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0786・夕食の話し合いと次の日




 夕食の席で童女達は70階の大変さを話しておる。

 あれは確かに苦労をするものの、未だに吐き出さんといかんぐらいにストレスが溜まったようじゃの。

 分らんではないが……。



 「あそこは厳しかったであろう? 実際に妾でも大変だったのだ、そう簡単ではない。とにかく数が多くてしつこく、面倒極まりない形になっておる。曲がり角を曲がれば数十体に襲われるなどおかしかろう」


 「本当にね。幾ら何でもメチャクチャに過ぎるのよ。数が多すぎて攻略不能なんじゃないかと思ったわよ。しかも途中からレベル130を超えてくるしさ。色々な意味であそこだけおかしい」


 「仕方ないと言えば仕方ないのかもしれないけどね。それにしても多かったよ。途中で何回嫌になったか分からないし、もう止めたい帰りたいって何回思ったか。それでも皆が行くからついていけたよ」


 「そうでもなければ難しいですよ。私も途中で嫌になりましたしね。特に召喚モンスターや支配モンスターが居なければ、攻略できなかったと思います。向こうが数で来るなら、こっちも数で行くしかありません」


 「他の人達はどうするんだろうね? 多くの人数で集まって突破するのかな? それでも簡単じゃないんだけど………内輪揉めが起きそうな気がする。途中で絶対に争いになるよ、あそこまで大変だとさ」


 「それは間違いないでしょうね。野良で集まった人達だと確実に揉めますよ。お前が上手くやらないからだと言ってね。そういう意味では一種の鬼門でしょうか? 60階から先は?」


 「でしょうね。あそこは本当に厳しかったもの。十分なレベルの者達が集まれば少人数でも可能かもしれないけど、それでも数の多さは大変でしょうよ。色んな意味で今の内に突破できて良かったと思うわ」


 「ですね。今のうちに突破できていなかったら、この先も苦労をするところでしたよ。何といっても数のゴリ押しができる私達でさえコレですからね……」


 「そういう意味では、よくぞ一人で突破したね。<破滅>殿は?」


 「妾が70階に到達したは、それなりになってからじゃからの。それと、それなりの物を用意してじゃ。だからこそ突破できたとも言えるからのう。お主らは数で突破しようとしたので、しっかりとした準備をせなんだのであろう?」


 「完全に見抜かれてますね。確かにきちんとした準備はしていなかったのは間違いないです。とはいえ、なかなか良い薬というのも手に入りませんし、難しいところですよ」


 「ああ、途中で魔力が尽きたのか。妾も同じような状態には陥ったが、あの時は時間を掛けて突破したのう。ま、そこまで急いでもおらなんだし、適当に潰しながら進んだのを覚えておるわ」


 「その適当がなかなか大変なんですけどね。あれだけ数が多いと面倒な限りです。潰しても潰しても、次の曲がり角で大量に出てきますからね。嫌にもなりますよ、アレは」


 「本当にね。芯から疲れたと言えるし、心の底から大変だった。耐えられないほどじゃないけど、当分は御免よ。そう言えるくらいには大変だったわ。久しぶりね、そう思えるのは」


