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0782・暗闇ダンジョン70階へ その2




 妾達は67階を進んで行く。

 結構な数の暗闇の造魔が出てきて厄介じゃが、なんと言っても一番厄介なのは【闇魔法】になる。

 こやつら闇属性は効かぬからか、平気で自爆するような使い方をしてくるのだ。


 今までだと自身も被害を受けるような使い方をしてくる者はおらなんだのだが、こやつらは別じゃ。

 ついでに数が異様なまでに多いので、減らす前に確実に魔法を使われる。

 それも加わってかなり厄介な仕様になっておるのだ。


 「ぐぉ!! つぅ、やってくれるぜ! 本当にふざけてるのかってぐらいに出てきやがるな。ワラワラと鬱陶(うっとう)しいが、ここまで多いとは想定外だぞ。しかもまだ67階だってんだから、シャレにもならねえ」


 「本当に泣き言を言いたいくらい大変だよ。エンリエッタさんが面倒くさいって言うはず。ここまでだと、どうしても先に行かせないようにしてるとしか思えない! 次の階はさらに密度が濃いんでしょう?」


 「そういう事ですね。これは確実に今日の内に突破してしまわないと、次は相当に気合いを入れない限り、挑戦する気を失くしますよ? それだけは断言できます。無理をしてでも突破しましょう。2度はイヤです」


 「私も賛成よ。ここまで面倒な敵だとは思わなかった。むしろ大多数で出てくる事を基準に考えられてるのか疑問があるくらいよ。単体で強いのに、大量に出て来すぎでしょ! どう考えてもグレーター○ーモンじゃない」


 「シャレでもなんでもなく、本当にアレをモチーフにしたとしか思えないんだよ。一発か二発で全滅が無いだけマシだけど、それでもキッツい。相当に大変だけど、これおそらくレベルを上げて来ても大変な事に変わりはないだろうな」


 「私もそう思います。これはちょっと、集中力とかそういう意味での大変さですね。人数が多くても、それ以上に敵の数が多いですから、捌くに捌けません。必ず誰かに魔法を使われてしまいます」


 「そしてその魔法のダメージが高いのよ。【ブラックボム】を連発されても困るんだけど、こいつら当たり前のように連発してくるし。【闇魔法】をぶつけて相殺するにも限度があるわよ」


 「【光魔法】で一気にダメージは与えているんですけどね、それでも簡単には沈んでくれません。正直に言ってウォーハンマーでカチ割った方が早いのではないかと思えてきましたよ。【暴食】もカチ割ってますし」


 「こいつらの頭なら割れるねー。ただし思っているよりは大変だけどー」


 「だろうね。私も首を刎ねる事は出来るが、そう簡単な事じゃない。動きも人形のように動く事があって厄介だ。ゴーレム系だと思っているんだけどね、体が滑らかだから勘違いする一瞬がある」



 てんやわんやというか、本当に大変じゃ。

 魔物と出会う度に10数体が必ず相手になる、しかもそのうえ頻度が高いのだ。

 その所為で戦闘ごとに必ず止められてしまい、なかなか先へと進む事ができん。


 戦闘で時間が掛かるから遅れ、戦闘回数が多くなるので遅れる。

 まさにその繰り返しで遅れ続けておる。

 それでもここまで来たら突破せねばならん。

 アマロではないが、次にもう一度となれば相当の気合いを入れねば来る気も失くしておるであろう。



 「68階への魔法陣発見。これでようやく進める。それでも後2階層分の魔物と戦う可能性がある。70階に到達すればさえ、この地獄とはさよなら出来るから頑張るしかない。あと二息」



 あと二息という言い方は初めて聞いたが、頑張るしかないの。

 ここまで来たら妾も地図は描かずに本気で殺しに行ってもいいかもしれん。

 それならば突破できる可能性は上がろう。

 妾もやり直しはイヤじゃからのう。



 「もう地図も描かずに妾も前へと出た方が良いか? そちらの方が良いなら前へと出るぞ?」


 「すまねえが、頼む。これ以上数が増えてレベルが上がるなら、どうにもならない。既にファルもシグマもセスも前に出てくれているが、それでも厳しいからな。とはいえこの3人以外の盾じゃ厳しい。【闇属性】の盾じゃないと碌に防げないだろ」


