0797・艶女組
妾達は<テツオ>という女装ゴリラに近づいて話を聞く。
いったいなぜ艶女組がこんなにも多いのかという事をじゃ。
昨日の今日でこんなに多いというのもおかしな話じゃし、なぜこうなっとるのかは聞いておかねばならんからのう。
「こんにちわ。昨日の今日でやたらに多いけど、何かあったの?」
「おお、お前さん達か。昨日ぶりだな。これはウチのクランで誰がウェルズベアー・エリートを倒せるかって事をやってんだ。昨日聞いた通り一撃で倒せばいいんだが、しかしそう簡単な事でもないんでな。出来るヤツを皮の調達係にしようかと思ったんだよ」
「なるほどね。それで一度は試してみなきゃいけないってなって、こんなにメンバーが来てるってわけか。でもレイドを組めば良くない? 確定で皮が出るわけだからさ」
「まあな。とはいえ出来るヤツ以外が戦ったって仕方ねえだろ? だから出来るヤツをまずは見つけるしかないわけだ。まあ、幾つか皮は手に入ってるから、確定でとれるヤツは何人か居るんだがな。そういう一撃系のヤツが居て良かったぜ」
「どんな武器を使っているかは知らないけど、一撃系の武器を使ってるなら出来るでしょうね。もちろん強力な武器を持っているに越した事は無いんだけど」
「そう、それだよ。実は折り入って頼みがあってな。金なら幾らでも出せる訳じゃねーんだが、火炎龍樹とクリムゾントータスの武器を売ってくれねえか? 金なら割と貯め込んでるんで、買えるとは思うんだよ」
「昨日言っていたクレセントアックスですか? それとも薙刀?」
「オレが使う長柄の斧と、マールが使う薙刀。それと……」
「わたしよ、わたし。わたしが使う槍もお願い」
そう言って女装ゴリラの後ろから出て来たのは、金髪で髪がやたらにクルクルと巻かれた女であった。
珠の記憶を探ると、あれはいわゆるドリルヘアーと呼ばれておるヤツじゃの。
西の方の白人の国で、貴族女性が髪を巻いておるアレじゃが、よくもあんな髪型を選んだものよ。
「わたしが使う槍もお願い。って初対面なのにいきなり図々しかったわね。わたしは<ドリラー>よ、よろしく。で、こっちが<鉄棒>ね」
「………よろしく」
「こいつは掲示板では流暢に話すけど、人前だとこうなのよ。だから気にしないでやって」
「私が使う棒も、お願いしたい」
「まあ、作るぐらいは構いませんけどね。もう一度確認しますが、長柄の斧、薙刀、槍、棒でいいですか? それと細かい注文もお願いします。分からないと適当に作るしかなくなるので」
「オレは出来るだけ当たりやすくしてほしいんで、幅広の斧がいいな。あと、マールのヤツはここにいないが、昨日見せてもらった薙刀がいいと言ってたぜ」
「わたしは先が尖っている槍がいいわ。できるだけシンプルな、いわゆる素槍と呼ばれる槍ね。あれの方が掘りやすいから」
「私は普通の棒がいい。できれば丸い棒よりは八角形だと助かる。丸い棒は滑りやすくて使い勝手が悪いから」
「分かりました。戻って作製してきます」
妾はそう言って一人来た道を引き返す。
ウェズベア森に飛んでくるのは難しくなく、そもそも家の近くの魔法陣から飛べば済む。
なので、そこまでの距離ではない。
ちなみに妾だけが外れても問題ないので、ラスティアとキャスティに皆を頼んでおいた。
戻った妾は家の庭でマイルームに飛び、すぐに倉庫へ素材を取りに行った後で錬金部屋へと行く。
そして幅広のポールアックス、薙刀、素槍、八角棒を作ったらすぐに戻る。
ちなみに、それぞれの武具はコレじゃ。
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<長柄> 火炎龍樹と深紅亀の甲羅のポールアックス 品質:10 レア度:8 耐久1610
火炎龍樹の幹を心材に用いて、クリムゾントータスの甲羅を被覆したポールアックス。刃は幅広で命中率が高いのと、まさかりのように刃が突出していないので重量バランスはとれている。威力は高いものの、それに見合った重さを振り回す必要がある。上手く使おう
