございました

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