0829・狂死鬼との戦い
一対一で即殺鬼を倒した妾はインベントリを覗く。
すると、即殺鬼のドロップアイテムが入っておった。
おったのだが………これはどう考えるべきなのじゃ?
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<骨> 即殺鎌 品質:7 レア度:6
即殺鬼の鎌部分。
一応骨に分類されているが、骨で出来ているという風に分類されているだけであり、実際に何で出来ているかは不明。
上手く使えば、瘴気耐性装備の素材に使える。
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「一応、骨に分類されている。のう………」
「確かに何で出来ているのかは、見た目じゃ判然としないな?
そもそもあの鎌が何で出来ているかとか、興味もねーし、どうでもいいのが本音だけどさ」
「それにしたって、よく分からない素材が多いわね?
一応石とか、一応骨。
この辺りまで来ると最早こういう感じになってくるのかしら?
それともここのアンデッドがちょっとおかしい?」
「どちらかと言うと、ここのアンデッドがおかしいんだと思うわよ。
だって何か分からない物で出来ている、なんていう鑑定結果を見たのは初めてだもの」
「ですね。正直に言って、こんな鑑定結果は見た事がありません。
何で出来ているか分からないなんて………。
それに、そもそもここで出て来る憤死鬼や即殺鬼。
おそらくは<屍人の森>にしか出て来ないと思います」
「ボクも見た事ないねー」
「私も無いな。
おそらくだが【純潔】の言う通り、ここでしか出て来ないアンデッドなのではないかな?
珍しいアンデッドに見た事もない素材。
それにレベル200間近ともなれば、相当に良い物が出来ると思うよ。
それだけの技量があれば」
「そうね。
ここまでのレベルともなれば、最早ナミの腕じゃ使えない可能性すらあるのよね。
何故か私達は勝ててるけど」
「勝ててるけど辛いし、一戦一戦が厳しいと言わざるを得ない。
レベルを上げるだけなら手前の二層目の方が効率が良い。
ここは敵が強すぎて効率が悪いと思う。でも、武器一つ分の素材は欲しい。
そうすれば二層目のレベル上げも捗る」
「そうですね。
ここの素材で作った武器があれば相当に楽になるかもしれません。
ただしナミが扱いきれれば、という条件が付きますが」
「幾らナミの技量が凄くても、レベルで制限を受けている可能性もありますしね。
必ずしも成功するとは限っていません」
「そうじゃの、それに関しては妾でもどうにもならん。
じゃからして、駄目なら諦めるしかないの。
それにこれらの素材を使って何が作れるかは不明じゃ。
瘴気耐性装備と出ておるし、耐性装備しか作れぬかもしれん」
「耐性………つまり防具かアクセであり、武器が作れない可能性があるってわけか。
確かに鑑定には耐性装備って書いてあるんだよな。
とはいえ武器もいけるんじゃないかと思うけど」
「妾もそう思うが、こればっかりは作ってみるまで分からん。
もしくは珠の師に聞くかじゃな。
おそらく聞いたら教えてくれるであろう」
「<破滅>なら教えてくれると思うけど、それより必要分の為にはもっと戦うしかないわね。
それに、ここも3種だとしたら後1体知らないアンデッドが居るはずよ」
「ですね。それがどんな者か分かりませんが。
相当に厄介な可能性もありますし、慎重に戦いましょう」
キャスティの言葉を最後に再び辺りを窺いながら先へと進む妾達。
そんな妾達の前に再び憤死鬼が現れた。
とはいえ今回は一体だけだったので妾も加わり始末。
やはり硬いが、それでも刃が入らぬほど硬いという事は無い。
倒した妾達は先へと進み、そしてソイツは現れた。
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<狂死鬼> アンデッド Lv198
怨みと憎しみが凝縮して生まれたアンデッド。
生ある者に対し狂ったように暴れる事から、その名が付いた。
普通の人型だが、最大の特徴は狂ったように撒き散らす瘴気。
危険なので近づかずに倒そう
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「あやつが撒き散らしておるのは瘴気じゃ。
不用意に近づくな、特に妾とアマロの召喚モンスターは注意せい!」
「常に瘴気を撒き散らしてるとか、どうかしてるぜ!