 「唯でさえ私達は能力が落ちてるー。だからここまで大変だったー」


 「そうなんだろうね、【暴食】や【色欲】は封印されていたから特に」


 「私も大天使様から封じられているので同じなんですけどね。貴女は下がっていませんから、そこまでなんでしょうけど……」


 「それは封印されるような事をするのが悪いんだよ。そうとしか言えないじゃないか」


 「まあ、そうなんですけどね……」



 確かにそうなんじゃが、キャスティとしては微妙じゃろうのう。

 あの時に突っ走って珠に負けてなかったら、ラスティアとこうはなっておらんじゃろうし。

 言葉が尻すぼみになったのは、そこが理由かの。


 なんだかんだと言って、ラスティアとああなったのは大きいのであろう。

 相互依存しとるだけの気はせんでもないが、孤独が減ったのであれば悪うは無いと思うぞ。

 2人にとってはな。


 夕食が終わったのでソファーの部屋に行き、そこからマイルームへと移動したら仲間達を召喚。

 そしてログアウト。現実へと戻る。


 いつも通りに夕食を作って食したら、もろもろの雑事を終わらせて珠の部屋へ。

 後はログインしてセナに教えつつ、終われば邪悪な奴らを少しずつ始末。

 それでこの日は終わりじゃ。



 ◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆



 2001年 2月6日 火曜日 AM8:23



 既に暗闇ダンジョンの70階には到達したので、今日は特にやらねばいかん事は無い。

 適当にレベル上げでもするかのう。

 <屍人の森>の浄化もせねばならんし、あそこでレベル上げをするのが一番良いじゃろう。

 暗闇ダンジョンでは経験値が入らんからのう。


 とりあえずログインし、妾はファルと2人に話をして呼び出す事を伝える。

 その後はソファーの部屋に行って召喚したら、ファルを朝食の手伝いに行かせた。

 そなたソファーに座ると素早く腕を絡めてくるのう……。



 「今日はどうする? 昨日で暗闇ダンジョンも行けた。70階の探索?」


 「それでも悪うはないが、妾はなんでも良い。無ければ<屍人の森>の浄化とレベル上げでもしようかと思っておった。最近は行ってないからの」


 「確かにそうね。とはいえ個人行動で良いんじゃないの? 昨日の疲れはまだ残ってるから、あんまり戦いたくないし。今日一日ぐらいはゆっくり休みたいわね。正直にいって昨日のが残ってるから」


 「なかなか大変でしたからね。ギリギリ突破できるかどうか、という程ではありませんでしたが、削られる大変さではありましたから……」


 「あれは本当に大変だったね。大変だったり苦労したから記憶に残るっていうのは本当だよ。ああいうのが思い出になるんだなぁって、昨日眠る前に思ったもん」


 「あれは大変だったから、そう思った気持ちは分かる。実際に相当大変だった部類には入るし、ナツは初めてだったろうから本当に大変だったと思う。ああいうのに慣れてないから」


 「本当にそうだよ。そこまで大変な事ってあるのかな? って高を括ってたんだと思う。実際に経験してみると凄く大変だったし、何度もは無理」


 「まあ、だからこそ今日はゆっくりするんだし、私でも大変だったんだもの。ナツも今日はゆっくりしていればいいわ。誰も同じ事をやれとは言わないんだし」


 「うん。本当に今日はゆっくりする。じゃないと大変だよ」


 「それでもモンスターと戦ったりしてると思う。何だかんだと言って、慣れてくるとそうなる。戦いが一度も無いと、それはそれで変な感じがするから」


 「それは素材収集の時にするのでは?」


 「素材収集の時は放っておくと仲間達に倒されるわよ? 敵が弱いから当たり前だけどね。そういえば熊の毛皮は、まだまだ需要があるみたい。未だに出すとすぐ売れるもの」


 「あれ、結構な魔法防御力をしてるから、欲しい人はそれだけ多いと思います。インナーと言いますか、皮服として使っているのが多いですね」


 「その使い方が一番良いと思うよ? 実際、ピッチリだけど特に締め付けられたりしないし。それで魔法をよく防いでくれるなら、装備として欲しい人は多いと思う」


 「物理防御は鎧などでどうにでもなりますが、魔法防御は難しいんですよね。なかなか魔法の方が高いっていう装備少ないですし」


 「物理優先っていうか、ふつうは物理系統に寄っちゃうもの。それはどうにもならないわ」


 「仕方がないと思いますけど、現実的に考えればそうなんですよね。魔法防御が高いウェルズベアー系が変わってるだけで」


 「必ずそういうのは居る。結局は取り合いになるけど、需要を満たすほどの供給は難しい。それでもウェズベア森にはちょこちょこプレイヤーも行ってるみたい。ただし皮の入手率が……」



 あれは特定の倒し方をせんと、100パーセントでドロップせんからのう。

 それを知らぬならば確率に頼るしかあるまいて。


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