0803・深層二層目での素材稼ぎ
敵を探してウロウロとする妾達じゃが、それなりの数とは戦えておる。
あくまでもそれなりじゃが、素材が欲しい時に限ってコレなんじゃよなぁ……。
仕方がないし、そういう仕様なんじゃが、暗闇ダンジョンの時のようには出て来んか。
まあ、それはそれで奥に行く際には困るな。
「そりゃそうだろ。ここが最奥だっていうなら分かるけど、ここはまだ深層二層目だからな。この先にも行くわけだし、その時に絶対面倒くさい事になるんだから、これぐらいのエンカウントでいいって」
「そうそう。流石に大量に出て来られても困るし、そんな事をされるくらいなら時間が掛かった方がマシでしょ。後で大変になるだけだし、その時にはここの素材なんて要らないでしょうしね」
「そういう時が来た時に困るとはいえ、確かにナミの言いたい事も分かりますけどね。私達が倒すのが早い所為か、なかなか敵が見つかりませんし」
「確かに倒すのは早いですけど、それでも深層一層目に比べても少ない気はします。あくまでも体感ですけど……」
「確かにそんな感じはする。とはいえ極端に少ないわけでもないんだし、ここはジックリと頑張るべき。グレイフラワーのブレスも未だ気を付けなければいけないし、このまま油断していくのも危険」
「簡単に倒せていると、どんどん油断というか隙が出来てくるからねー。そこは気をつけなきゃいけないよ」
「おっと、噂をしているとグレイフラワーね。しっかりキャスティが止めてくれたけど、やっぱり瘴気属性耐性がついていると違うわねえ。ただ浄化能力があるって感じじゃないわ。確かに浄化の力は持ってるんだけど……」
「確かになんか違うよねー? 盾の鑑定結果にも浄化能力は載ってないしー、にも関わらず浄化してるー。これやっぱり微妙に違うんだと思うー」
「そうだね。確かに【純潔】を見ていると、浄化能力付きの盾って感じじゃない。何か耐性的な物と浄化の力などが合わさった物といったところかな? <破滅>殿が個人的にそう呼んでいると言うだけあって、簡単には分からないね」
「こういうのは、こういうものだと理解するのが一番よ。解明するなんて学者がやる事だし、私達は使えれば何でもいいでしょ。大事なのは瘴気に対する耐性を持つという事よ。それが鑑定結果として出てるんだから十分でしょ」
「怪しい物ならば使うわけにはいきませんが、そもそもナミが作った物ですからねえ。怪しい物ではない以上、役に立つなら使えばいいと思いますよ。何より<破滅>殿が知っている物ですしね」
「それはー、物凄い説得力があることー」
「まあ、アイツが知っているというだけで十分なのよねぇ。嘘を吐く意味も無いし、そんな事をするヤツじゃないし」
「そもそも<破滅>殿の場合、相手を破滅させたいなら堂々と正面から行くしね。そして圧倒的な実力で制圧するんだよ。だからこその<破滅>という称号なんだ。アレの意味を理解していないマヌケもいるみたいだけど、理解に苦しむよ」
「そういえば、武術大会の吸血鬼のオッサンがそんな事を言ってたなぁ。ナミと戦ってる最中に大した事が無いって思い込んで、それならエンリエッタさんをも倒してやるとか言ってたし」
「なにそいつ? バカ過ぎない? あの<破滅>をどうやったら倒せるのか、むしろ聞いてみたいんだけどね。今まで数多くのバカが同じ事を言って滅ぼされてきた事を知らないのかしら。圧倒的な実力だから<破滅>と呼ばれるのよ」
「敵対した国家でさえ滅ぼした以上、一個人が勝てるような相手では無いのですよね。挙句に本人が非常に好戦的ですし」
「私達の前ではそうでもないように見せているけど、本来は非常に好戦的な人物だからね。しかもその部分は未だに変わってないようだし。でなければ喜んで弟子と殺し合いなんてしないよ、普通は」
「<破滅>の場合、相手に一定以上の実力を求めるからねー。だからこそ、一定以上に到達しているコトブキと喜んで殺し合いをするんだけど」
「弟子と殺し合いを楽しむという師弟関係も、それはそれでどうなのかと思わなくもないですけどね。問題は師も弟子も、そこを気にしていないところでしょうか? 似た者同士と言えばそれまでですが……」
「確かにエンリエッタさんとコトブキって似たような臭いのする二人ではあるな。っと、ゾンビはゾンビで速いからな。急に出てくんなよ」
ドゴッ!!
