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0833・新素材とその性能




 神官どもへの愚痴は横へ置いておき、妾はせっせと強浄木を作製していく。

 とはいえそこまでの数はなく終わったので、次は憤死石の品質上げに取り掛かった。

 こちらもそこまで数はなく終わった為、その後は即殺鎌へと続く。


 珠の師は先に品質を上げてから【融合】と【合成】をし、そして浄化せよと言うておった。

 しかし先程の瘴濁木の事を考えると、こちらもかなりのMPを消費するのは目に見えておる。

 となると浄化前に全回復しておくかな。


 妾は品質を10にし終えた後、憤死石と即殺鎌を【融合】して【合成】。

 そして完成した素材がコレじゃ。


 ―――――――――――――――


 <石・骨> 死殺石 品質:10 レア度:6


 憤死石と即殺鎌を合成した物。

 石か骨となっているものの、やはりその正体は不明。

 いったい何で出来ているのかは分からないが、非常に危険な雰囲気を醸し出している


 ―――――――――――――――


 「まあ、憤死鬼と即殺鬼の素材じゃからの、危険な雰囲気を(かも)し出しておっても普通であろうよ。

 あやつらアンデッドとしては普通以上に剣呑(けんのん)な感じじゃったからな」


 そんな事を口にしつつ【昏睡眠】で全回復した後、妾は死殺石の浄化を始めた。

 未だに【セイントクリア】が最高の【浄化魔法】である為、出来得る限りMPを注ぎ込んで浄化するが、なかなか終わらぬ。


 必死になって浄化をすること数分、やっと浄化し切ったらしく色が変わった。

 残りMPは………1割を切っとるな。ゲージ的に言えばそれぐらいじゃ。


 尋常ではない消費量じゃが、レベル190台の素材と考えれば仕方ないと言うしかないか。


 ―――――――――――――――


 <石> 浄命石 品質:10 レア度:7


 死殺石を完全に浄化し、その死と殺が反転した素材。

 石となっているが、やはり石ではなく正体は不明。

 強力な浄化力を持っており、対アンデッド製の武具の素材にされる事が多い。

 たまに神殿の装飾の素材にも使われる


 ―――――――――――――――

 ―――――――――――――――


 サブ職業:錬金術師・中級のレベルが上がりました


 ―――――――――――――――


 「また神殿か………。

 それはともかく、これで良い物が出来なければ使う価値がないという事になるの。

 どんな物が出来るかは分からぬが、敵のレベルがレベルじゃ。

 期待しておるのだが、果たしてどうなる事やら………」


 妾は再び【昏睡眠】で回復しつつ何を作るか思案する。

 童女達にはああ言うたが、実際には車太刀を作っても構わんのだ。

 何故ならここはゲームの世界であり、抜き身で持ち運べる為、抜きにくさなどは考慮する意味がない。


 更には持ち運びの不便さなども考える必要は無いのだ。

 なれば好き勝手に作っても構わんのだし、だからこそ何を作るか悩む。

 車太刀は反りが深い故に切れ味が鋭いが、その反面太刀以上に突きが使いにくい。

 というかほぼ使えん。


 それはそれで不便なのじゃよなぁ………

 戦いにおいて手が一つ減るというのは好ましくない。

 できれば多くの手を持っておきたいのが戦いというものよ。


 ただ珠は【剣術】のスキルを持っておらんので剣は使えんのだ。

 なので刀を作るしかない。


 回復が終わったので起き上がり、そして考える。

 たまには直刀を作っても良いなと思いついた妾は、早速とばかりに強浄木を持って形を変えていく。


 直刀とは真っ直ぐの刀であり、反りが全く無い刀の事を言う。

 刀は必ず反っていなければならぬ訳ではなく、古い刀はそもそも反っておらぬ。

 なので真っ直ぐの物が元々は主流であった。

 反りが入ったのはその後じゃ。なので直刀の方が古い。


 俗に忍者刀などと言われておる物は、直刀の事を言う。

 その直刀に長い紐を着けたり、あるいは鍔を四角く足を掛けられるようにした物。

 つまり更に小道具などを付け足した物を、俗称として<忍者刀>と呼んでおるだけなのだ。


 つまり忍者刀などという物は俗称であり、正式名称で忍者刀という物は存在せぬ。

 そも、正式名称で忍者刀という物があったとして、それを忍者が使うのか? という話でもある。

 表に出てはいかん忍者が左様な物など使うはずがあるまい。


 あれらは目立ってはいかん立場であり仕事じゃ。

 その者どもが、あからさまに目立つような事をするはずが無い。

 むしろ仕事的に絶対にやってはいかん事であろうよ。

 現代には忍者がおらんのでああなるのであろうが、目立つ事はご法度である事を忘れておるのであろうかの?