 「暗闇の木という木材があったが、あれはもしかしたら突破の為にあったのかもしれんのう。間違いなく【闇属性】防御の為の物なんじゃろうよ。そろそろ専用の盾がないと厳しくなってくるかの?」


 「多分そういうところまで進んできてると思う。昔ながらの盾の持ち運びをするしかねえかな? それぞれの属性ごとに守れる盾を作るのも面倒なんだが、盾士としちゃ必須の装備だからなぁ……」


 「対策をした盾じゃないと一撃で蒸発するゲームもあった。そこまで行くかは分からないけど、そこまで行く可能性は高そう。メタを張らないと死ぬ可能性はすでに示されてる。ドラゴンゾンビとか」


 「エンリエッタさんが言ってた【瘴気属性】ってヤツね。確かに対策をしていなければ一撃でアウトでしょうよ。そもそもドラゴンゾンビとかスケルトンドラゴンって時点で、色々と駄目だと思うけど」


 「RPGでも最後の方に登場するモンスターだろう。それが凶悪になったっていう感じかね? それでも瘴気ブレスを吐かれて全滅というパターンは初めてだな。ダメージじゃなく属性で全滅だからさ」


 「アンデッドにされて終了は厳しい。【瘴気属性耐性】がないと耐えられないけど、今のところはどの素材を使うかも不明」


 「私達も詳しく知らない物ですから仕方ありませんよ。<破滅殿>からそんな物があると聞いて知ったのですから、貴方達と変わりません」


 「なら、それまでどうやって戦ってたの? アンデッドと戦う事もあったでしょう?」


 「私達天使には専用の装備があるのですよ。大天使様から下賜(かし)された物ですが、それに恐らく【瘴気属性耐性】が付いていたのでしょう。あくまでも<破滅>殿が自分でそう言っているというものですからね」


 「そう定義されていなかったら見えないし認識できないだろう。だから私の装備にも着いているんだろうね。今のところ出す気は無いから見ないけど、仮に見たところで認識できるかは別だよ」


 「知識を持ってないと見たって無駄な事は多いしね。自分が正しく知識として持たないと」


 「それで【鑑定】スキルが上がらないヤツとかいたねー。スキルを上げるのに知識も必要になる事は多いしー」


 「経験もですね。実際の物を自分で手に入れるとか、そういう事が必要な場合もあります。案外とそういう事を(ないがし)ろにしている者は居ますよ。残念な事に」



 うん? 今キャスティがちょっと重要っぽい事を言ったのう。

 妾まで戦闘に参加したからか、その分だけ楽になったのじゃろう。

 こやつら雑談をしながらストレスを吐き出しておる。


 それはよいのじゃが、実物を己の手で持つ……のう。

 【鑑定】系のレベルを上げる為に色々な物を持つ必要があるのならば、天使の星のアイテムも買った方がいいのであろうな。

 正しくは天使の星でしか入手できん物じゃが。


 そういった物を買って【鑑定】しておく必要があるわけか。

 プレイヤーマーケットで売っておるし、その時点で分かるからのう。

 わざわざ買って手に持つまではせんのだ。


 自分の手で持たなければいけないようにしてある可能性があるのう。

 ここの運営は性質(たち)が悪いし、性格も宜しくない感じじゃ。

 どこに落とし穴があるか分からぬ故、暇な時間に色々と見て買っておくか。


 それに【鑑定】などをすれば損にはなるまい。結構な額の金銭は貯まっておるでな。

 多少の無駄使いぐらいは構うまい。そもそも無駄にはならぬのだしの。


 っと、69階への魔法陣を発見か。

 次が最後じゃが、果たして数がどこまで増えとるかじゃのう。

 回復も結構厳しくなってきておるし、突破できるかは微妙な感じか。


 最悪は妾が暴れるだけ暴れれば突破できると思うが、数の問題じゃからのう。

 ちょっと自信が無いぞ、流石にな。


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