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0820・運営さん達47




 2001年 2月3日 土曜日



 『本日は武術大会の日ですが、続々とプレイヤーが参加しています。各地では有力者に出場を打診されたプレイヤーもおり、それなりには名声値を獲得する者が現れると思います。元々あったプレイヤーに関しては、期待外れの結果だと下がりますが……』


 「そればっかりは仕方なかろう。そもそも結果が出せないのが悪いと言えば、それで終わる話でしかない。名声というのは、そうやって上がったり下がったりするものだ。現実でも変わらんよ」


 「ですね。芸能人だろうが著名人だろうが変わりません。裏で何かあったのか、いきなり言説を変えて顰蹙(ひんしゅく)を買う人も居ますからね。特にコメンテーターとかいう連中」


 「神様の言う邪悪な思想と繋がったのか、いきなり180度変わるヤツとかいるからなぁ。SNSでも話題になったりするが、あからさまに金か何かで言う事が変わってるヤツ。あれって国民を上手く洗脳できると本気で思ってるのかね?」


 「あからさまにおかしな連中って居ますからね。特に自称リベラルとかに。あれってどう考えてもリベラルじゃないですし」


 「どう考えても違うだろ。神様の言う邪悪な思想、そいつらの裏側からプンプン臭ってくるしな。というか暴力革命を肯定している時点で、正体を隠す気が無いと思うぞ?」


 「はいはい。現実のクソどもはどうでもいいですから仕事をして下さいね」


 「今は準備中というか、まだイベントが始まってもいないからなー。そして監視していても異常は無いし、各AIからも異常は報告されていない。なら今は待ちの状況だ。武術大会が始まれば変わるが、今は嵐の前の静けさみたいなものだな」


 「嵐になるかどうかも分かりませんけどね。それでも嵐になるかもしれないという警戒はしていますよ。ただ実際に始まってみないと分かりませんからねえ……」


 「出来る事にも限界はあるわな。それはともかくとして、そろそろ始まりそうか?」


 『そろそろフェルテス帝国はバッソの町で始まります。ここが一番早く開幕しますので』


 「おっと、剣の聖人のところか。フェルテス帝国はギリギリで踏ん張っているという風に見えているが……」


 「今もって帝国の力は甘くないですからねえ。弱っているフリで返り討ちにする機会を待っていますし、周辺国はそうじゃないかと疑って攻めない。とはいえ武術大会で優秀なプレイヤーが居ると? ってなりますけど、そんなプレイヤー出てきますかね?」


 「無理じゃないか。この時にフェルテス帝国に攻め込むフラグを立たせるには、優秀なプレイヤーが複数いるか、それとも突出したプレイヤーが一人いるかだ。どっちも天使の星では難しいな。良くも悪くもスタンダードなヤツが多い」


