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0747・武術大会の話




 運営ダンジョンからマイルームへと戻り、ファルに呼び出す事を伝えてソファーの部屋へ。

 誰もおらなんだのでファルに夕食の手伝いを任せ、妾はマイルームへと戻った。


 戻ったら錬金部屋へと行き、すぐに六角棒を作り直す。

 その後はクリムゾントータスの皮のライダースーツじゃ。

 これはラスティアとキャスティの体に合わせて作製。

 すぐに二人の下へと持って行った。


 どうせお互いに着せてどうこうとするんじゃろうし、早めに渡しておいて損は無い。

 何か問題があれば言うてくるじゃろうしな。

 それでは防具作りを始めるかの。


 ……おっと、ラスティアとキャスティの分を作ったところで時間が来たわ。

 二人の下へ行って呼び出す事を伝え、ソファーの部屋へと移動して呼び出す。

 流石にこの時間ならば全員居たようじゃの。



 「やっと来たけど、何か問題でもあったの?」


 「いや、何もないぞ? 強いて言わば、ラスティアとキャスティの防具を作っておっただけじゃ。二人の分が出来たのが、ちょうど先ほどだったというだけよ。妾の装備と似た物だからの、一度作った以上は難しくも無い」


 「まあ、同じ物を量産するんじゃ難しくはないか。面倒臭いという事はあるだろうけど、量産手順を作らなきゃいけない訳じゃないもんね。そんな山ほど作るわけでも無いんだし」


 「そうですね。その後は私達が注文を入れるでしょうから、その限りではありませんが……」


 「少なくともライダースーツかスケイルアーマーは欲しい。あれだけでも相当に違う筈」


 「それどころか盾だけで相当違うでしょ。あそこまでの素材で作るんだから、違っていて当然でしょうけどね」


 「カンカン」



 おっと、夕食が出来たようじゃ。

 すぐに食べに行かねばならんの。


 食堂の席に着いて食事を始めると、何やらコトブキの師の影におかしな反応が出てきた。

 これがマリアとかいう女王か。

 反応がいきなりとは、なかなかに厄介な術じゃのう。



 「どうやら今日は<赤美味豚>みたいね。前回は<火炎牛>だったけど、ようやく食べられそうで何よ………何かしら、それは?」


 「これは豚の角煮だよ。今日はそれ以外にも豚しゃぶのサラダ、水餃子、フランクフルト、蒸し煮、それと何故か豚足があるね。私は食べないけど」


 「なんかコラーゲンが肌に良いとか言われてるらしいですけど、本当のところはどうなんですかね? 効かないような気がするのですが、実は効くんでしょうか?」


 「自分の体のコラーゲンは自分の体で生成したものらしいって聞くけど、本当のところは分からない。ただ、豚足って脂肪が多いし高カロリーなんだよね。食べ過ぎると肥満と通風になるよ」


 「肥満はともかく通風という事は、プリン体が非常に多いという事。それは危険」


 「病気の中でもキツいと聞きますし、通風になりたい訳でもありませんからね。それよりフランクフルトがあるならハムは出来なかったのでしょうか?」


 「ハムはまだ熟成中じゃぞ、あれは簡単に出来る物でも無いからな。前から熟成させておるが、まだまだ時間が掛かるわ。【錬金術】で無理矢理でっち上げてもよいが、味が落ちるからする気は無い」