この森が瘴気塗れなのってコイツの所為か?」
「奥にもっとトンデモないのが居るでしょうから、こいつだけの所為じゃないでしょ。
どうせドラゴンゾンビとかスケルトンドラゴンとかが居るわよ!」
「それより誰かが前に出る必要がある。
じゃないと危険」
「当然、妾が出るに決まっておろうが! 斬り倒してくれるわ!」
そう言って清浄塊の刀を持ちて前に出る。
正眼の構えからにじり寄っていくが、狂死鬼はいきなり突撃をしてきた。
狂ったように暴れると説明にあったが、どうやらその通りのようじゃな。
「ぬ?」
「!!!」
狂死鬼が暴れるような形で妾に殴りかかってくるが、妾はそれを横っ飛びで大きく回避する。
それでもそこまで横には飛べなんだ。
なるほど、こやつは三層目で一番厄介な相手じゃ。
ほんにここのアンデッドは強いと言えるのう。
「こやつの近くには瘴気が出ておるが、厄介な事にその瘴気が体の動きを邪魔してきよる。
迂闊に近づくと、動きが悪くなっておる間に殴り殺されるぞ」
「マジかよ。
もしかしてコイツと即殺鬼のコンボで殺される可能性が高いんじゃねえの?
だって動きが悪いところに、あの鎌が飛んでくるんだろ?
敵が複数の時の方が各段に危険じゃねえか」
「確かにそうじゃ、の!!」
妾は襲ってきた狂死鬼の右拳を外側にかわし、【身体強化】と【魔仙練体】を使って強引に加速。
下から斜めに斬り上げる形で右足を斬り飛ばした。
腕はともかく、足を斬られれば簡単には動けまい。
それに、こやつ即殺鬼と同じぐらいの硬さしか持っておらんな。
やはり憤死鬼が特別硬かっただけか。
それでも片足で立ち上がり妾に向かってくるが、殴りかかってくるのをかわすと倒れる。
当然その隙を逃す妾ではなく、起き上がろうとしている狂死鬼の首を刎ねて倒す。
こやつは撒き散らす瘴気が厄介なだけじゃの。
「お疲れー。
流石はナミだと思うけど、常に瘴気を撒きちらすアンデッドっていうのも恐ろしいわね」
「お疲れ様。憤死鬼や即殺鬼と比べて楽?」
「そうじゃの。
瘴気を撒き散らす以外には、狂ったように襲ってくるだけじゃ。
誘導もしやすいので一番楽な相手と言えるのう。
それと今だから言えるが、瘴気耐性付きの防具であれば体の動きを邪魔されんかもしれん」
「ああ。耐性付きの防具を付けてないのか……」
「うむ。
防御は火炎龍樹とクリムゾントータスの物より落ちるのじゃよ。
ここ三層目の木を斬り倒してみぬ事には分からんが、良い木材が無いのであれば、ここの素材が良すぎて性能が落ちるかもしれん」
「なるほど、そういう事もあるのか。
組み合わせによってなんだろうが、<錬金術師>も厄介だな」
「どの職業であっても厄介でしょうよ。
それはともかく伐れる木があるか慎重に探してみましょう。
さっきの狂死鬼は色々とヤバいから慎重にね」
「ここは瘴気で攻撃してくるアンデッドが居ないから楽だけど、二層目みたいに瘴気で攻撃されてたらマズかったよ」
「そうですね。
瘴気を飛ばす攻撃とかやってきていたら、特にマズかったと思います。
それでも盾で防げば何とか……と思いたいですけどね。
どうなるかは分かりません」
「そこが怖いですね。
盾で防ぎつつ【浄化魔法】で援護でしょうか?」
「それが一番いい。
ナミと同じ事は無理だから、私達は盾を援護するのが一番。
とにかく盾役が居ないと壊滅する」
そうならぬように努力せよと言いたいが、とはいえここのアンデッドは今の妾達にとっては強敵じゃ。
それは間違いない。
妾的にはもうちょっとヒリつくと良いのだが、贅沢は言えんな。




