0818・運営さん達45
昨日の投稿は815話となります。投稿を忘れていて申し訳ございませんでした
2001年 1月28日 日曜日
「なんと言うか、聞いていれば聞いているほどに混乱してくるな。そもそも、この話は我々が聞いてよい事なのか? 何か聞いてはいかん事が目の前で話されているような………?」
「でも聞き逃すと、もっととんでもない事になった時に対処できませんよ? 聞いておくしかないのでは?」
『心配は要りません。全てこちらで録音録画をしています。なので、後で確認する事が可能です』
「ああ、うん。その一言で現実なのだなと引き戻された。後で確認できるなら間違いなく現実だろう。何というか、あまりに実感の無い事を喋っているのでな」
「仕方ありませんよ。あんな事を聞いて、それでも現実だと地に足をつけるのは難しいです。だって<イザナミ>神が現実に居るっていうのがね……」
「<シズメ>と聞こえているのは人の名前か。しかもその女性に<ヤマツチ>とやらを通して子供を産ませた? それはつまり神様そのものが降臨していた時代があるという事か? 事実なんだろうが、証明できれば大ニュースになるな。証明できれば」
「絶対に無理でしょう、そんなこと。しかも産ませた子供を覡にするとか……。流石は神様だとしか思えないわね、完全に思考がブッ飛んでる。まあ、そういう時代ならむしろ誉なんでしょうけどね」
「非常に古い時代だ。今とは倫理観が違って当然だし、神の子だからな。西洋でいうところの聖母マリアみたいなものじゃないか? 神の子を産んだわけだし」
「確かにそうかも。そう考えれば、その<シズメ>という人は立派な事をしたと言えるのかしらね? ………いや、双子が生まれて、片方に才能のほぼ全てを偏らせるってどういうこと?」
「そんな事が出来るという時点で、物凄く神様だな。しかも神降ろしが出来る才能を確保する為に意図的に偏らせているとは……。というか、彼も物凄い才能の持ち主なんだがなぁ……」
「姉の方の才能は確かに凄いんですけど、神様が降ろせる事と比べてどちらが凄いかと言われると………」
「どう考えても神降ろしだろ。姉の方の才能は、神様が言う通りしょせんは人の持つ才能。神降ろしの才能は、神の子の系譜たる彼しか持てない。っていうか、神の子の系譜って皇族と同じって事か………?」
「…………あれ? それってマズくないですか?」
「………ここは聞かなかった事にしよう。どうせ証明できないしな」
「そうですね。それが一番いいです。世の中には聞かなかった方が良かった事なんて、山のようにありますから」
『後で確認する事は可能です』
「そこはセントラルに言われても確認しないかなぁ………」
「確かに神様の言う通りだな。彼の心が壊れかけたのだとすると、植物状態に近い。そんな状態の人を入院などさせてみろ、時間が経つごとに筋力などが落ち、まともな生活など出来なくなる。そうなるくらいなら神様が肉体を使っていた方がマシか」
「ですね。それにしても色々とありすぎて、頭の中がパンクしそうですよ。流石に現実に持ってくるには設定が凄すぎて……」
「確かに神様が我々のゲームをするというのも、変な気分だな?」
「ですねぇ」
…
……
………
「流石は神様というところか、クリムゾントータスが二撃で倒されたぞ。そのうえ、それで納得しないとは……」
「どうしても一刀で切り伏せたいみたいですね? それが出来れば完全に乱獲なんですが………彼でさえやりかねなかったのに、神様だと余計にやりそう」
『便宜上自ら言っていたので、プレイヤー<ナミ>と呼称しますが、あの人物の動きは完璧です。どこから考えてもミスと言える部分が一切ありません。計算上、完璧な威力が乗っています。それ以上となると、私でも計算不能の領域です』
「セントラルの計算が効かない領域があるのか……。もはや人間がどうこう判断できる領域の話じゃないな。というか雛形として生み出したゲームに、なんという情報をブチ込んでくれるんだ……」
「アレがラスボスに流用できるともなれば、プラスの量は尋常ではありませんけどね。むしろ会社にとっては破格とも言えるプラスですよ。達人の動きでさえ簡単には手に入らないのに、神の動きを記録できるんですから」
「まあ、そう考えれば理解は出来るか。本来ならば結構な金額の謝礼を払わなければ得られんからな。それぐらい達人の動きというのは凄まじいのだが……」
「人間が出来る動きを超えているんでしょうね。そこに使い道があるのかは別ですが……」
「あれだな。今回と同じく勝てない師匠、あるいは最強の騎士の動きとかに利用するか? それか剣聖と呼ばれる人物の動きなどだな。少し考えるだけでも、かなりのキャラに流用できるんだが……」
「何か問題が?」
「私も一人の日本人なんでなぁ。神様の動きを勝手に流用していいのかという思いは無いではない」
「あー………それは確かに」
『唯の動き、モーションデータなのですから、問題ないのでは? 利用規約にもしっかり書かれていますが?』
「いや、まあ、そうなのだがなー」
「躊躇しますよねー……理解したら」
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2001年 1月29日 月曜日
「今日もまた神様がログインしてきてるわけだが、昨日に比べれば衝撃は少ないな? やはり昨日で折り合いはつけられれたような気がする。流石に神様がログインしてるとしても、一人のプレイヤーだからな」
「VRの世界内では一プレイヤーでしかありませんけどね。自分は今猛烈にショックを受けていますよ。混乱していないのは、他の人達の大半が受け入れているからです」
「お前は昨日いなかったからな。それが良かったのか悪かったのかは分からんが、どのみち初めて知ったら驚くのは誰もが同じだろう」
「まさか部署を移ってきたら、神様のログインを見る事になるとはねえ……。人生って何があるか分からない」
「本当にそうですよねえ……」
…
……
………
「午前は普通だったから何とも思わなかったんだなぁ………。あのレベルでクリムゾントータスを一撃かぁ。理論上は可能とはいえ、それ理論だけだよ?」
「理論的に可能なら、現実的にも可能なんだろうねえ。やってるのは神様なわけだし」
「そうだろう。昨日も話していたが、こちらは神様のモーションデータが手に入ったようなものだ。セントラルいわく完璧な動きらしいがな」
『正しくは、その時、その状態、その姿勢、それぞれにおいて完璧な動きという事です。つまり、常に完璧な動きをとり続けていると言えるでしょう』
「「「「「「「「「「…………」」」」」」」」」」
「ちょっと待て、セントラル! それは聞いてないぞ!?」
『昨日は情報が少ない中で完璧と言いました。が、今はある程度の情報が収集できています。その上で申し上げていますので、昨日とは差があって当然です』
「あ、ああ……そういう事か」
「本当の達人って、そういう人だと聞いた事があるけど、神様もそうだとは……」
「生活の中での動きが完璧っていうか、いつでも戦える動きをしてるって事でしょ? 本来はそれを<常在戦場>と言ったそうだからね」
「意識していなくとも、常に争いが起きてもいい動きをしているわけか。それはそれで尋常じゃないが、神様だと言ったらそれで終わる話でもある」
「他の神様が一緒にすんなって、怒ってくるかもしれませんけどね。中には争いごとに関わりない神様も居ますし」
「確かにそれはそうかも」