 「それはいかんの。味が落ちるなどあってはならぬ事。それなら楽しみに待つ方が遥かにマシじゃ」


 「………何か喋り方が急に変わったわね? どういうこと?」


 「気にしたら負けじゃ、放っておけ。嘴を突っ込んでも碌な事にはならん。それよりも武術大会はどうなったのだ?」


 「そろそろよ。といっても各国でやっているから、目新しさは全く無いけどね。ウチではソロとチームと各武器ごとの部門よ。例年変わらず一番人気はチーム戦だけど」


 「それは仕方ないであろうよ。あれが一番不測の事態が起きる可能性が高い。賭け事も含めて一番盛り上がるのは、大穴が勝つ可能性のある部門じゃからの」


 「武術大会が各国であるんですか? 初めて聞きました」


 「各国にはそれぞれ強者がおるが、こういう大会に出ては賞金を得て暮らしておる者が居るのだ。それ以外はひたすら修行という連中がの」


 「武術大会は神様から与えられた特殊な神具を用いて行われるの。だから貴方達にもチャンスはあるのよ? 強制的に強さは落とされるから」


 「強さが落とされる?」


 「そうじゃ。言うなればレベルが1の状態に落とされてしまい、能力も皆が同じになるのだ。故に純粋に技を競う戦いとなっておる。ついでに死なぬようにもなっておるしな」


 「何だか悪用できそうな神具だと思うのは、私だけ?」


 「誰もが考えるが、諦める事じゃの。レベルが1に落とされてしまう以上、幾ら死なぬとしても役には立たぬ。それで誰もが悪用を諦めるのだ。とはいえ仮に悪用すれば神罰は確定だからな、誰も実際にはやらん」


 「そっか。神罰が落とされるんじゃ、確かに誰もやらないわね。むしろ他の国の神具を弄ってやらかしそうだけど、それを見抜けない神じゃないだろうから、結局悪い事を考えた奴らに神罰が落ちそう」


 「確定で落ちるだろうし、過去にそういう事はあったと思う」


 「「………」」



 コトブキの師と女王が顔を背けたという事はあったんじゃろうのう。

 何があったかは分からぬとはいえ……妾もそうじゃが、落として良いなら苛烈な罰を落とすのが神よ。

 碌でもない事に決まっておる。



 「どんな罰か気になるんですけど?」


 「………女よ」


 「おんな……ですか?」


 「その国には女しか生まれなくなったのだ。最終的には他所から来た入り婿の国に乗っ取られたという終わり方をした。悲しい程に、静かに息を引き取るように国が消えたのだ」


 「悲しすぎるわよね。大きな何かも無く、戦争で敗れた訳でも無く、静かに国が無くなったの。御蔭で唯の愚かな国と記録されて終わりよ、その国は」


 「女しか生まれなくなった国が、いつまでも保てるわけが無い。最後まで抗ったものの、結局は女だけで子は生せぬ故にな。静かに息を引き取った」


 「地味だけど、よく考えたら恐ろしい結末だね。意図的に女性しか生まれないようにするっていうのも……容赦が無い?」


 「男だけとか女だけとか、どのみち歪でしかありませんしね。すぐに国の中が荒れると思います」


 「それ以前に、その国から出る女性も多かったんじゃないかと思うわ。だって周囲に女だけって、あまりにも異常な状況だし」


 「それはそう。ここも女性率が異常に高いけど、これは単に集まってるだけだから問題は無い。ただ、国全体がこうだと……」


 「どっかで色々と爆発しそうだよね。昔は女子高とかあったらしいけど、男の目が無いとメチャクチャだったとか聞いた事があるよ。お年寄りの人がそんな事を言ってたから」


 「男の目が無いから、女としての身だしなみとか気にしなくなるみたい。どんどん悪化していくんだって言ってた。それに刺激が無いからつまらないって」


 「まあ、言いたい事は分かるの。色々な事があるし、様々な問題があるものの、女と男は必要なのであろうな。どっちが欠けても、おかしな事にしかならん」



 当たり前の事よな。

 とはいえ一部にそれを是とするおかしな連中がおるが、その連中は孤島か何かに押し込めるのが一番だと思うわ。

 そこで己らだけ固まっておれとな。


 それより今日の夕食も良かったのう。

 しかしそろそろ野菜物も欲しくなってきたか。

 現実では食しておるが、こちらに美味な野菜は……そういえばキャスティが作っておったんじゃったか。


 売り物の一部を適当に貰って齧るか。

 お菓子を渡しておるのじゃからして、文句は言わんであろう。


 食事も終わったし、さっさとマイルームに戻ってログアウトじゃ。

 現実での夕食を食べねばならんからのう。


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