表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
750/753

0750・夜のレベル上げに送り出す




 現代の巫女が腕を放したので食堂に行き、妾は本日の夕食を食す。

 皆は豚と牛を食べておるが、妾だけ蟹雑炊と蟹玉じゃ。

 よう分からん雑穀じゃが気にする必要はない。

 そもそも日の本ではあわひえや麦など古くから食べられてきた。

 なので妾が雑穀に文句を言う事などあり得ぬ。


 そもそも蟹の身の風味と旨味が溶け込んだ出汁じゃ。

 それを吸い込んで美味溢れる物になっておるに決まっておろう。

 それが雑穀如きでどうこうなる訳が無いわ。



 「はふはふ………んー! 蟹の身が沢山入った雑炊は堪らんのう! こっちの蟹玉はどうじゃ? ………むほほほほほほ、こちらも美味である!」


 「………なんで一人だけ別の物を食べてるの? 流石に蟹雑炊はズルくない?」


 「そんな事は知らんのう。そも、妾が獲ってきて頼んだのじゃから構うまい。それに赤美味豚のカツサンドも美味そうではないか。それは十分以上の物であろうよ」


 「他人の食べている物は美味しく見えるもの。それは古来から全く変わらない筈」


 「なれば、そなたらも頼めば良かろう。今日は蟹が食べたい気分だったから、妾は自分で頼んだのだ。食べたければ頼め。妾に言うてくるでない」


 「それはそうね。御免だけど、私の分も蟹雑炊をお願い」


 「カタ!」


 「あっ、私達のもお願い。あの時には好きにしたらって言ったけど、匂いを嗅いでいると美味しそうなのよねえ。蟹って煮込んだ方が美味しいのかしら?」


 「蟹は風味が溶け出やすいのと、その風味や味を穀物が吸い込むのだ。だから雑炊にすると美味いのじゃよ。味や香り良き物は雑炊にするに限るわ。唯の煮込みとは思えん味になる」


 「鍋の残りでやる雑炊ね、あれ美味しいのよ。あれを捨てるヤツとか居るらしいけど、頭がおかしいとしか思わないわ。取り箸やお玉を使っても汚いって思うらしく、口にしたくないってのが居るみたい」


 「それは勿体ないね。美味しい物は美味しいのに、って思うけど、面倒な感じだし無視してくれた方が良いかな? 世の中には潔癖症とか居るもんね。人間の体が汚れてるっていうのに」