 「悪魔の星はこう、ちょっと斜め上の連中が多いですからね。天使の星にも居ない訳ではないんですけど……」


 『ブラッディアにて武術大会が始まりました。プレイヤー<ナミ>が女王の要請を受けて参戦しています』


 「おっと、神様が出て来たか。さて、どうなるのやら?」


 「楽勝で予選は突破するでしょう。というか、決勝でも余裕で終わりだと思いますよ?」


 「だろうが、しっかり見ておかないとな」


 …

 ……

 ………


 「神様は楽勝で予選を突破して、これから本戦が始まるのだが……」


 「余裕に次ぐ余裕って感じでしたね。突破出来て当たり前というか、何の問題もなく突破しましたよ。当たり前すぎて面白味の無い予選でしたね」


 「まあ、そうなんだが………ああ、そうか。参加要請されている場合、実力者と当たり続ける仕組みになってるんだったか」


 「そういえば、そんな仕様だったような……。どのみち神様だと余裕で突破して終わりでしょうし、そこまで盛り上がらない気がしますよ」


 「そんな事は無いと思うんだが………変だな? 神様がまったく攻めずに守ってるぞ。防戦一方なのはおかしいだろ」


 「そうですね。防戦一方なのは絶対に!? ………なんですかね? さっきのは」


 『人間用のモーションプログラムにおいて、意識の無い一瞬を狙われています。おそらく達人の剣術を収録したデータの中にある、<無拍子>を使ったのでしょう』


 「神様が当たり前のように達人技を放って終了か。何だろうな? 玄人にはとんでもなく価値がある試合内容だが、素人的には盛り上がらない感じか。画面映えがしないし」


 「そんなSNS蠅じゃないんですから、そこは考えなくていいのでは? あと、玄人好みの試合好きですよね?」


 「超が付くほど好みだな。出来ればスローとかでじっくり見たい派だよ、私は」


 …

 ……

 ………


 「で、二回戦は私でも分かる一撃だったが、難易度が非常に高い技を、こうもあっさりとやってのけるとは………。流石は神様と言うしかないな」


 「<燕返し>なんて初めて見ましたよ。あんな技なんですね。ちょっと驚きですけど、切り上げで相手を切り裂くって尋常じゃないような……。だって普通は力があまり乗らないでしょ」


 「それが乗るから<燕返し>なのさ」


 …

 ……

 ………


 「準決勝でバカな貴族の息子だったが、普通にぶった切られて終わったな。情け容赦なく切り捨てて終了か。ある意味で手抜きだが、お前なぞこれで十分という感じがビシビシ伝わってくるぞ」


 「ええ、正直に言って手を抜かれて殺されるって、本来なら最高に屈辱ですよね。この子息の性格設定上、全く理解していないでしょうけど」


 「していないだろうなぁ。まあ、後で出てきてぶった切られて死亡だろう。神様の相手になるようなヤツじゃない。鎧袖一触で終わりだ」


 …

 ……

 ………


 『報告します。プレイヤー<ナミ>から理解不能な何かが放出されています。繰り返します、プレイヤー<ナミ>から理解不能な何かが放出されています。その所為で<孤独のユイファ>が非常に強い恐怖を感じています』


 「セントラルが理解不能って事は、設定もされていない何かで恐怖を感じているってこと? いったいどういう事なんだ?」


 「あーあー、何の反応も出来ずにぶった切られたぞ。神様が何か神様パワーを使ったのかもしれん。というか、それで設定されていない事をしないで頂きたいのだが………。神様相手に文句を言っても始まらんか。出来れば2度と使わないでくれると助かる」


 「自分も同感ですけど、それは神様に言わないと駄目でしょう。それにセントラルが理解不能なものを止めてくれとは言えませんよ? 証明できないでしょうし」


 「そうか、それがあったか。証明できないものを止めてくれとは言えんな。それよりセントラル、何があったかの特定は出来るか?」


 『不可能です。まず痕跡がありません。先程は確かに理解不能な何かが放出されていたはずですが、今は何もありません。そして各種計測にも何も反応がありませんし、過去のデータを(さかのぼ)っても記録にありません』


 「記録されていない……か。本当に神様パワーの何かをされたという事なんだろう。記録されていないなら証明は無理だな。諦めるしかない」


 「とんでもない事になりましたね。神様が相手じゃ仕方ないんでしょうけど」


 「確かにそうだな」


 …

 ……

 ………


 「さて、子息がブチ殺されて親が出てきたわけだが………クリムゾントータスの甲羅と火炎龍樹で出来た太刀でも弾くか。流石は【血式魔法】の【血連爪鎧】。伊達に上位の【血式魔法】じゃないね」


 「確かに弾いたが、神様も全力全開で斬った訳でもないしな。まだ勝てないと決まった訳ではあるまい。最悪は親衛隊が捕縛して終了だが、そうはならん気がするぞ?」


 「しかし突破が出来ないのであれば無理では?」


 『プレイヤー<ナミ>が自ら魔力と闘気と仙力と心力を混ぜ合わせています。いえ、元々から使えるのでしょうか? 自らの力のみで【魔仙術】の【剛体強力】【致命破山】【天地融合】を習得しました。おそらく使用します』


 「「え?」」


 『プレイヤー<ナミ>が三種の【魔仙術】を用いましたが、瀕死ながら生きています』


 「い、いやいやいやいやいやいや、なんだあれ!? あんなの設定してた!?」


 「………うわぁ、これ間違いなくロマン砲だぞ。というか自爆技だったのを、強制的に別の【魔仙術】で防いでるのか。その所為か酷い一撃だな」


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『プレイヤー<ナミ>が自ら魔力と闘気と仙力と心力を混ぜ合わせています。いえ、元々から使えるのでしょうか? 自らの力のみで【魔仙術】の【剛体強力】【致命破山】【天地融合】を習得しました。おそらく使用しま…
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