ユウヤがシールドバッシュを行いカースゾンビを倒れさせると、そこに【浄化魔法】を叩き込む仲間達。
あっという間に倒したカースゾンビから無事に瘴塊をゲット、新たな敵を探して歩く。
無駄に魔力を使っておるわけでもないので気にしておらぬが、それなりに減ってきたか?
それでも戦えるので進んだり戻ったりしつつ、アンデッドを探しては倒す。
素材を得る為にはこの繰り返しをし続けるしかない。
単調ではあるものの、気を抜くとブレスを受けるので気をつけねばならん。
そんな中、いきなり現れたカーススケルトンの瘴気攻撃を受けた。
「ぐおっ!? いってぇ! くっそ、いきなりかよ!!」
「【セイントジャベリン】!! 大丈夫、ユウヤ?」
「大丈夫ですか!?」
「大丈夫、大丈夫。いきなりポップしてきて、早速瘴気バーストを喰らうとは思わなかったぜ。完全に油断してた。たまにある事とはいえ、敵の反応早すぎだろ。出てきた瞬間に瘴気バーストだったぞ」
「流石にいきなり出現されると反応は無理でしょ。しかも気を抜いていた時だったし。不運だったと思って諦めるしかないんだけど……痛いから余計にムカツクみたいね?」
「そりゃな。ここら辺りから痛くなってくるっていうのも、どうなんだって思うわ。今までの瘴気って痛みは無かったのにさ、ここから急にだぜ? マジで痛くて困る」
「確かにそういえば妙だね? なんでここから痛いんだろう? 同じ瘴気攻撃のはずなのに、ここからの瘴気は………同じじゃない?」
「仮に同じじゃないとしたら、この辺りから濃度が高くなっているのかしら? それとも……別のが含まれてる? 名前の通りに呪いとか」
「仮に呪いが含まれているから痛みを伴うというのであれば、今までと違って痛みを伴うのは分かりますね。グレイフラワーは横に退けるとしても、他はカーススケルトンとカースゾンビだし」
「そのままズバリ、呪いって言ってる。つまり呪いと瘴気が混じると危険ってこと。もしくは死王の気も混じってる?」
「それなら痛いのも分からなくはないですね。という事は……もしかして瘴気だけではなく、死王の気までも封印してるんですか? エンリエッタさんって……」
「「「「………」」」」
天使と悪魔も黙ったの。
喋る事が出来んのか、それとも禁則事項に触れるからか。
もしくは知らぬのか。
急に黙ったからの、そこは怪しまねばならぬ。
とはいえ何となくじゃが、ネタバレになるから黙っとる感じがするのう。
あくまでも妾がそう思うだけじゃがな。
しかしそこまで間違った考えだとも思えん。
アレは明らかに色々と不自然な存在なのじゃ。
それぐらいの役割を与えられておっても、特に不思議には感じぬ。
アレは重要なキーパーソンじゃと思えるからのう。
その割には珠は最初から会うとるが……。
そこからネタバレしていくようになっておったのかな?
まあ、その辺りは考えても詮無き事か。
それに、そろそろ会話内容を変えるべきじゃ。
天使と悪魔が全く話そうとせぬ。
その話題は避けるが無難であろう。
あまり掘り下げても意味が無いうえに、先々にならぬとその答えも判明せんからの。
妾からこっそりメッセージを送っておくか。
それで分かろう。
694話の誤字報告、ありがとうございました