攻撃力44 破壊力7
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<長柄> 火炎龍樹と深紅亀の甲羅の薙刀 品質:10 レア度:8 耐久1660
火炎龍樹の幹を心材に用いて、クリムゾントータスの甲羅を被覆した薙刀。柄が1メートル60センチに刀身が60センチもある大きな物であるが、扱えれば凄まじい切れ味と威力を発揮する。上手く扱えるかは、これを振るう君次第だ
攻撃力49 破壊力1
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<槍> 火炎龍樹と深紅亀の甲羅の槍 品質:10 レア度:8 耐久1570
火炎龍樹の幹を心材に用いて、クリムゾントータスの甲羅を被覆した槍。穂先は素槍と呼ばれる形状だが、クリムゾントータスの甲羅が被覆してある為、非常に切れ味が鋭い。平均的な槍であるので、誰でも扱いやすいのが特徴
攻撃力47 破壊力1
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<棒> 火炎龍樹と深紅亀の甲羅の八角棒 品質:10 レア度:8 耐久1590
火炎龍樹の幹を心材に用いて、クリムゾントータスの甲羅を被覆した棒。棒としては極めてスタンダードであり、癖の無い一品に仕上がっている。上手く使えば十分な威力と破壊力を秘めているものの、それを使えるかどうかは別である
攻撃力45 破壊力7
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作り終わった妾はウェズベア森に戻り、そして艶女組の者達に近づく。
向こうは割と和気藹々としておるようじゃ。
なぜかセナが女装ゴリラに色々と教えておるのと、アルゼルがやたらにお菓子を貰っておるのが気になるが。
「作り終わったので持ってきましたけど、メッセージを送ってきてもらっていいですか? そこから指定しますので」
「おお! もう作ってきてくれたのか。いやー、助かる! まさかこんなに早いとは。オレ達も急いで金を取りに戻ったけど、それで正解だったなぁ。間に合わないところだったぜ」
「私の分もありがとう。簡単には武器をアップグレードできないから困ってたのよねえ。ウチにも錬金術師は居るんだけど、どっちかというと戦いが主体なの。その所為で腕が良くないのよ」
「だって戦いの方が楽しいんだから仕方ないでしょ。皆だって戦いを楽しんでるんだし、わたしだけ仲間外れっていうのもねえ……」
どうやら艶女組の中の錬金術師はドリラーとかいうヤツらしいの。
妾に槍を求めてきおったが、自分で作った方が良いと思うぞ?
それはともかくメッセージが飛んできたので、それぞれに対して優先を付けて売るかの。
「………やっぱりすげえっていうか、尋常じゃねえ数値だな。そもそも品質10で作ってあるからか、おっそろしい事になってるしよ。攻撃力が40超えて、破壊力が7とか……もうこれ分かんねえな」
「いやぁ、昨日も見たけど凄いわねえ。いえ、凄いを通り越してエゲつないわ。ここまでの武器が今あるっていうか、今の最前線なのよ。流石にコレをドリラーに作れと言っても無理でしょう」
「作れと言われても困るわよ。そもそもわたしじゃ獲りに行けないから。いえ、行けるけど行っても勝てないのよ。一度ブッ殺されてすぐに諦めたわ。唯でさえ暑苦しくてダメージを受けるのに、そのうえあんなに強いんじゃ、勝つ方が無理でしょ。むしろどうやって勝つのか教えてほしいくらいよ」
「首を落とせば終わるけどね?」
「へっ?」
「「「「「「「「「「………」」」」」」」」」」
周りで聞いておった他の艶女組の者どもも絶句しておるようじゃ。
とはいえ出来る事は出来るのだ。驚かれても困るわ。