 海外のNINJAならばともかく、日本人の忍者観も色々とおかしい事になっとるしな。

 たとえば黒い装束を着た忍者とかの。

 あんな目立つ格好をするはずがあるまい。

 言い訳が出来るように町人と同じ格好をしておるに決まっておろう。


 それに黒い装束を着て潜入などほぼせぬし、入り込む場合は下働きなどとして入り込むのだ。

 夜闇に紛れて侵入など目立って仕方あるまいに。

 何故ああいう事をすると考えるのか理解できん。


 「っと、下らぬ事を考えておる間に完成したのう。

 …………うん、まあ、そうであろうな」


 ―――――――――――――――


 <刀> 強浄木と浄命石の直刀 品質:10 レア度:7 耐久1840


 強浄木で直刀の木刀を作り、刃の部分に浄命石を被覆した直刀。

 屍人の森の深層三層目の素材を用いて作られただけあり、非常に高い性能を持つ。

 それも元の素材になったアンデッドが高レベルである為、高い浄化能力も併せ持っている。

 その浄化能力は血脂などの汚れを完全に弾くほど

 攻撃力51 破壊力1 アンデッド特攻14 常時浄化11 生命浸透


 ―――――――――――――――


 うん? またもや変なものが付いとるぞ。

 【生命浸透】とはなんじゃ? 生命力の事か?


 ………よう分からんが、字面的には浄命石の方がなんぞの効果を(もたら)しておる気がするのう。

 生命力が使いやすくなるのであれば、死王を相手にする場合に重要になってくるぞ。


 「あの者が屍人の森に居を構えておるのは、もしかして“そういうこと”か?

 それならば重要NPCとやらが、あんな辺鄙(へんぴ)な場所におるのも分からぬではない。

 死王には生命力の篭もった攻撃が良く効くようじゃしな」


 なんとなくじゃが、その辺りが見えて来た感じか。

 もちろん妾の妄想である可能性はあるのじゃが、そこまでおかしな想像ではあるまい。

 わざわざ魔女という定義すら作り出した者が、屍人の森などというアンデッドの巣窟に結界を張って制御しておるくらいじゃ。


 どう考えてもおかしいのだからして、これぐらいの物が作れるからという理由はありそうではある。

 聖人も魔女も死王との戦いには参加するみたいじゃしの。

 それなら武具の生産拠点や素材の出元は重要であろうよ。


 ―――――――――――――――


 <杖> 強浄木と浄命石の錫杖 品質:10 レア度:10 耐久1880


 強浄木と浄命石を使って作られた錫杖。

 杖部分は強浄木に浄命石を被覆した形で作られているが、環の部分は浄命石のみで作られている。

 この武器は素材の高い浄化能力を更に強化しているものの、錫杖と呼ばれるこの武器は稀人しか知らない

 攻撃力48 破壊力6 アンデッド特攻14 常時浄化11 生命浸透 浄化力強化


 ―――――――――――――――


 「むぅ………元々は確かに不浄を祓う物だとも言われておるがのう。

 まさか【浄化力強化】なるものが付くとはな」


 これは色々と考えねばならんかもしれんのう。

 ヴァジュラとか作れば浄化効果は上がるか?


 じゃがアレ、元々は聖人の骨で作ったと言われておるからのう。

 それに勝手に作るとインドラが怒るかもしれん。

 止めておくか。


 これで素材は無くなったので終わりじゃが、小物を先に作った方が良さ気じゃな。

 まずは皆が瘴気に汚染されんようにしなければならん。

 明日手に入れた素材は全て皆のアクセサリーに回すか。


空想科学カテゴリの「悪魔が来たりて進歩する」が40話を超えました。宜しければご一読下さい。

https://ncode.syosetu.com/n2381mm/

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