 「腸の中には糞が詰まっとるからのう。そんな体を持っておいて潔癖症も何も無かろう。そこまで綺麗が好きなら、まず己の体から離れろという話じゃ」


 「それって死んじゃうじゃん」


 「だから死ねと言うとるんじゃ。人間なぞ古くから汚いものぞ、心も魂も穢れておろうが。だからこそ妾は黄泉の主宰神なのだからな」


 「言いたい事は分かるけど、食事時に汚い話は止めてね。せめて終わってからにして」


 「仕方ないのう。何かを食すという事は、アレをケツからひり出すという事ぞ。それが食事というものじゃ。まったく、昨今の者は本質から目を背けるからいかんのだ」


 「事実だけどね、食事時には止めろと言ってるのよ」


 「分かった、分かった」



 見たくもないと思うのは分からぬでもないが、そういった現実があるのが黄泉なのじゃがのう。

 やはり、こやつらは理解しておらぬか……。

 まあよい、人とは流れて死に至り、そしてそのまま朽ちるが故にな。


 己が見たくなくて土葬にし、そして今では火葬にする。

 かつては朽ちるに任せる風葬もあったというのに、今の日の本の者は知らぬのであろう。

 古き時には死体がどうなるかなど、見ようと思えば見られたのだがの。


 争い合っておった戦国の世の時まで、戦場に死体が放置されとるなど当たり前であったからな。

 あれも風葬の一つと言えぬでもない。

 場所を決めてはおらぬが、朽ちるに任せるという事は変わらんからの。

 片付けなど殆どせんし。


 夕食の終わった妾はソファーの部屋からマイルームへと戻り、三人を召喚したらログアウト。

 現実へと戻る。


 現実でも夕食をとり、風呂などを済ませたら部屋に戻ってログイン。

 最近思うが、毎日湯に浸かれるとは贅沢じゃのう。

 前に降臨した時には湯屋が一般的だった筈だが……変われば変わるものよ。


 ログインした妾は早速ファルとフィーゴを呼び、その二人を連れてソファーの部屋へ。

 そして家を出ると<屍人の森>の奥へと進もうとしたのじゃが、何やらファルが伝えてきた。



 「カタ! カタカタカタカタ! カタカタ、カタ!」


 「んー………これはアレか? フィーゴがおるから浄化が出来る。だから妾はついてこなくてよいという事かの?」


 「カタ!」



 コクコクと頷くファル。

 しかしじゃのう、このまま放置してよいものかという思いがあるのじゃが……。



 「カタ! カタカタカタ。カタカタカタカタ、カタカタ!」


 「長い棒? いや、杖か? ……ああ、代わりにセナに杖を教えてやってほしいという事じゃな」


 「カタ!」


 「ふーむ………そなたの言う通りにしてもよいが、気を付けるんじゃぞ? 流石に居なくなっては困るからのう。そこだけは覚えておくがよい。それと、危険ならば即座に撤退せよ。逃げる事は恥ではない、それも分からぬ事が恥なのだ」


 「カタ!」



 フィーゴもファルの体から少し出ると、こちらをジッと見てくる。

 おそらくは大丈夫だと言いたいのじゃろう。

 妾は二人に任せる事にし、家に戻ってソファーの部屋からマイルームへと移動する。


 その後は訓練場に行き、眠るまでセナに指導をした。

 妾とセナは適当な木で作った杖を使ってやりあったが、やはりまだまだであったな。

 だからこそセナを優先せいとファルは思うたのであろう。


 妾は十二分に指導をしたらログアウト。

 邪悪な思想の連中を見つけて始末した後は、さっさと眠りについた。



 ―――――――――――――――


 使い魔:ラスティアのサブ職業:踊り子・中級のレベルが上がりました


 使い魔:キャスティのサブ職業:農家・中級のレベルが上がりました


 召喚モンスター:ファルのレベルが上がりました

 召喚モンスター:ファルのレベルが上がりました

 召喚モンスター:ファルのレベルが上がりました


 召喚モンスター:セナの【杖術・下級】に【水平薙ぎ】が追加されます


 召喚モンスター:フィーゴのレベルが上がりました

 召喚モンスター:フィーゴのレベルが上がりました


 ―――――――――――――――



 ◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆



 2001年 1月31日 水曜日 AM8:22



 今日は暗闇ダンジョンとやらに金を取りに行く日じゃ。

 上手く出てくれれば良いのじゃが、ガチャというものは目的の物がそうそう出んものだと知っておる。

 ちょっと憂鬱じゃのう。

 とはいえ、用意はしてやらねばなるまい。



 ―――――――――――――――


 使い魔:ラスティアのサブ職業:踊り子・中級のレベルが上がりました


 使い魔:キャスティのサブ職業:農家・中級のレベルが上がりました


 ―――――――――――――――



 早速ログインしたが、昨日の夜から連続して上がっとるようだの?

 何があったのか知らぬが、効率よくレベルを上げる方法でも見つけたか?

 踊り子の方は誰かさんと踊っとる気がせんでもないが……農家の方の説明がつかんのう。


 あれか、種を蒔くという事か?

 いやいや、キャスティは女子おなご

 種を蒔く側ではなく受け取る側じゃ。


 ………何やらよく分からんが、レベルが上がる分にはいいじゃろう。

 効率の良い何かでも掴んだと思う事にしておこう。

 深く掘っても誰も得をせんじゃろうし。


 マイルームの訓練場に行って挨拶した後、二人の寝室に行ってボードを確認。

 ○の札じゃったのでノックするのだが、中から反応が無い。

 まだ寝ておるみたいじゃの。


 妾は仕方なくソファーの部屋に移動し、まずは家の外へと出る。

 すると、外にはファルが居て、赤いスケルトンと何やら話をしておるような感じであった。



 「どうやら無事であったようじゃの。上手くレベルも上げられたようで何より」


 「カタ!」



 ファルが頷いたので家へと共に入り、そのまま朝食の準備を頼んだ。

 今日はフィーゴがおるが、得をする事はあっても損をする事はあるまい。

 能力は上がっておる筈じゃしの。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